子どものためのインフルエンザワクチン〜フルミスト〜

フルミストについて
幼い子どもをインフルエンザから守るためのインフルエンザワクチンとして、フルミストというものが提供されております。
インフルエンザは子どもにとって非常に不快な病気で、気管支炎や肺炎等の深刻な合併症を発症する可能性もある。
子どもの年齢とフルミスト
・2~4歳の子ども
・小学校1~3年に所属している子ども
・長期的な病態を抱えている2~17歳の子ども
どこでフルミストを受けるか
2,3,4歳の子どもは、診療所で主に臨床看護師等から予防接種を受けます。
5歳の子ども(未就学児)もフルミストを受ける資格があります。これらの子どもは、学校で接種を受けられないので、診療所で受ける必要があります。
一年生、二年生、三年生の子どもは学校で接種を受ける可能性が高いでしょう。
インフルエンザのリスクが高い子ども
2歳~17歳で、糖尿病等の長期的な病気を抱えている子どもは、インフルエンザにかかるリスクがとりわけ大きくなります。
嘗て与えられていた普通のインフルエンザ注射ではなく、フルミストの接種を受けることが特に大切です。
生後六ヶ月から二歳までの子どもでインフルエンザのリスクが高い者は、通常、医院や診療所において一般的な予防注射を受けることが出来ます。
子どもがインフルエンザワクチンを受けた際の副作用
フルミストは副作用として考えられるものの数が非常に少ないです。起こり得る主なものは、ワクチン接種を受けてから数日間鼻水が出る、などです。
フルミスト接種の方法
ワクチンは、それぞれの鼻腔への噴霧(単回投与)で接種します。注射針を使わずに済む(子どもにとって非常に有難い)のみならず、フルミストは素早く、痛みを伴わず、インフルエンザ予防注射よりも効き目が大きいのです。
ワクチンは速やかに吸収されます。また、たとえワクチン接種後に子どもが鼻水・くしゃみが出て鼻をかむことが多くなっても、効き目がなくなることはありません。
フルミスト接種を遅らせるべき子ども
以下の状態にある子どもはフルミスト接種を遅らせるべきです。
・鼻水が出る、あるいは鼻が詰っている
・呼吸が苦しげである
子どもの鼻があまりにも詰っている、或いは鼻水が甚だしく出るという場合は、ワクチンが身体に吸収されない可能性があります。このようなときは、鼻腔の症状が治まるまでワクチン接種は延期させるべきです。
子どもが一週間に渡って苦しげに呼吸している場合は、ぜいぜい言わない状態が三日続かない限り、ワクチン接種は控えるべきです。
フルミストを接種するべきでない子ども
フルミスト接種を避けるべき子どもを以下に示します。
・免疫力が甚だしく弱い子ども
・卵アレルギーが強い子ども
・酷い喘息もちの子ども(ステロイド剤や高用量吸入ステロイドを服用して治療している子ども)
・ワクチンの成分(ネオマイシン等)に対してアレルギー反応を示す子ども
子どもがフルミストを受けることが出来なくても、インフルエンザ予防注射を受けられる可能性はあります。
子どもにフルミストが提供される理由
インフルエンザは赤ちゃんや幼児が多く感染する病気です。その症状はとても辛いものです。
インフルエンザにかかった子どもの症状は、大人のそれと同じです。一週間程度に渡る発熱、悪寒、筋肉痛、頭痛、鼻づまり、乾性喉、喉の痛み等です。
高熱を発症したり、気管支炎・肺炎・中耳炎といった合併症を発症するこどももいます。
こういったこどもは病院での治療が必要となるかもしれません。また、とても稀ではありますが、インフルエンザによって死に至るこどももいます。
実際、どの年齢層よりも、五歳未満の健康な子ども達において、インフルエンザによる入院の傾向が強いのです。
糖尿病、喘息、心臓病、肺の病気などの長期的な病を抱えている子どもは、重い合併症を発症する危険性がより高いため、このような子どもにとってインフルエンザへの感染は非常に深刻なことなのです。
子どものためのインフルエンザワクチンの仕組み・効果
ワクチンは、生きてはいるものの弱毒化したインフルエンザウイルスを含んでいます(これにより子どもがインフルエンザに感染することはありません)。ワクチンを接種することによって、子どもはインフルエンザの症状を体験することなく、自然に感染した場合と同じプロセスを取りつつインフルエンザに対する免疫抗体を構築することが出来ます。
感染拡大の防止
フルミストは、ワクチンを接種する子どもをインフルエンザからまもるのみならず、子どもから家族・その他多くの人へと感染が拡大することを防ぐことが出来ます。
子どもは一般的に、ティッシュを適切に使わなかったり手を洗わなかったりする故に、感染を拡大させやすいのです。
子どもにワクチン接種をさせることで、赤ちゃん・高齢者・妊婦・長期的な病を抱えた人といったインフルエンザへの耐性の弱い人を感染から守ることが出来ます。
子どもに必要なワクチンの用量
ほとんどの子どもは、フルミストは単回投与で十分です。
二歳から九歳の子どもで身体的な条件によりインフルエンザ感染のリスクが高く、尚且つインフルエンザワクチンの接種を受けたことがない者は、二度の投与を受けることが推奨されます。この際、一度目の投与を受けてから二度目の接種までには最低四週間を経る必要があります。