なぜ体重が減っていないのか?医療上の理由について

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体重に変化が見られない理由

ダイエット計画に従っていて、ほぼ毎日運動していて、新しい健康習慣についても学びました。しかし、何週がたっても、体重にほとんど変化は見られません。なぜでしょうか?

可能性としては、食べる量が多くなってきていたり、自分で思っているより効果的な運動をしていないことが考えられます。

「体重を減らすことができず、その理由を理解できない場合は、体重の問題の根底に病状があるかどうかを判断する必要があります」とOrange Coast Memorial Medical Center in CaliforniaのSmart Dimensions Bariatric Programのディレクター、Peter LePortは氏語っています。 「自分の体重を減らそうとする前に、まずその問題に取り組む必要があります。」

体重増加のための医療上の理由

コロンビア大学Presbyterian EastsideのPrimeCareディレクター、コロンビア大学の臨床医学の准教授であるRebecca Kurth医師は、いくつかの症状が体重増加や体重減少の原因となる可能性があると述べています。
特にKurth氏が挙げているのは以下の症状です。

慢性的なストレス

あなたが不安、ストレス、または悲しみを抱えて生きている場合、特に腰の周りに脂肪がつきやすくなります。体が、ホルモンコルチゾールのような化学物質を生産することが原因です。これは体重増加の一種で、深刻な健康上の問題のリスクを高めます。

クッシング症候群

クッシング症候群は、副腎(各腎臓の上部に位置する)がコルチゾールを過剰に産生し、顔、背中、および腹部に脂肪が蓄積する場合に発症します。

甲状腺機能低下症

甲状腺が機能していない場合、体は、蓄積された脂肪を燃やすのを助けるのに十分な甲状腺ホルモンを産生しないことがあります。結果として、代謝が下がり、特に身体活動が少ない場合、燃焼するよりも多く脂肪を蓄えることになります。

多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)

この病気は、ホルモンの不均衡が原因で発症し、米国で500万人以上の女性に悩まされています。一般的な症状は、不規則な月経出血、にきび、過剰な顔の毛、薄毛、妊娠困難、過剰な食事によって引き起こされない体重増加です。

シンドロームX

インスリン抵抗性または高インスリン血症とも呼ばる、シンドロームXも体重増加の原因となります。シンドロームXは、インスリン抵抗性に根ざした健康状態の一つです。インシュリンに抵抗性があれば、代謝をコントロールするための他のホルモンも同様に働かないことになります。

うつ病

うつ状態にある多くの人々は、精神的なな苦痛を和らげるために食に走ることがあります。

女性のホルモン変化

思春期、妊娠中、閉経時にホルモンが変化したときに、体重を増やす女性が時々います

他の2つの考慮事項

人々は年齢とともに、体重を増やす傾向がありますが、それは病状ではありません。ただし、中程度から過剰量のアルコールを飲んでいるのであれば、体重を減らそうとする努力を妨げてしまっている可能性があります。アルコール(ビールとワインを含む)は、砂糖、キャンディー、白粉に似た洗練された炭水化物です。アルコールは、カロリーを増やすだけでなく、血糖値やインスリン値を上昇させ、体重増加をもたらします。

体重増加のための処方箋?

体重を増やす原因となるのは、病状だけではありません。 Scripps Clinic栄養・代謝研究センターの医師、ケン・フジオカ氏によると、薬によっては体重を増やしたり、減らさないようにする作用があるとのことです。

「薬の服用による体重の増加は、とても一般的です」とフジオカ氏は語ります。
フジオカ氏の 患者の約25%は、薬の服用や病気が原因で肥満になっているとのことです。

体重増加を引き起こす可能性のある薬の中には、以下があります、

・2型糖尿病治療薬(スルホニルウレアなど)
・クロルプロマジン(ソラジンなど)、チオリダジン(メルリル)、オランザピン(ジプレキサ)などの抗精神病薬または統合失調症薬
・ベータ遮断薬(高血圧および心臓病のために処方される)
・アミトリプチリン、イミプラミン、トラゾドンなどの抗うつ薬
・ホルモン補充療法
・避妊薬
・喘息および尋常性狼瘡のような状態のために服用したコルチコステロイド
・発作を制御するために使用される、特にバルプロ酸やカルバマゼピンなどの抗てんかん薬

特定の投薬が体重増加を引き起こす理由は様々であり、常に知られているわけではない、とフジオカは述べています。

例えば、抗精神病薬は、食欲を増加させるだけでなく、代謝率(体がカロリーを燃やす速度)を低下させる可能性があります。ベータ遮断薬は人の代謝率を1日約80カロリー低下させると考えられています。ホルモン補充療法は、体内でエストロゲン(脂肪蓄積ホルモン)のレベルを上昇させます。
ジョージワシントン大学の体重管理プログラムのArthur Frank博士は、「体重増加は特定の投薬の非常にわずらわしい、予測不可能な副作用です。」と語ります。 「特定の薬に敏感であれば、体重増加を経験する可能性があります」

しかし、もし体重が増えている原因が、1つの薬によるものであれば、同じ副作用を起こさない似た薬を処方してもらえる可能性があります。例えば、三環系抗うつ剤として知られているより古いタイプの抗うつ薬は体重増加を引き起こすことがありますが、SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)と呼ばれる新たなクラスのうつ病薬は通常ありません。 SSRIには、セレクサ、レクサプロ、プロザック、パキシルなどがあります。

医薬品は、男性と女性の両方で体重増加を引き起こします、女性は一般的に、男性よりも簡単に体重を増やし、減らすのが難しい傾向にあるため、同じ投薬を受けている男性よりも多くの体重を増やす可能性があります。

医師と一緒に取り組む

医学的状態や投薬があるために体重減少に問題があると思われる場合は、すぐに医師に相談してください。

健康的な体になるのをあきらめないでください。医学的状態や投薬のために体重を減らすことは困難ですが、不可能ではないと、Frank氏は言います。

「体重を注意深く監視してください」と彼は言います。「体重が増えていることに気づいたら、医師に伝えて薬を変えてもらいましょう」

食生活を変えて運動を増やしても、体重を減らすことができるかもしれませんが、時間がかかる可能性があります。ただし、何らかの病状を抱えている場合は、体重を減らそうとする際、注意深くなる必要があるということは、覚えておいてください。
例えば、糖尿病を患っている場合、食べる量が少なく、運動量が多いと血糖値が急激に低下する可能性がある、とフジオカ氏は語ります。「糖尿病患者が体重を減らそうとうする際、医師の監督下にいなければなりません。」

病状が体重増加の原因になっている場合は、どんな病状であったとして、自分で問題を管理しないでください、とコロンビア大学の臨床医学准教授のRebecca Kurth医師は語ります。

「医者に相談してください。 自身に負担をかけないでください。自分を責めないでください」とKruth氏は語ります。

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