生殖機能を守るために知っておきたいこと

生殖機能について
妊娠する上で、特に女性にとっては、年齢が重要な項目の一つになりますが、誰もが自分の生殖機能を守ることができます。
現在は妊娠を希望していない場合でも、生殖機能を維持するために対策を取ることで存することはありません。
シェフィールド大学の産科学および産婦人科学の教授である、ウィリアム・レッジャー教授が、その基礎となる部分について語ってくれました。
年齢が生殖能力に与える影響
受精率の話になると、年齢がどうしても関係してきます。
現代では、妊娠する年齢が遅くなってきています。しかし、生殖能力は年齢が上がれば上がるほど低くなっていくので、妊娠の計画を立てる場合はこのことにも考慮するようにしてください。
女性も男性も、最も生殖機能が発達しているのは20代の前半です。
女性の方が、年齢の影響によって急激に生殖機能が衰えます。これは、35歳以降に顕著に見られます。この頃から、卵巣から排出される卵子の質が落ちてきます。
女性が35歳以上の夫婦の3分の1は、生殖機能に問題があるとされており、40歳以上になると、その数は3分の2に増えます。
女性が35歳以上になると、体外受精などの不妊治療を行っても妊娠できる確率が低くなっていきます。また、妊娠したとしても、流産してしまう可能性も高くなってしまいます。
男性の生殖機能は、40歳以降に衰えはじめますが、ほとんどの男性が50歳以降でも女性を妊娠させることはできます。
生殖能力を維持するために性感染症を予防する
クラミジアや淋病などの性感染症は、女性の卵管を傷つけ、妊娠の可能性を低くしてしまう恐れがあります。
性感染症の疑いがある場合、かかりつけ医か、病院の性病科を受診してください。
生殖機能を守るためにタバコをやめる
「一日あたり20本タバコを吸う女性は、更年期障害になる年齢が平均して2年早まるとされています」とレッジャー教授は言います。また、タバコを吸う男性は、精子にダメージを与えてしまうというリスクがあります。
妊活期間中は健康的な体重を維持する
体重が多すぎたり少なすぎたりすると、妊娠の可能性が低くなってしまいます。
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)も不妊の原因の一つで、肥満や太りすぎが原因で起こります。
BMI値が適切かどうかを調べてみてください。
妊活中はお酒を飲まない
妊娠中または妊活中は、赤ちゃんへのリスクを最小限に抑えるために、お酒を一切飲まないようにするのが最も安全です。
パートナーの男性は、一週間に飲むお酒の量を適量に制限してください。飲みすぎると、精子の質に影響する恐れがあります。
睾丸を温めすぎないようにして精子の数を増やす
男性の睾丸は、体温よりも1℃~2℃低くなくてはいけません。きつい下着を履いたり、熱いお風呂に入ったりすると、睾丸の温度を上げ、精子ができるスピードが遅くなってしまう恐れがあります。
生殖機能を守るために放射線を避ける
放射線に当たったり、グリコール・エステルなどの化学薬品に触れると、生殖機能に影響を及ぼしてしまうことがあります。
妊娠する上で問題を感じたらどうしたらよいですか?
避妊しないセックスを定期的にするようになって一年以上経っても(35歳以上の女性の場合、半年以上)妊娠しない場合、かかりつけ医に相談してください。
医師は、受精に関する問題がないか検査をし、次に何をしたらよいかのアドバイスをくれるでしょう。