ボランティアをすることで得られるメリットについて

ボランティアとは
ボランティア活動では、人は無給で他の人・団体を何かしらで助けます。
ボランティア活動が、ボランティアを行う者と支援を受ける人・組織の両者を利する、ということを示唆する十分な証拠があります。
「仲間をサポートすることは、一方的な行為ではないのです。」ウェールズ大学で第三セクター研究部門で講師を務めるレイチェル・キャシデイ博士は言います。「例え相手を指導する側の立場にある者でも、同じ問題に悩まされている人と話すだけでその(指導する側の)者も助けられるのです。ただの慈善事業ではないのです。ボランティアを行う者は大抵の場合、支援の受け手と同様に助けられるのです。」
健康面の利点
「ボランティア活動においてボランティアを行う者は、支援の受け手が得る利益と同等とまでは言わないですが、とても多くの益を得られるのです。」キャシデイ博士は言います。
QOL
晩年のボランティア活動が鬱病や孤独の絶対数を減らしたという研究もあります。またボランティアは、QOLや人生の満足度を増大させるという報告もあります。
病気時の対処能力
ボランティア活動を行うと、人は自身の病態に慣れて問題を忘れられるようになります。ボランティア活動のおかげで日常生活でのパフォーマンスが向上したことを示す研究結果もあります。
健康的なライフスタイル
「禁煙促進サービスにボランティアで参加した喫煙者達が、喫煙を止めるようになったという研究があるんです。」キャシデイ博士は言います。「この研究では更に、大学キャンパスでの過剰な飲酒についても調べ、ボランティアしている学生の飲酒量が減ったことがわかったのです。」
家族関係の向上
高齢者のボランティア参加者とボランティアに参加しない者達とを比較すると、前者のほうが家族関係が良好であることがわかったのです。「これはもしかすると、支援する側という役回りが私的な人間関係にも持ち込まれて、高齢のボランティア活動家達はより自立して家族に頼らないようになるからかもしれません。」キャシデイ博士は言います。
新たな出会い
ボランティア活動は、新しい人と出会う良い機会です。これは、特に孤立して社会に組み込まれなくなってしまいやすい高齢者にとっては不可欠です。
自尊心の向上と目的意識
「これは、人に活気を取り戻させ行動的にする上で非常に重要です。」キャシデイ博士は言います。「ボランティア活動に従事すると自尊心が回復し、意欲を取り戻すことが出来ます。自尊心が向上すると、健康や人生のあらゆる分野にも効果が見込めるのです。」
支援の受け手の健康
キャシデイ博士の報告は、ボランティアの幅が広いため受動者へのボランティアの純粋な効果をはかることは難しいと結論付けました。但し、以下に示すものはこの報告が実際に明らかにした結果です。
自尊心・自信の増大
長期の病を患っている人の場合、自尊心に影響が及ぶことが多く、医師に相談することが難しくなります。「ボランティアが仲介として働くと、患者は本当にサポートを受けているという感覚を得ることが出来るのです。」キャシデイ博士は言います。ボランティアは、スタッフと患者の関係をも改善できるのです。
社交化、社会統合、支援
ボランティアはむしろ、患者と同じレベル(仲間)の人間であると捉えられることが多いため、医師よりも共感がもちやすいのです。ボランティアはまた、患者の話を聞き会話を交わす時間がより多く取れるものです。ある研究によれば、ボランティアは患者の鬱病さえも減らす可能性を持っているそうです。
介護者達の負担軽減
介護者達をサポートしてくれる存在がいることはとても貴重なことなのです。介護者達の負担やストレスが軽減され、当人達の介護活動のパフォーマンスの効率性が上がるのです。
心配の減少
ある研究によれば、特定の医療処置を経験しようとしている患者が、同様の処置を自ら経験しているボランティアと話すことが出来ると、そのような処置に対する患者の不安が減少するそうです。
末期患者の生存期間延長
「ボランティアの訪問を受けている末期患者はそうでない患者と比べて、平均して一ヶ月程長く生き延びるのです。」キャシデイ博士は言います。「これは、末期患者の容態の悪さを考慮すれば驚くべきことなのです。」
授乳と子供の免疫処置の促進
若い妊婦や障害を抱えた妊婦の研究によれば、ボランティアは電話・ホットライン、或いは家庭訪問を通した支援が、授乳や予防接種の教育に役立っているそうです。また、ボランティアは子供が定期検診を受ける頻度にも影響を与える可能性があります。
来院率や処方薬服用率の改善
医師と患者の間に助けてくれる仲介がいることで、患者が処置に従ったり診断予定を守ったりする確率を向上できるのです。