太陽の光を浴びてビタミンDを生成しましょう

太陽の光からビタミンDを摂るには
ビタミンDは、健康な骨を保つのに必要な栄養素で、太陽の光の多い初夏から九月の終わり頃にかけてが最もビタミンDを摂りやすい季節です。太陽の光による健康被害を予防しながら、効率的に日光を浴びる方法を見つけましょう。
私たちは、体内のカルシウムの吸収や食べ物をリン酸で処理するためにビタミンDが必要です。こうしたミネラルは、健康な骨、歯、筋肉を保つのに重要です。
ビタミンDが不足する(ビタミンD欠乏症と呼ばれる)と、骨がやわらかくなって脆くなり、骨変形につながります。子供がビタミンD欠乏症になると、くる病のリスクが高まります。成人は、骨軟化症とよばれる、骨が柔らかくなり、痛くなる病気になりやすくなります。
どうしたらビタミンDを摂取できますか?
私たちの体は、皮膚に太陽の光が当たるとビタミンDを生成します。四月上旬から九月の終わりごろまでが、日光を浴びやすい時期になります。
ビタミンDは、種類は少ないですが、食べ物から摂取することもできます。油分の多い魚(サーモン、サバ、ニシン、イワシなど)、赤身の肉、卵などに含まれます。
また、乳児用調製粉乳、シリアル、ファットスプレッド、乳製品に含まれない牛乳の代用品などにもビタミンDが加えられています。
こうした製品に加えられるビタミンDの量は製品によって異なり、少ししか含まれていない場合もあります。乳児用調製粉乳に加えることができるビタミンDの量は法律で定められています。
サプリメントなどでもビタミンDを摂取することができます。
どれくらい太陽の下で過ごしたらいいのですか?
ほとんどの人は、少ない時間でも、日常的に腕や脚に直接日光が当たれば、十分な量のビタミンDを体内で生成することができます。これは、四月のはじめから九月の終わりの、特に11時から15時の間に可能となります。
私たちの体にとって、どれくらいの時間日光を浴びたらよいのか、正確な数値はわかっていません。これは、肌の色や露出の度合いがそれぞれ異なるように、どのようにビタミンDを生成しているかは人によって違うからです。確実なのは、日焼けをしてしまうとよくないため、肌が焼ける前に日焼け止めを塗るなどの対策をした方がよいということです。
日のあたる室内にいても、ビタミンDは生成されません。体がビタミンDを作る際に必要な紫外線B(UVB)は、窓を通さないからです。
また、太陽の光を浴びている時間が長ければ長いほど、皮膚ガンになるリスクも高くなるということを忘れないでください。
長時間日光を浴びる予定がある場合は、露出度を抑える、サングラスをかける、できる限り日陰を見つける、SPF15以上の日焼け止めクリームを塗るなど、事前に対策をとってください。
冬場の日光
冬場は、夏の太陽ほど、体がビタミンDを作るのに必要な紫外線Bを含みません。
10月から3月ごろにかけては、主に食べ物やサプリメントでビタミンDを摂取するようにしましょう。
赤ちゃんや子供
6ヶ月未満の赤ちゃんは、強い直射日光は避けるようにしてください。
日差しの強い4月から9月にかけては、以下に注意してください。
・帽子を被るなど、適切な服装を心がける
・特に11時から15時の時間帯は日陰にいる時間を長くする
・SPF15以上の日焼け止めクリームを塗る
十分にビタミンDを摂取させるには、日光浴以外にも子供用のビタミンD配合サプリメントを飲ませてもよいでしょう。
ビタミンDサプリメントはどんな人が飲むべきですか?
以下に示す特定の年齢層は、ビタミンDが足りていない恐れがあるため、サプリメントで補ったほうがよいでしょう。
・新生児から1歳までの赤ちゃん(母乳であってもミルクであっても、乳児用調製粉乳の摂取量が一日500ml以下の場合)
・1歳から4歳までの赤ちゃん
・外で日光を浴びる機会の少ない人(たとえば、虚弱体質の人や病気のため外出できない人、また、外出時に肌が露出しない服装をする人)
それ以外の人については、5歳以上の全ての人(妊娠中や授乳中の女性を含む)は、日常的に10ミクログラムのビタミンDを含むサプリメントを飲むことが推奨されています。
しかし、5歳以上の人の大半は、夏場に日光を浴びるだけで十分なビタミンDが生成できるため、この期間中はサプリメントを飲まなくても大丈夫でしょう。
赤ちゃんや小さいお子様用のビタミンD配合のサプリメントは、大型ドラッグストアなどで購入することができます。
ビタミンDのサプリメントを飲む必要があるか、また、どのようなサプリメントを飲んだらよいか分からない場合は、医師や薬剤師に相談してください。
ビタミンDは摂取しすぎても大丈夫ですか?
ビタミンDのサプリメントを飲む場合、ほとんどの人にとって一日10ミクログラム摂取すれば十分です。
一日に100ミクログラム以上のビタミンDを摂取すると、健康状態に影響が出る場合があります。これは、妊娠中、授乳中の女性を含む大人とお年寄り、11歳から17歳までの子供が含まれます。
1歳から10歳までの子供は、一日50ミクログラム以上は与えないようにしてください。1歳未満の赤ちゃんには、一日25ミクログラム以上は与えないでください。
人によっては、一般的な摂取許容量をとってはいけない健康状態にある人もいます。不安がある場合、医師に相談してください。医師からビタミンDの摂取を制限するように指示されたら、その量を守るようにしてください。
太陽の光をたくさん浴びたことで体がビタミンDを生成しすぎることはありませんが、日焼けを防ぐための対策は忘れないようにしましょう。