妊娠中のB群溶血性連鎖球菌(GBS)検査について

GBSとは
B群溶血性連鎖球菌(GBS)とは、多くの健康的な女性(すべての女性のおよそ10~35%)の膣内に存在している一般的なバクテリアの種類です。この細菌が体内にあることには害はありませんが、出産中にこの細菌が赤ちゃんに感染し、深刻な感染症を引き起こす可能性があります(ただし、GBS陽性の母親から感染した赤ちゃんが生まれてくる割合はたった200人に1人です)。検査で陽性だった場合、陣痛が起きている間に抗生物質の静脈投与が行われます。この投与により、赤ちゃんに細菌が感染する危険性が完全になくなります。
GBS検査の対象者
GBS保因者だった場合でも、何らかの症状が現れることはありません。しかし、それは自分が保因者であると気づく可能性が非常に低いということを意味しています。すべての妊婦がGBS検査を受けなければならないのはこのためです。早産になったり、早期破水を起こす女性は、妊娠中のGBSに関する危険性が高いと考えられるため、陣痛が起きている間に抗生物質の静脈投与が行われる可能性があります。
GBS検査の実施方法
内診の際に、医者は膣内と直腸内からそれぞれ標本を採り、妊娠中のGBSについて検査します。標本は研究室に送られ、分析されます。
GBS検査はパップテストのような形で行われます。また、GBSは出生前診断で病院へ行く際に行われる定期的な尿検査でも調べることができます。もし尿中にGBSが確認された場合、経口抗生物質を使ってすぐに治療が行われます。
GBS検査の実施時期
この検査は通常、妊娠35~37週目の間に行われます。(35週目より前に検査を行うことでは、出産時に誰がGBSを保有しているのか正確に予想することができません。)お近くの病院へ行って検査を受けてください。陣痛が起こっている間に検査をすることができる迅速なGBS検査では、結果を1時間以内に得られます。この検査を受けることで、35~37週目の間に検査を行う必要はなくなる可能性があります。
医者が妊娠後期の間にGBS検査を行わなかった場合、検査の実施を頼むことができます。検査を受けないまま、何かしらのGBSに関するリスクを抱えた状態で陣痛が起きてしまった場合でも、医者は赤ちゃんに感染症がうつることのないように、抗生物質の静脈投与によって治療を行うことができます。
リスク
GBS検査に関連するリスクはまったくありません。検査や治療を安全に行うということは、赤ちゃんがGBSから守られるということを意味します。