赤ちゃんに粉ミルクをあげる上で知っておいたほうが良いこと

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赤ちゃんの粉ミルクについて

赤ちゃんに粉ミルクをあげる上で、お子さんにとって一番良い粉ミルクは何か、一度にどれくらいあげたらいいのかなど、基本的なことやその他の対処法について知りましょう。

母親にとっても赤ちゃんにとっても、哺乳瓶でミルクをあげるということにさほど難しいことはありません。新生児でも、哺乳瓶からの飲み方を比較的簡単に身に着けることができるのです。一方で、粉ミルクには、いつでもあげられる準備ができている母乳と違い、選んで、買って、準備して、ストックしておく必要があるというデメリットもあります。つまり、初めて粉ミルクをあげる前には、いろいろと知っていなければいけないことが多いということです。すべて粉ミルクであげるにしろ、母乳の補助的な役割として使うにしろ、粉ミルクを使い始めるにあたって知っておくべきことを確認しましょう。

赤ちゃんに粉ミルクをあげるときのコツ

粉ミルクをあげる上で良いスタートが切れるように、知っておくと役立つ方法をご紹介します。

・寄り添いましょう
母乳であれ哺乳瓶であれ、授乳する際に最も大切な要素は、愛情です。肌と肌が触れたり、アイコンタクトをとることで、赤ちゃんの脳の発達にプラスの要素を与えるとも言われています。哺乳瓶でミルクをあげるときも、これらを簡単に取り入れることができます。赤ちゃんを腕に抱いて、ミルクを飲み切ってから話しかけたり、歌を聞かせたりして、授乳の時間を延ばしてみましょう。

・始めから、冷たい状態もしくは常温であげてみましょう
びっくりするかもしれませんが、赤ちゃんが食べ物を食べるようになる以前は、粉ミルクを温めても健康上のメリットはとくにありません。単純に、好みの問題です。温かい粉ミルクを好む赤ちゃんもいれば、冷たい、もしくは常温の粉ミルクを好む赤ちゃんもいます。粉ミルクを温めなくて済めば、時間の節約にもなります。始めから赤ちゃんを温かくない粉ミルクに慣れさせておけば、長い目で見たときに手間を省くことができます。結果的にお子さんが温かいミルクを好む場合は、ボウルか鍋に熱いお湯(熱湯は不可)をいれて瓶を温めてみてください。粉ミルクを電子レンジで温めることは絶対にしないでください。温まり方にムラができてしまったり、瓶は熱くなっていなくても中身が熱くなりすぎて赤ちゃんが口や喉を火傷してしまう恐れがあります。

・便の色が暗くて、臭いがきつくても心配は要りません
母乳をあげた場合と粉ミルクをあげた場合とで、便の状態を比べてみると、その違いに気付くはずです。一般的に、粉ミルクを飲んでいる赤ちゃんの便の方が、母乳を飲んでいる赤ちゃんに比べて臭いがきつく、色が濃く、しっかりと形がある傾向にあります。しかし、赤ちゃんの便には個人差があります。臭いや色が違っても、さほど気にすることはないでしょう。

・家族全員を巻き込みましょう
粉ミルクの場合、赤ちゃんにミルクをあげることの喜びを、お父さんやおばあちゃん、上のお子さんなどと共有することができます。赤ちゃんのごはんの時間を、赤ちゃんと寄り添う時間と考えてもらいましょう。小さな赤ちゃんを腕に抱いて、目を見て、ほっぺたをつついたり、子守唄を歌ってあげることで、家族全員が、栄養に加えてたくさんの愛情を注いであげることができるでしょう。

赤ちゃんがおなかが空いているサイン

赤ちゃんに最初の空腹のサインが出た時点でミルクを与えるのが理想的です。泣くまで待たないようにしましょう。空腹で泣く頃には、泣いている時間が長ければ長いほど、空腹で不快感を覚えてしまっているでしょう。最初のサインは小さいものかもしれませんが、以下のようなものがあります。

・乳房に体をすり寄せてくる
・自分の手や、あなたの服や腕をすごい勢いで吸う
・口をあける
・哺乳反射が見られる(頬をつつかれたときなどに、食べ物を求めて口を開けた状態で顔を横に向ける)
・唇や舌を吸うような動きをする
・唇を鳴らす

泣くときは、短くてトーンの低い泣き声が、強くなったり弱まったりします。

粉ミルクの種類にはどのようなものがありますか?

粉ミルクは、あらゆる会社が出していて、種類も値段も様々で、店頭でもオンラインでも買えるため、選ぶのに頭を抱えてしまうでしょう。どこから始めればいいのでしょうか?

最終的にどの粉ミルクを選んだとしても、赤ちゃんに質の良い栄養を届けられることには変わりないということを覚えておいてください。栄養的に、母乳に限りなく近いものもたくさん存在します。母乳に含まれる、母親から赤ちゃんに届けられる免疫分子も含む粉ミルクは残念ながら存在しないものの、たんぱく質、脂質、炭水化物、ビタミン、ミネラルは、種類も比率も母乳と変わらないものがたくさんあります。例えば、ほとんどの粉ミルクはドコサヘキサエン酸(DHA)やアラキドン酸(ARA)、オメガ3脂肪やオメガ6脂肪などの、赤ちゃんの精神の発育や視力の発達を促し、脳の機能にとって重要な役割となるものが含まれています。

 

 

私の赤ちゃんにとって最適の粉ミルクは何ですか?

粉ミルクには種類がありすぎて、混乱するだけでなく店頭に並んでいるのを見ているだけで目が回りそうになりますよね。ここでは、お子さんにとって最適な粉ミルクを見つけるためのコツをお伝えします。

・医者に確認しましょう
お子さんの担当医が、粉ミルクの選択肢を限定してくれるでしょう。最初に、おすすめを聞いてみてください。赤ちゃんは一人ひとり違います。ほとんどの新生児に一般的な牛乳ベースの粉ミルクが一番よかったとしても、低体重やアレルギーなどが原因で、特別な粉ミルクをあげる必要がある場合もあります。

・鉄分の量が少ないものは避けましょう
AAPやほとんどの医者は、貧血を予防するために、1歳になるまでは鉄分を強化した粉ミルクをあげることをすすめています。

・特別な粉ミルクの方が優れているとは思わないでください
大豆ベースなどの特別な粉ミルクを試すことを検討している場合は、購入する前に医者に相談しましょう。特別なものは、一般的な粉ミルクに比べて値段が高い傾向にあり、必ずしも必要とは限りません。

・あげる種類を変えたいときは、変えるタイミングが早すぎないように、慎重になりましょう
お子さんがミルクを吐き出してしまったら、すぐに違うものにしたくなる気持ちも分かりますが、吐き出したからといって、必ずしも問題があるとは言い切れません。多くの専門家は、頻繁に種類を変えないようにし、最低でも1週間は同じ粉ミルクを続けることをすすめています。頻繁に変えてしまうと、赤ちゃんの消化に影響を与えることになりかねません。

・粉ミルクの中には、高額なものもあります
種類によって、値段は変わってきます。特に、特別な粉ミルクについては、一般的な鉄分の強化された、牛乳ベースのものと比べると、2割ほど高い傾向にあります。

粉ミルクの量はどれくらいあげたらいいのでしょうか?

新生児のときは、少量から始めましょう。生後1週間ごろまでは、一度の授乳で1~2オンス程度飲むでしょう。この頃は、3~4時間に一度の頻度、もしくは赤ちゃんが要求する度にあげます。赤ちゃんが欲しがる量に応じて、徐々に量を増やしていきましょう。赤ちゃんが飲みたい以上の量を無理やり飲ませるようなことはしないでください。これは、母乳と粉ミルクを併用している場合や、搾乳して哺乳瓶であげている場合にも同じことが言えます。お子さんがおなかが空いている分だけあげるようにし、欲しくなくなったら、余っていても強制的に飲ませるようなことはしないようにしましょう。

お子さんの成長に合った、具体的な量については、医者に聞いてみてください。

私の赤ちゃんにとって粉ミルクは悪影響だったり危険だったりしませんか?

近年では、赤ちゃん用の粉ミルクはより安全で、簡単に使用することができるようになりましたが、買ったり、準備したり、保存したりする際にはまだ注意が必要です。赤ちゃんにとって粉ミルクが安全であるために、以下の注意点を確認しましょう。

・賞味期限を常に確かめましょう
もし切れていたら、使わないようにしてください。また、容器に傷がついているものも避けるようにしましょう。

・指示をよく読み、水の量を間違えないようにしましょう
ミルクの濃度が濃すぎると、脱水症状などにつながる可能性があります。逆に、濃度が薄すぎると、赤ちゃんの成長や栄養の摂取に影響をあたえてしまう恐れがあります。

・残ったミルクは必ず捨てましょう
赤ちゃんの唾液に含まれるバクテリアは、瓶の中で繁殖する恐れがありますので、残ったミルクについては毎回捨てるようにしてください。無駄が出ることが心配な場合は、作る量を減らし、飲み足りない場合はその都度作るようにしてみましょう。

・あらかじめ作っておいたミルクは、瓶に入れた状態で、飲ませる直前まで冷蔵庫に保管しましょう
出かけるときは、作っておいた瓶を断熱容器に入れて持ち運ぶか、しっかりと密閉できる容器に小さい保冷剤を入れ、そこに瓶を入れましょう。あらかじめ作って冷蔵庫に入れておいたものが、触ったときに冷たくなくなっていたら、使わないようにしてください。

母乳から哺乳瓶に移行する

母乳をあげていた赤ちゃんに、初めて哺乳瓶であげる準備ができましたか?母乳による授乳を1日あたり2回減らす計画を立てている場合、母乳と哺乳瓶を交互にあげるようにしましょう。これを2週間ほど続けてから、まる1週間かけて哺乳瓶だけの生活に慣れさせましょう。こうすることで、赤ちゃんも母親の乳も助けることができます。

どんな状況であれ、あなたの赤ちゃんが好む粉ミルクが必ず見つかることを心に留めておき、作り方や保管方法をすぐに調べ、毎日授乳を続けていれば、いつの間にか習慣として体に自然に刷り込まれるはずです。

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