妊娠中の水分補給について知っておきたいこと

妊娠中の水分摂取
妊娠中は、水分を摂取することがとりわけ重要になり、またその供給源が安全であるかどうかを確認することが未だ嘗て無いほどに重要なのです。
妊娠中は、水が欲しくてたまらなくなるのが当然です。妊婦は、十分な水分を摂取することが不可欠なのです。ここでは、妊娠中の水分補給について、その利点(痔やその他の妊娠症の予防)、必要な量(妊娠前とくらべて)、水の安全性等について解説していきます。
水は子宮に不可欠な物質を届ける
妊婦が日々誠実に摂取する栄養素や妊婦用ビタミン剤がどのようにして子宮に到達するのかを考えたことはありませんか?全ては水に始まるのです。水は必要不可欠な栄養素が体細胞に吸収されるのを助け、ビタミン・ミネラル・ホルモンを血液細胞に運ぶのです。胎盤、ひいては赤ちゃんに到達するのはこの栄養豊富な血液細胞であり、それは水の助けを得て初めて可能となるのです。
推奨水分摂取量は妊娠中のほうが多い
このような目的を達成するにあたり、妊娠中は二人分のシステムを循環させるため、より多くの水分が必要になります。The Institute of Medicine によれば、穏和な気候のもとで暮らしている妊娠女性は毎日グラス12-13杯分の水を取る必要があるそうです。これは妊娠していない女性の接取量(毎日11杯ほど)よりわずかに多い量です。一度に飲む水の量を少なくして、一日かけて安定的に水分が供給されるようにしましょう。大量の水を一気に飲み込むと、快くない形でお腹が一杯になってしまいます。1,2本のボトルを水でいっぱいにして、一日持ち歩けば良いでしょう。外で仕事をするときや暑い日に外出するときは、前後や途中で必ず水分を補給しましょう。また、喉が渇いたと感じるときには、既に身体が脱水症へと向かっているのだということを覚えておきましょう。
十分な量を摂取しているかどうかはどのようにして判断するのか。これは、トイレに頻繁に行き、尿の色が薄かったり無色になったりすれば十分です。
水を取ることで、尿路感染症や便秘、痔を防ぐことが出来る
妊娠中は、女性は二人分の飲食を行うのみならず、二人分の排泄もしているのです。これは、体内に今まで以上に取り除かなければならない成分が残っているということです。水は、排泄物を溶解して腎臓から流し去る働きをします。また、水をのむことによって尿を薄く保つことができ、これは体内の機能を循環させておくのみならず、尿路感染症を防止します。(膀胱に尿が溜まると、その中で感染症を引き起こすバクテリアが繁殖してしまいます。)また、膀胱や腎臓の感染症も防げます(これらはそれぞれ尿路感染症の一種です。)
水分を豊富に摂取することは便通をも助け、固形排泄物がより速やかに消化経路を通って行くようになります。便秘や痔を防ぐためにも大量に水を飲みましょう。(妊婦によくみられる便秘は痔にも繋がります。)
水は疲労、頭痛、腫れ、熱さを是正する
部屋が暑いのか…妊娠しているのか…。
事実、妊娠中は身体中が熱くなるのです。水を十分に接取すれば、発汗時に熱を逃がすことで、身体の冷却システムを快調に機能させることができます。豊富な液体が循環していると、妊娠疲労を防ぐことができるのです。脱水症の初期の症状の一つが疲労なのです。また、水は体内にある他のものに含まれている過剰なナトリウムを取り除く際にも役立ちます。これのおかげで、腫れ(とりわけ足や足首の腫れ)を最小限に抑えることが出来ます。
水の安全性の確認
自分の飲む水が安全かどうかを確認する行為は決して無駄ではありませんし、妊娠中はとても重要になります。通常摂取する水のほとんどは水道局からくるので一般的に安全なはずですが、多量の鉛、水銀、ヒ素等の化学物質によって汚染されている可能性もあり、その場合は子宮に害があるのです。加えて、妊娠中のBPA(プラスチックなどに含まれるエストロゲンに似た産業化学物質)摂取は危険だということを示す証拠が増えています。
水分摂取の方法は水を飲むこと、だけではない
水が最良の飲料ではありますが、他にも代替の役割を果たせるものが数多くあります。牛乳(8オンスの脱脂肪乳は7オンスの水分をふくんでいます。)、スパークリングウォーターやフルーツ・野菜ジュース(添加糖やナトリウムに注意しましょう。)、デカフェ茶等はすべて良い選択肢といえます。但し、低音殺菌やカロリー情報といったものに気を配るようにはしましょう。ソーダ(栄養が皆無なのにカロリーばかり高い)やカフェインを含有する飲料の摂取量には注意をする必要があるでしょう。というのも、これらは利尿効果があるからです。(妊娠中にカフェインを取ってはならない理由は他にもたくさんあります。)
また、日々の水分摂取量の20%は食物からくるのだということも忘れてはなりません。果実は水分含有量が最も多いです。スイカやカンタロープ一カップ分は5オンス弱もの水分を供給します。中級サイズのナシやストロベリー一カップ分では4.5オンス、中級サイズのオレンジには4オンス分の水分です。チキンスープ一カップだと大体6オンス分の水分が含まれています。