助産院で出産することのメリットとデメリット

助産院について
家のように落ち着ける場所で産みたいけど、知識豊富な頼れる医療スタッフにもいてほしいならば助産院が合っているかもしれません。
出産方法を考えていて、病院然とした雰囲気は嫌だけど自宅出産にも興味はないと思った場合は、助産院が最適です。専門のスタッフがおり、医療行為は最小限であり、居心地の良い部屋に宿泊できる助産院は、妊婦にとって最高の場所です。助産院で産むときに必要なことをここで全て学んで、助産院があなたに合っているのかを確認しましょう。
助産院とは何ですか?
助産院は、自然分娩を望む妊婦のための、家庭的で医療行為を行わない出産方法です。通常助産院は独立した施設ですが、病院に隣接している場合や病院の中にある場合もあります。ほとんどの助産院では、(産婦人科医ではなく)助産師が生まれた赤ちゃんの最初のケアをします。助産院では快適に出産できるほかに、婦人婦検診、妊娠相談、出生前ケア、母親学級、母乳育児支援、産後ケア・サポート、出産後の管理など多くのサポートをしてくれます。
病院とはどこが違うのですか?
助産院は、産婦人科医や小児科医などの医療専門家と提携しており、問題が生じた場合には病院に移送したりもします。しかし助産院での出産と病院出産にはいろいろな違いがあります。病院の分娩室はやはり病室のようですが、助産院の分娩室はもっとしゃれています。また、病院では一般的な医療行為(継続的な胎児モニタリング、陣痛誘発剤など)は助産院では行えません。
メリット
分娩室が快適
助産院には通常、柔らかい照明、クイーンベッドやダブルベッド(あなたが望めば分娩中にパートナーに抱きしめてもらえます)、テレビ、ロッキングチェア、家族や友人のためのベッド、シャワー、ジャグジー、時にはキッチンもあります。多くの助産院では、写真を吊るしたり、ろうそくを点けたり、曲をかけたりして、分娩室を自分色にすることを勧めています。
プライバシーが守られる
助産院では常に母親のためのプライベートルームがあります。一方病院では、保険でプライベートルームの費用も出せるのではない限り(たいてい出せません)、出産後はセミプライベートルームに移動します。
自由である
好きなように歩き回いて動き、好きな服を着て、生みやすい体勢で分娩できます。分娩中や分娩後に飲み物を飲んだり軽食を食べたりできます(もちろんいきんでいる最中には飲食は無理です)。一方病院では、食べ物や飲み物(氷を除く)は通常は許可されていません。(たいてい電子胎児モニタリングがあるので)動きは制限されます。ベッドの上で仰向けになって出産することになるでしょう。
家族と一緒にいられる
病院で出産すると、赤ちゃんは最初の診察のために別の部屋に連れて行かれますし、その後も何回か診察のために別の部屋に連れて行かれます。しかし助産院では、緊急処置が必要な場合を除いて、出産後に赤ちゃんを別の部屋に引き離すことはありません(立ち会う家族や友人も、あなたが望まない限り引き離されることはありません)。ビタミンK注射から赤ちゃんの最初のお風呂と診察まで、すべてを同じ部屋で行います。
入院期間が短くなる
あまり薬や医療行為は必要がないため、回復にかかる時間は病院よりも短くなります。病院では退院まで24~48時間かかるのに比べて、助産院なら出生後4~8時間で退院できます。また、入院期間が短ければお金を節約できます。
帝王切開のリスクが減る
助産院で産む妊婦が帝王切開する確率は6%です(病院での低リスク妊娠の妊婦は26%)。
硬膜外麻酔をしない
助産院の多くは硬膜外麻酔をしません。代わりに、ハイドロセラピー、呼吸法、マッサージ、鍼灸などで痛みを和らげます。亜酸化窒素ガスを使う助産院もあります。
デメリット
助産院は少ない
全国の助産院の数は限られており、特に小さな町だと見つからないかもしれません。
病院に移動できるかどうかの問題
緊急事態が発生した場合は病院に移動します。幸いにも、緊急事態の対処のために移動するケースは2%未満です(主に、陣痛が強すぎる、硬膜外麻酔をしたいという理由で病院に行くケースが多いです)。とはいえ助産院には、移動中にも使える酸素や新生児用人工呼吸器があります。
保険が適用されない
助産院での出産には保険がおりない保険もあります。保険会社に問い合わせてみましょう。
助産院での出産には向かない人
助産院は低リスク妊娠のみを扱います。高血圧や糖尿病、妊娠糖尿病である、逆子である、多胎妊娠である、合併症の恐れがあるなどリスクがある場合は、助産院では出産できません。
立ち会い人は誰にする?
分娩中に誰に立ち会ってもらうかはあなた次第です。病院とは異なり、立ち会いの人数は特に制限されていません(いきむときにお子さんが自動的に分娩室から追い出されるということもありません)。もちろん、だからといって分娩室に30人も詰め込もうとは考えないこと!自然分娩を支持する人も、周りにあまりにも多くの人がいると気が散って出産所要時間が長くなる可能性があるので、立ち会い人の数を制限することを勧めています。赤ちゃん誕生に立ち会えなかった人も、写真やビデオは助産院では許可されているので、後から見ることはできます。