“重度のPMS 遺伝子”の発見は、治癒の望みとなるか?

月経前不快気分障害(PMDD)とは
およそ20人1人の女性が、月経前不快気分障害(PMDD)を持っているとされていますが、症状は、抗うつ薬を必要とすることが多くなるほど、深刻です。
新しい研究では、「生理前に深刻な気分に悪化に苦しむ女性は、異なる遺伝的構成を持っている」という事が明らかになりました。
ESC / E(Z)と呼ばれる遺伝子複合体と、月経前不快気分障害(PMDD)とされる、月経前症候群(PMS)の重症症状との関連性が発見されたようです。
出産年齢のほとんどの女性は、精神的に不安的になる月経前症候群(PMSまたはPMTと呼ばれることが多い)を経験します。
しかしPMDDの症状は、うつ病や極度の不安など、日々の生活に支障をきたすほど深刻です。 PMDDの女性の多くは、治療薬が必要です。
研究では、PMDDの女性の細胞が他の女性の細胞と比べて、ホルモンエストロゲンおよびプロゲステロンに異なって反応することが発見されました。
また、ホルモンにさらされる前と後の両方で、細胞内で発現される遺伝子の違いが特定されました。
研究者達は、ESC / E(Z)複合体と呼ばれる特定の遺伝子群が関与しているとしていますが、PMDD症状にどのように影響するかを正確には分かっていません。
この発見が、細胞レベルでPMDDの女性とそうでない女性の違いを初めて示しました。これのことは、PMDDに遺伝性の可能性があることを示唆しています。
しかし一方で、研究者達はこれらの知見の生物学的関連性に注意する必要があると強調してます。ホルモン応答を目的とした治療は、様々な副作用を誘発する可能性があります。
PMDDの治癒ができるようになるのは、まだ先のようです。
いつ、月経前症候群の助けを求めればいいのか?
PMDDの症状はPMSに似ていますが、より精神症状が重くなります。
症状には次のものがあります
・絶望感
・持続的な悲しみやうつ病
・極端な怒りと不安
・いつもより睡眠時間が極端に長い
・極端な緊張と過敏
期間前に定期的にこれらの症状が現れる場合は、医者に相談してください。色んな治療法があります。
結論
PMDDは人生をとても厳しいものへと変える可能性があります。ホルモン療法や抗うつ薬は効果的ですが、妊娠するためにはホルモン療法を使うことはできず、また副作用もあるため、誰に対しても適しているとはいえません。
この研究は、ホルモンに対する遺伝子構造と返答が、女性がPMDDの症状を抱えるのか原因を究明する手がかりになると示しています。
しかし、これらの細胞応答が実際にPMDDの原因であるかどうかを知るには、まだ道のりが遠そうです。
今回発見された違いは、逆の因果関係に繋がる可能性もありえます。
この研究のグループは、PMDDの女性の4分の1に発生した大うつ病エピソードの既往歴の点では一致しませんでした。
また、これは無作為化比較試験ではなかったため、2つのグループの差異を考慮に入れることができる他の測定されていない差異があるかもしれません。
研究者はPMDD患者のほんの少数しか見ていないので、この研究が、過敏症、乳房の痛み、気分の浮き沈み、腫脹の症状などの、一般的な月経前症候群(PMS)に関連するかどうかはわかりません。
研究者らは、これらの知見がPMSに適用される可能性があることを示唆するためには、「投機的な問題でしかない」と述べている。
毎日の生活を困難にしている月経前症状がある場合は、医師に相談してください。たくさんの治療法があります。