妊娠中の便秘についての基礎知識〜原因〜

妊娠中の便秘について
妊娠中は便秘しやすくなるので、うんざりしているかもしれません。そして、結果として、お腹が張り、ガスがたまり、悲惨な状態で、イライラが続き、必死で解消したいと思います。
残念なことに、妊娠中の女性の中には不規則な便通に悩んでいる人もいますが、そうでない人もいます。
妊娠中の便秘の原因は?
妊娠中の便秘は妊娠ホルモンが原因です。妊娠ホルモンは、腸の働きを鈍くさせ、食べ物を消化管に長く留まらせます。血流に吸収される栄養素が増え、より多くの栄養が赤ちゃんに届くようになるという利点があります。
ホルモンだけが腸の鬱血の原因ではありません。日が経つにつれて大きくなる子宮は、普段腸があるスペースを占有し、腸の機能が低下します。さらに、鉄を含んだ妊婦用のビタミン剤の服用が、便秘に関与しているかもしれません。しかし、それらを止めることは妊婦と赤ちゃんにとって良くありません。実際、妊娠中期以降、鉄のサプリメントを追加するように医者からアドバイスされるかもしれません。
知っておくべきこと
いずれ解消しますが、妊娠中だから仕方ないといってあきらめる必要はありません。便秘を解消する方法はたくさんあります。便秘が原因で痔になるのを防いでください。
できること
・腸を刺激する。食物繊維が豊富な食品は、体内から老廃物を排出するのに役立ちます。食物繊維は簡単に摂取できます。全粒粉のシリアルやパン、豆、新鮮な果物や野菜(生や軽く煮たもので、できれば皮つき)、ドライフルーツを食べてください。青菜野菜は便秘解消に役立ちます。野菜だけでなく、みずみずしくて甘いキウイなどの便通を良くする効果がある果物も良いです。毎日25~35グラムの食物繊維の摂取を目指してください。食品ラベルを確認してもいいですが、計算する必要はありません。食物繊維の多い食品をたくさん選べば大丈夫です。そして、白いパンやパスタなどの精製された穀物、精白米は、腸を詰まらせるので避けてください。食物繊維が豊富でおいしいメニューを考えてみましょう。
・意気込み過ぎない。食物繊維が豊富な食事に慣れていない場合、急に始めてはいけません。食物繊維をまったく摂取していなかった人が急に35グラム摂取すると、ガスとお腹が張るという犠牲を払うことになります。少しずつ食物繊維を取り入れるようにしましょう。食事ごとに、食物繊維を追加します。たとえば、茹でたブロッコリーを添えた鶏肉料理と玄米など。ただし、食物繊維のとり過ぎは良くありません。たとえば、茹でたブロッコリー、玄米、サラダ、山盛りの豆、デザートにプルーンなど。身体が徐々に新しい食生活に慣れるようにしましょう。
・1回の食事で食べ過ぎない。食べ過ぎは消化管に負担をかけ、消化不良につながります。1日3回しっかり食事をとるのではなく、6回に分けて1回の食事量を少なくしてみてください。
・しっかり水分補給する。水、野菜ジュース、フルーツジュースなどを毎日コップ8杯飲むと、食物が消化管を移動するのを促し、便を柔らかくしてくれ、排出しやすくしてくれます。プルーンジュースは最も効果があるので、ひどい便秘のときに飲んでみてください。ストレートでは飲みづらい場合は、他の果物やジュースと混ぜてスムージーにしてください。便秘解消の昔からの方法に、飲み物を温かいものに変えるというのがあります。レモン白湯もおすすめです。温かい飲み物は腸の蠕動運動を活発にし、便秘解消に役立ちます。
・時間を決めてトイレに行く。可能であれば、食後トイレの近くにいるようにすれば、便意を感じたときにあせることがなくなります。たとえば、午前8時に家を出て会社に行く場合は、食物繊維やプルーンジュースの摂取は7時までにしてください。夕方に外出する場合は、家に帰ってからにしてください。
・サプリメントや薬は慎重に検討する。皮肉な話ですが、妊婦用のビタミン剤、カルシウム、鉄分サプリメントのような妊婦の身体の状態を良くするためのサプリメントは、便秘を悪化させる可能性があります。制酸薬は、すべての妊娠中の女性におすすめです。状況が改善するまでは、持続放出型の鉄分サプリメントなどの代替手段や投薬量の調整について、医者に相談してください。
・座ってじっとしているのではなく活動する。妊娠中の定期的な運動は、定期的な排便を促します。10分のウォーキングでも効果があります。起きてすぐに一握りのナッツやレーズンを食べて、散歩を楽しんでください。
・栄養補助食品を取り入れる。小麦ふすまのような食物繊維が豊富な食品を食事に加えてもいいか医者に相談してください。パッケージの指示に従って、最初は少しずつゆっくり始めてください。
・善玉菌を摂取する。生きた乳酸菌を含むヨーグルトに入っているプロバイオティクス乳酸菌は、腸内細菌を刺激して食物をさらに分解させます。消化を助け、排便を促します。
・刺激性の下剤は使わない。コマーシャルでは、簡単に、スピーディーに便秘を解消できるように見えますが、非常に不快感を伴うかもしれませんし、すべての便秘薬や下剤(特に薬草や手作りのもの)が妊娠中に安全に使えるというわけではありません。便秘薬や治療薬を服用する前に、医者に相談してください。