骨を健康に保つための食事について

症状

骨を健康に保つために

健康でバランスの取れた食生活は、若い頃から強い骨をつくり、その状態を生涯維持するために重要です。

骨を強化するためには、十分なカルシウムを必要とします。また、体がカルシウムを吸収しやすくするためにはビタミンDが必要です。

骨が不健康だと、くる病や骨粗しょう症のリスクを増大させ、年をとってから転倒による骨折の危険性が高まります。

私たちは、健康でバランスの取れた食生活を送ることで、健康な骨を維持するのに必要な栄養素を全て吸収することができます。

「カルシウムやビタミンDだけでなく、多くの栄養素が骨を健康に保つのに必要です」と、英国骨粗しょう症学会のサラ・レイランドさんは言います。「骨を健康的に保つために最適なのは、たくさんの種類の食品をバランスよく食べることです」

よい食生活は、健康な骨を作るために最も重要な要素の一つです。これに運動を加えることで、特定の健康上のリスクを減らすことができます。

英国の最新の調査によると、ほとんどの人がカルシウムは足りていても、ビタミンDの摂取量が足りていないということが分かってきました。

一般の人のためのガイド

成人が一日に摂取すべきカルシウム量は700mgです。この量は、品目数を増やし、バランスの取れた食事をすれば摂取することができます。

カルシウムの豊富な食材は、例えば以下のようなものがあります。

・牛乳、チーズなどの乳製品
・ブロッコリー、キャベツ、オクラなどの緑の野菜(ほうれん草はおすすめできない)
・大豆
・豆腐
・カルシウムを加えた大豆飲料
・ナッツ類
・イワシなどの魚の小骨

ほうれん草はカルシウムを多く含みますが、シュウ酸も多く含み、体がカルシウムを吸収するのを抑制してしまうため、カルシウムの供給源としてはあまりおすすめできません。

必要なビタミンDの全てを食事で摂取するのは難しく、ほとんどのビタミンDは皮膚が太陽の光に当たることで吸収されます。

春から秋にかけては、一日に短時間の日光浴をすることで十分なビタミンDを体内で生成することができます。

ビタミンDを含むサプリメントを飲むことは、全ての人に有効な手段です。

ビタミンDのよい供給源は以下を参考にしてください。
・鮭、イワシ、サバなどの油分の多い魚
・卵
・ビタミンDを加えたシリアルなどの加工食品
・一部の粉ミルク

骨粗しょう症と診断されたら、カルシウムやビタミンDを含むサプリメントや薬を処方されるでしょう。

ビタミンDが足りていないと思われる人

以下のような人は、ビタミンDが足りていない恐れがあるため、日常的にビタミンサプリメントを飲んだほうがよいでしょう。

・新生児から1歳までの赤ちゃんで、完全に、もしくは一部母乳で育った赤ちゃん(一日500ml以上の乳児用調製粉乳を飲んでいる場合を除く)
・1歳から4歳までの全ての子ども
・虚弱体質の人や、病気などが原因で家に引きこもっている人
・老人ホームにいるなど、屋内でほとんどの時間を過ごす人
・外出するときに皮膚のほとんどを覆うような格好をする人

更年期

女性は、更年期を過ぎると、骨量の減少スピードが早くなります。この時期になると、骨を守る効果のあるエストロゲンが卵巣から分泌されなくなります。更年期に適した特別なカルシウムやビタミンDの摂取方法はありませんが、カルシウムやビタミンDを含む健康的でバランスの取れた食生活を送ることで、骨量が減る割合を遅くしてくれます。

ビタミンAの摂りすぎ

いくつかの研究によって、ビタミンAと骨粗しょう症の関連性が分かってきました。予防策として、レバー(ビタミンAを非常に多く含む)を定期的に食べる人は、週に一回程度に抑えるようにするか、レチノール(動物型ビタミンA)を含むサプリメントを飲むことが推奨されています。

骨粗しょう症を発症するリスクのある、更年期を過ぎた女性や高齢者は、レチノールの摂取量を一日1.5mg以内に制限することが推奨されています。

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