ダイエットをする時に運動とカロリー制限ではどちらが有効なのか

カロリー制限と運動
ダイエットをする決心をすると、体重計の出番だ、と誰もが考えますが、代謝を上げるための手っ取り早い方法は、運動です。その理由と、実際にどれくらいの運動が必要なのかということを知りましょう。
ちょっとしたクイズを出題しましょう。ある人は、それまでよりもカロリーを抑えた食事をしました。またある人は、それまでよりも運動の量を増やしました。どちらの方が早く体重が落ちたと思いますか?
答えは、カロリーを制限した人です。しかし、だからといって運動がダイエットに重要ではないということではありません。運動の方が体重に結果が出るには時間がかかるものの、運動している人の方が、休んでいるときにもより多くのカロリーを消費することができ、減った体重をキープしやすい傾向にあるのです。
カロリー制限の方が結果は早く出るけれど、運動の方が長い目で見たときに成功しやすいことの理由をご説明します。
専門家によると、目標体重に到達するためには、一週間に1~2ポンドずつ体重を減らすことを目標にするのが良いと言います。1ポンドは3,500kcalなので、1日あたり500kcalを落とす計算になります。カロリーを落とす方法は、カロリーの摂取量を抑えるか、運動でカロリーを消費するか、もしくはその二つを組み合わせるのか、どの方法をとってもかまいません。ですが、運動よりも食事によるダイエットを選ぶ人が多いようです。減量の成果が早く分かるからでしょう。その理由をご説明します。
運動することで1日500kcalを消費することは、かなりの努力が必要な場合があります。例えば体重が170ポンドの人は、1時間あたり4マイルの速度で67分間歩いて初めて507kcalを消費できるという計算になります。
一方、摂取カロリーを500kcal減らすことの方が簡単のように感じます。ファストフードのお店のポテトのLサイズは約500kcalです。チョコレートがたっぷり塗られたドーナッツや、モカラテも、同じくらいのカロリーがあります。こうしたものを毎日摂取しているという人は、これらを我慢するだけでも一週間あたり1ポンド減量することができるでしょう。
しかし、食事制限だけでは、体重を減らして、それを維持するということは通常難しいと言われています。食事の量を減らすと、代謝が落ち、1日に消費可能なカロリー量が減ってしまいます。その状態で以前の食生活に戻ると、すぐに体重が元に戻ってしまうのです。
一番良い解決策は、カロリーを抑え、かつ運動をすることです。これによって、代謝の良い状態を維持することができます。
カロリーを抑えながら運動もした方が良いことには、重要なわけがあります。オハイオ州のCleveland Clinic Wellness InstituteのLifestyle 180プログラムのウェルネスマネージャーであるKristin Kirkpatrick氏によると、運動しないと筋肉量が落ちてしまうといいます。筋肉は、ウォーキングなどの心臓血管の活動と、ウエイトリフティングなどの筋力トレーニングの両方を行うことで作られますが、筋肉量が多いほうが、脂肪の状態よりもカロリーを多く消費するため、減量と同時に筋肉量も増やすことが重要なのです。
ダイエットをするときに運動もメニューに組み込んでいる人の方が、減ったままの体重をキープできることの理由はそこにあったのだと言えるでしょう。National Weight Control Registryの統計の中で、体重が減ってかつその体重を一年以上維持することができた人のうち、89%は食事と運動によるダイエットを行っており、10%が食事制限のみ、1%が運動のみを行っていたといいます。
どれくらい運動したら十分なのでしょうか?
Kirkpatrick氏は、1日あたりの摂取カロリーを250kcal減らして、運動で消費カロリーを250kcal増やすのが理想だといいます。標準体型の人の場合、2.5~3マイルが1日あたりの歩く目安ですが、これは体重がどのくらいあるかや、どれくらいのスピードで歩いたかによって変わると同氏は言います。
「運動がいかに重要かということを忘れて欲しくないんです」とKirkpatrick氏は強調します。調査によると、たとえ1日30分の運動時間で、それを3回に分けて1回あたりが10分だったとしても、減量には効果がありますし、体重が減ることで得られる健康上のメリットも増えるのです。