臍帯血バンクについて知っておきたいこと

「医者に行くといつも、待合室で臍帯血バンクについての情報を目にします。臍帯血バンクとは何なのでしょうか?またする必要があるんでしょうか?」
赤ちゃんが生まれる前に十分に考える時間がないように、考慮したい問題があるでしょう:赤ちゃんの臍帯血を保存したほうがいいか?もしするとしたら、どうやって?
臍帯血バンクとは何か
臍帯血バンクはここ数年で知名度を増した、シンプルで痛みの伴わない手法です。採取された幹細胞は命を救うことができます。以下はその方法です:臍帯からの血液は出生後数分間収穫(切られた臍帯から血液が除去される)され、将来に備えて保管されるのです。臍帯血は他の種類の血球に変わり得る特別な幹細胞を持っていて、特定の免疫系障害や血液の病気などの治療に使える可能性があるのです。これらの細胞が他の病気、例えば糖尿病、脳性まひ、心臓病などの治療にも使えるかの有望な研究もすすんでいます。
臍帯血保管の種類
臍帯血を保管する2つの方法があります:プライベートに保管するために費用を払うか、公共の保管バンクに寄付するかです。プライベートのバンクだと、血液の採取と年間費で大体10〜20万円かかります。また低リスクの家族(家系で免疫障害など持っていない家族)の利益はまだ完全にはわかっていません。これらの理由により、 American Academy of Pediatrics (AAP) は家族が幹細胞移植によって治療が行える病気でない限り、プライベートバンクでの臍帯血の保管は勧めていません。しかしながら、AAPは費用がかからず、今臍帯血を必要とする人に利用可能となる公共のバンクに寄付するよう強く勧めています。The American College of Obstetricians and Gynecologists (ACOG)は臍帯血バンクに対して賛成も否定も意見を示していませんが、医者にプライベート、公共どちらのバンクについても良い面悪い面を含んだバランスのとれた情報を妊婦患者に与えるよう、また今のところ子供が自分自身の臍帯血を後に使う可能性はかなり低い(いくつかの推定によると2700分の1)ことを開示するよう勧めています。
プライベートの臍帯血バンクがあなたにあっている医者と相談し、家族の病歴を見て特定の病気のリスクが高くないか確認しましょう。幹細胞によって助かる可能性のある病気には、白血病、リンパ腫および神経芽細胞腫; 鎌状赤血球貧血、再生不良性貧血、およびサラセミア; ゴーシェ病およびハーラー症候群; ウィスコット・アルドリッチ症候群、重度のヘモグロビン症が含まれます。これらの家族の病歴がないとしてもプライベートバンクによる潜在的な利益を見込んだ決断を下すこともできます。