減量のための5つのフード・シナジー(食べ物の相乗効果)の秘密について

健康的な食事習慣は減量の効果を与えてくれます
女性も男性もどれほど、痩せたいという幻想にとりつかれ、一時的ダイエット食品やダイエット製品にどれだけのお金が投じられていることでしょうか。もちろん、その理由は一時的ダイエットはすぐに体重が減りますが、その効果は長くは続きません。一晩で数キロ体重が減って欲しいと思っていますが、本当の減量の秘密は食事と運動習慣に変化をもたらすことで、それを続けていれば一生その効果は続きます。
しかし、特定の健康的な食習慣は減量の効果を少しもたらしてくれます。食べ物と飲み物には、フード・シナジーと呼ばれる、相互効果をもたらすものがあります。それは、食べ物や飲み物に含まれている特定の構成要素(例えば、ミネラル、ビタミン、植物化学物質、食物繊維、脂肪など)が健康上の利益を高めるために、相互に作用しあうことです。時として、減量の効果がある場合もあります。
減量のためのフード・シナジーの秘密
5つの食習慣は減量に役立つものに思われますので、以下に紹介します。
1.全粒穀物を選ぶ
全粒穀物は、その異なった構成要素から多くの栄養学的な相互作用があります。減量の解決策の一つになるものかもしれません。
ある研究では、全粒穀物食品を1日に3回以上摂る人は、1回以下しか摂らない人と比べて、BMI(体格指数)がかなり低かったとのことが報告されています。(これは男性にも言えることですが、女性のほうがその効果が高かったといえます。)別の研究では、食事に全粒穀物を取り入れている女性は、全粒穀物を取り入れていない人たちに比べて、12年間の期間に渡り、体重が大幅に増えた人は半数であったと報告しています。全粒穀物のオート麦に関する研究では、胃から小腸まで空になるまでに時間がかかるため、満腹感が長く続いていたと報告しています。
「アップル体型」(中年あたりで体重が増える傾向にある人)と呼ばれる体型の人全ては、全粒穀物をもっと取るべきで、それにより内臓脂肪組織が減少することにつながるかもしれないのです。これはもっとも健康に危険をもたらす腹部脂肪の種類のことです。カロリー摂取を減少する減量プログラムに従った50人の男女を対象とした最新の研究では、このことが結果にでています。被験者の半分は精製された穀物の代わりに全粒穀物を12週間食べ、残りの半分は精製穀物も全粒穀物も両方摂らないようにしました。結果はどうだったでしょうか?全粒穀物を摂ったグループのほうが、穀物全般を摂らなかったグループに比べて腹部脂肪が減りました。
2.野菜と果物を多く摂る
野菜や果物にあって、ファスト・フードやジャンク・フードにないものはなんでしょうか?水分、食物繊維、重要栄養素が多く含まれていますが、カロリーは低いです。これは食事の「エネルギー密度(食品の重さあたりのカロリー)」(食品の重さあたりのカロリーが低い食べ物を多く摂りましょう)を低くし、そして「栄養素密度」(量に比べて栄養価が高い食べ物を加えるましょう)を増加させることに最適の方法の一つです。
カロリー密度が低いものを摂るダイエットでは、多くの野菜と果物を摂ることが含まれており、これにより、カロリーは低いのに満足感がでます。最近の研究では、脂肪分をカットしつつ、フルーツや野菜を多く摂ることが、賢い戦略だということが示されています。研究では、米国ペン大学の研究者たちが肥満の女性を二つのグループに分けました。一つのグループでは、脂肪の摂取を削減することに関するカウンセリングをしました。もう一つのグループでは、脂肪の摂取を減らすことと共に水分の多い食べ物(主に果物と野菜を食べること)を増やすようにカウンセリングを行いました。そして、2つのグループともどの程度食べるかについて自分で決定しました。2つのグループとも減量することはできましたが、脂肪の摂取を減らすことと共に水分の多い食べ物を摂るようにカウンセリングしたグループでは、平均して1.5キロ程度体重が減っていました。特筆すべきは、このグループのほうが空腹感を感じなかったことが報告されていることです。
3.ベジタリアン食を摂る機会を増やしてみましょう
ベジタリアンの食事に従う人たちは、肉を食べる人たちよりも体重が軽い傾向があることがある研究によって報告されています。研究者たちは、87の研究事例データからベジタリアンの体重は、平均的に肉を食べる人たちよりも3-20%程すくなかったことを発見しました。
低脂肪菜食主義(いわゆる完全菜食主義者のことであり、動物の肉だけでなく、動物由来食品の摂取も避けるベジタリアン)の食生活にすると、運動やカロリー制限をしなくても1週間に0.5キロ程度減量することができるかもしれません、と責任ある医療への医者の委員会(Physicians Committee for Responsible Medicine)の設立者であるニール・バーナードは語ります。
しかし、完全ではなくても一部肉をとらないということでも効果はあります。半菜食主義(鶏肉と魚肉だけは食べるが、赤肉は食べないベジタリアンのこと)もしくは、ラクト・ベジタリアン(肉類と魚介類は食べず、卵と乳製品は食べるベジタリアン)は、肉を食べる女性と比べて過体重や肥満の危険性が低いとスウェーデンの研究では報告されています。
4. 食事に低脂肪の乳製品や豆乳を取り入れてみましょう
低脂肪や、無脂肪の乳製品を1日に2-3回取り入れている健康的な食事は、腹部周辺であっても体重の減少に役立っている可能性があります。高カルシウム、低カロリーダイエットにより、体脂肪を減らし、筋肉量維持することに役立っていることが示されているが、専門家は乳製品に含まれる構成要素がそうした効果に役立っていると考えている人もいます。
同様の低脂肪ダイエットを行った人に対する最近の調査では、一つのグループは乳製品からカルシウムを摂り、もう一つのグループはサプリメントからカルシウムを摂りました。サプリメントからカルシウムを摂取した人たちは、乳製品から摂った人たちよりも体重と体脂肪の減り幅が少ない傾向がありました。
ここでも、フード・シナジーは働いたのでしょうか?
ノースイリノイ大学の研究者であるジュディス・ルカシュックは、この体重の減少は乳タンパク質によるものであるのか、それともカルシウムによって強化された他のタンパク質も同じような効果をもたらすのか疑問に思いました。彼女と同僚の研究者は、14人の過体重もしくは肥満の女性に8週間のカロリー制限ダイエットを行ってもらい、低カロリー豆乳とスキムミルクによる減量効果を検証してみました。一つのグループは、低カロリー豆乳を1日3カップ飲んでもらい、もう一つのグループは同じ量のスキムミルクを飲んでもらいました。予備研究によると、どちらのグループも体重と体脂肪が同程度減少し、ウェストのサイズも同程度減りました。
低脂肪ダイエットの研究の一部として、結腸ガンの危険性を下げること、骨密度の維持、月経前症候群の症状の緩和に関して言えば、低脂肪乳製品にみられる二つの構成要素である、カルシウムとビタミンDの間に相乗効果があることが研究では示唆されています。
ルカシュックの研究で使われている、低カロリー豆乳には、こうした2つの構成要素も含まれています。彼女の研究の結果では、体重減少効果を起こした原因はなんだったのかははっきりしていませんが、彼女はカルシウムとビタミンDの相乗効果がなんらかの影響を与えることは可能であるはずだと言います。
5.緑茶を飲みましょう
いくつかの研究によると、緑茶はおそらく含有しているカテキン(植物化学物質の一つ)により、徐々に体脂肪を減らし、体がカロリーを消費するように刺激することにより、体重減少をもたらすのではないかということが示唆されています。緑茶に含まれる植物化学物質は数時間で半減するため、今緑茶を1杯飲んだ場合、1日の後半でもう1杯飲むことが最も効果があります。どの緑茶を買えばいいのか決めるときは、自分の嗅覚で確認しましょう。緑茶の葉の匂いが美味しそうであれば、味も美味しいことが多いのです。