妊娠についての基礎知識〜妊娠第14週〜

妊娠第14週目の赤ちゃん
・赤ちゃんが真っ直ぐ立つ
急速に成長する赤ちゃんは飛び跳ねて弾んでいます。お母さんの握り拳ぐらいの大きさですが、ずっと動き続けています。妊娠後期3ヵ月に感じるピクピクとした痙攣とはだいぶ違うものです。(この動きはあと数週間の間、お母さんは何も感じません。)今胎児がやっている動きは、バレエのようなもので、スムーズで流動的なものです。バレエの話をするならば、出産後赤ちゃんが真っ直ぐ立ち始めるのには数年がかかりますが、驚くことに、胎児はこの時期、一人で真っ直ぐ立っています。前かがみの姿勢ではもうなくなり、赤ちゃんの首は長くなってきており、頭を真っ直ぐ立たせることに役立っています。これは胎児が真っ直ぐな姿であるように見せています。
・赤ちゃんの髪と産毛が生え始める
妊娠第14週目までには、赤ちゃんには髪の毛が生え始め(それでも最終的な髪の色は生まれてくるまでは決まっているわけではありません)、眉毛も生えてきます。毛の成長は頭の毛だけにとどまるわけではありません。産毛と呼ばれる、保温効果のためのやわらかい毛に赤ちゃんは覆われています。サルのような赤ちゃんになるわけではないので心配は不要です。妊娠後期に脂肪が蓄積されていくにつれ、赤ちゃんの保温の役割を脂肪が引き継ぐため、産毛はほとんど消滅します。でも、赤ちゃんの中には(特に早産の赤ちゃん)、出産時に産毛で覆われて生まれてくる子もいますが、これは出産後すぐに消えていきます。
この週の他の発達としては、赤ちゃんの口蓋が作られ、消化器官の活動も発達します。胎児の腸は出産後に始めて排便される排出物である胎便を作り出しています。
妊娠第13週目のお母さんの体
妊娠中期の3ヵ月がはじまります!
妊娠中期へようこそ。ほとんどの妊婦がこの時期が一番良いと感じており、それには理由があります。妊娠初期3ヵ月が非常に辛かったため、この時期元気がでてきて、人間らしい気分を感じているかもしれません。妊娠初期3ヵ月のときのような乳房の圧痛はやわらぎ、エネルギーのレベルも戻ってきます。もっとよいお知らせとしては、つわりがやわらぎ、便器に頻尿のためにかよう回数も減ってきます。マタニティ用品の店に行って、マタニティ服を探す時期でしょう。妊娠しているのがわかってくる時期です。ついに、子宮が骨盤領域を上がって出て、下腹の位置にいったためです。下腹の骨盤のすぐ上を触ると、基底部と呼ばれる、子宮の上部を感じることもできます。
・ラウンド靭帯痛
妊婦の中には、子宮の成長の副作用としてラウンド靭帯痛と呼ばれる痛みを産科医から告げられるかもしれません。原則的に妊娠成長痛であり、腹部の片側もしくは両側の横が痛くなる症状で、妊娠第14週目前後に現れます。(しかし、妊娠中期のいつでも症状は現れる可能性があります。)なぜでしょうか。腹部横の付け根からアーチ上に走る靭帯のベルトによって子宮は支えられています。子宮が成長するにつれ、靭帯は伸ばされ、増加した重量に対応して伸びて薄くなります。この重みが靭帯にかかり、下腹部の鋭い痛み、または鈍い痛みを起こします。これは急に体勢を変えたとき、または座っていたり寝ているところから起き上がったり、咳をした時に顕著になることが多いです。痛みを和らげるよい方法とは何でしょうか?足を高くして、快適な姿勢で休むことで、緊張や痛みを和らげることができます。
妊娠症状が改善されていない場合、風邪、その他の病気の可能性もあります。なぜならば、妊娠中自然に賢く免疫システムを抑圧し、母体によっては異物である胎児を母体からの拒絶反応から守ります。健康でいるために重要なことは、細菌感染と戦うことでしょう。職場や家で細菌が流行っている時は特に、先制攻撃することが最高の防御となります。水で手を頻繁に洗い(もし手洗い場がないのであれば液体状の消毒液を携帯する)、食品や飲み物をシェアしない、同じ歯ブラシを使わない、そして伝染病が流行っている時のごとく、病気にかかっている人を避けましょう。もし、何か病気に罹ってしまったような気がしたら、すぐにかかりつけ医の診察を受ければ、あなたのニーズに合った治療をしてくれます。バクテリア感染症に対する抗生物質(抗生物質は風邪のようなウイルスに対しては意味がありません)が処方された場合は、妊娠中には薬は良くないと聞いているとは思いますが、処方された薬を飲むことを躊躇しないでください。母体だけにではなく、早く回復することが赤ちゃんのためにもよいことです。
・その他アドバイス
妊娠ホルモンのため、ほくろが大きくなったり、変化することは珍しいことではありません。しかし、かかりつけ医に診断してもらうほうが賢いかもしれません。
妊娠中期の3ヵ月は元気な時期です。この期間を楽しみましょう。妊娠性糖尿病のリスクを下げるために軽いエクササイズをしましょう。
体重増加はこの3ヵ月で進みます。1ヵ月に1.8キロ程度増加する可能性があります。
一般的症状
・疲労感の減少
今、エネルギーが再生されていることを感じているかもしれません。妊娠初期3ヵ月の胎盤を作り出すという作業を体が終えたためです。この機会を、出産後の赤ちゃんのための準備をするために使いましょう。
・乳房が成長を続けるが、圧痛は減る
乳房は成長を続け、変化していきますが(例えば、乳輪は濃い色となり、乳首も大きくなります)、妊娠初期の3ヵ月にあった痛みは少なく感じます。
・吐き気と嘔吐の終了
多くの妊婦と同様に、妊娠中期に入ったため、つわりはここで終わりを告げます。酷い吐き気がする場合は、背中や下腹を軽く叩いてみましょう。
・食欲の増加
吐き気がなくなってきた今、食欲が戻ってきました。定期的な健康的な食事と一日を通して間食(血糖値を保ち、エネルギーを一定にすることができる)を摂るように心がけましょう。食べすぎ飲みすぎは糖分を高くし、それに続いて低血糖を起こす原因となります。
・静脈瘤
この大きな、血管の腫れは、脚にできることが多いものですが、赤ちゃんに栄養を与えるために増量された血液量が原因で起こります。遺伝によるものですので、完全に静脈瘤を防ぐことはできませんが、血液を循環させ続けるために、日中多く歩くようにすることで、リスクを最小にすることに役立ちます。
・鼻詰まり
妊娠ホルモンがここでも原因です。エストロゲンの高レベルとプロゲステロンが体内の粘膜(鼻粘膜も含む)への血量を増加させることで、腫れと軟化の原因となります。就寝中、息がしやすいように、加湿器で温かいミストを試してみてください。