赤ちゃんが指の細やかな動きを身につけるために

赤ちゃんの指
つかむ、かきまぜる、持つ、つまむ……いつ、どのようにして赤ちゃんが拾い上げるかを学びましょう―さあ、いろんなものを拾い上げましょう!
最初の1カ月の間、赤ちゃんは、指をしっかりと握って小さな(かわいらしい)こぶしを作ったままになっていることが多いです。でもそのうち、赤ちゃんは、身の回りの世界を探検するために指や手がどんなに便利かに気づきます……そしてもちろん、口の中に入れます!赤ちゃんが気づく世界が―その中にはあらゆる物や人を含みます―広がるにつれて、さわったりつかんだりすることへの関心も広がります。かき集める、つかむ、そして指でつまむといった指を動かす能力を伸ばすことで、赤ちゃんは身の周りの布やおもちゃを見つけてワクワクさせることができます。
いつそうなる?
生まれてから4カ月目まで、把握反射や手掌反射によって、赤ちゃんの手のひらのまんなかを(お母さんの指などで)押してあげると、赤ちゃんはしっかりとつかんだり持ったりすることができるようになります。この反射が成長するにつれて、赤ちゃんはさまざまな指の使い方を発見するでしょう。ここでは、いつごろどんな成長をするか(でも、すべての赤ちゃんはそれぞれ、自分のペースで発達することを忘れないでください)について、おおよその意見をご紹介します。
3カ月
指の甲や先端でがらがらやおもちゃを持つことができるかもしれません。ただ、このスキルを身につけるのは4カ月目であることがほぼ一般的です。
4カ月
おそらく物に手を伸ばすことができ、指を押しつければ持つことができるようになります。
5カ月
おそらく両手ではさめるくらいの大きなボールか、握りこぶしの中に入るくらいの小さな食べ物を持つことができるようになります。
6カ月
たとえばレーズンのような物を手で拾うために、指をくま手のように動かすことができるかもしれません。ですから、小さくて危険なものは、お子さんの手の届かないところに置くようにしてください。
7カ月
おもちゃや物を、片方の手からもう一方の手に渡すことができるようになっているでしょう。
8カ月
親指と指のある部分を挟み込みで掴んで、小さな物を拾うことができるでしょう。
9カ月
バイバイをしたり、手をたたくような手遊びができるようになるかもしれません。もっとも、こうした複雑な動きの組み合わせは、10カ月または11カ月までに身につけるのが一般的です。
10カ月
指先でつまむことができるようになります。そして、親指と人差し指の先で、小さなものをほぼつかむことができるようになるでしょう。
11カ月
あらゆる指の技術を身につけることができます。つかむ、手を伸ばす、手を振る、渡す、つまむ、手を振る、拍手する、そして小さなものをきちんと、しっかりつまむことができるようになります。
赤ちゃんを手助けするためには
たとえばいないいないばあや手遊びゲームなど、指あそびで赤ちゃんを導いてあげましょう。触ったり、探検したり、持ったりできる安全なものをたくさん与えて、赤ちゃんの指の発達を促してあげてください。
ジムや棒(階段の脇や遊び場、ベビーベッドにあるもの)
これらは赤ちゃんがつかんだり、回したり、ひっぱったり、つっついたりできるようなパーツがいろいろついていて、赤ちゃんに有効なものです。6インチ以上の長さの糸状のものは避けましょう。また、お子さんが座ることができるようになったら、ジムを下ろしてください。
がらがら
小さな手に心地よくフィットします。手首のガラガラから始め、それから2本のハンドルが付いたものや表面を握るものに移り、最終的に手から手へガラガラを渡す、重要な動きができるようになります。がらがらは歯を磨き始めたときにも役立ちます。
キッチン道具
たとえば木製スプーンやなべ、フライパン、紙コップ、プラスチック製のメジャーカップといったキッチン道具は、「身のまわり」にあるものへといざないます。こうした物は、赤ちゃんが観察したりうまく使ったりするのが大好きであることが多いです(「ママやパパはいつもこれを使っているよね―ところで、これはどういうものなの?」)。
アクティビティボード
さまざまなボタンやダイヤル、スイッチがついているので、指の技能だけでなく、因果関係も教えることができます。光や音、動きが、赤ちゃんをとりこにするでしょう。赤ちゃんは吊り下がっているおもちゃをピシャリとたたくことから、おもちゃに触れてつかむことへ進化するので、アクティビティジムも、ちょっとした動作の楽しさをたくさん与えることができます。
ブロック
大小を問わず、木やプラスチック、布のブロックは、この年代にとって魅力的な学習素材です。赤ちゃんはつかみ、ゆくゆくは拾い上げるでしょう。そして、ぶつけ合ったり、(少なくとも赤ちゃんにとっては)音楽を奏でたりすることを学ぶでしょう。赤ちゃんはブロックを積み上げるほど器用ではありませんが、ブロックを取り出すために蹴ることを身につけます。
柔らかい人形やぬいぐるみ
お子さんが柔らかい人形やぬいぐるみを持つようになると、器用さを身につけることができます。お子さんが大きくなるにつれて、さまざまな感触や特徴(ボタン、ファスナー、レース)を持つ人形が感覚を刺激し、ちょっとした動作を器用にできるようになるのに役立ちます。
指でつまんで食べる食品
赤ちゃんの食事に指でつまんで食べることができるものを取り入れると、つまみ上げる技能を身につけるのに役立ちます。オーツ麦や小さなチーズキューブ、そのほか赤ちゃんにとって安全な食べ物は、赤ちゃんが一口サイズの食べ物を取るために親指と人差し指を使う方法を身につけやすくなります。それまでは、手のひらサイズの食べ物(スライスされたパンやメロンなど)でちょっとした動作を身につけさせることができます。
ボール
さまざまな重さや素材のボールは、いつも大人気です。
コンテナ
コンテナを積み上げること(最初は単に持ったり落としたりするために、その後ぶつけたり、実際に積み重ねたりする)で、指の技能だけでなく、空間認識にも役立ちます(ただし、赤ちゃんがこの技能を身につけるためにかなり時間がかかるかもしれません)。
心配しなくてよいこと
ほかの人より手先が器用な大人がいる(針に糸を通すプロではないかもしれません)のと同じように、特に最初の1年は赤ちゃんの指先の技能にも幅があります。したがって、もし赤ちゃんが10カ月の段階でうまく物をつまむことができなくても心配しないでください。練習する機会をたくさん与え続けていれば、そのうち赤ちゃんがあなたの頬をやさしくつまむようになることに気づくでしょう。
次に何がある?
赤ちゃんが物をぶつけ合うことをマスターし、物をきちんとつまめるようになると、落書きをしたり、意図的に物を動かしたり、スプーンやフォークといった食器類を使うといった、これから重要になる複雑な動きを身につけることを始めます。