少しの減量が大きな効果をもたらす

少しの減量
体重が少ししか落ちなくても、悲観的になる必要はありません。医師たちは、軽度の減量であっても、健康にとっては大変な効果が得られるといいます。
血圧やコレステロールを上昇から、心臓病、糖尿病、がんなどのリスクを高まる事まで、太りすぎは単なる美容上の問題だけに留まらないことは、疑う余地のない事です。太りすぎは、健康にとって、重大な脅威になるのです。とはいっても、ほとんどの人にとっては、20ポンド、40ポンド、または100ポンドの減量計画を立てようとすると、まるで登ることが不可能な山の前に立っているように感じることでしょう。
もし今、あなたがそんな風に感じているならば、心を強くもってください。今日の先進的な体重減少の専門家たちは、健康を改善するためには、山の頂上どころか、半分も登る必要がないという考えを持っています。
実際に、あなたの体重を減らすため、少しでも足を踏み入れることが、体重計の数字が自分の理想値に達していなかったとしても、健康面でのリスクを低減するためには、とても効果的なことなのです。
小さなステップでも大きな効果がある
「体重を減らすだけではなく、健康であること、ヘルシーな食生活やライフスタイルを確立するための小さなステップを踏むことで、望んでいたほど体重が減らなかったとしても、大きな健康保険を得ることになります」とニューヨークのMaimonides Medical Centerの肥満と糖尿病のディレクター、Henry Anhalt氏は語っています。
実際、Anhalt氏は、大規模な人口調査を検証したところ、相対的に適度な体重の減少が、コレステロールや血糖など、重要な健康要因に対し、目覚しい改善をもたらす可能性があると述べています。
「400ポンドの人は、わずか20ポンド減らすだけで、文字通り、健康状態を改善することができます。」とAnhalt氏は言います
2001年の米国の外科医の肥満に関する報告によれな、過体重の人が5〜15%程度減量することで、少なくとも短期間において、心血管疾患のような医療面での深刻なリスクを減少させることが分かっています。
あなたがメタボリックシンドロームに悩まされる何万人かのうちの1人であれば、尚更、大きな効果を、早くに感じられる可能性があります。このことは、余分な体重を減らす場合だけではなく、高血圧、高い空腹時血糖値、低HDL(良いコレステロール)を伴う異常なコレステロール値やウエストサイズが非常に大きい場合にも当てはまります。
Baylor College of Medicineの専門家たちは、50歳以上の40%、40〜50歳の約3分の1の人たちが、メタボリックシンドロームが原因で、3つ以上の症状を持っている可能性があると報告しています。
この場合、Baylor大学で実施され、2002年に Diabetes, Obesity and Metabolism で発表された研究によれば、7〜10%のわずかな体重減少であっても、これらのすべての代謝レベルがわずか30日で正常になることが明らかになっています。
2番目の研究では、週に130分歩くだけで、体重のわずか5〜7%を失い、糖尿病のリスクが60%低下したことが示されました。
体重の問題があるなしに関わらず、健康的なライフスタイルに変更することで体重が減るのであれば、1ポンド減らすごとに、健康上での効果を劇的に高めることができると、医師たちは言います。
「体重を減らすために、コレステロールや脂肪の摂取量を減らしたり、運動によって代謝率を高めたり、ジャンクフードの量を減らすのであれば、実際に体重が減るというメリットだけでなく、健康面全体においてポジティブな変化を得られるでしょう」と、ニューヨークのMount Sinai Medical Centerでウェルネスと栄養の責任者を務めるStephen Sondike氏は語っています。
減量すれば何でもいいというわけではない。
Sondike氏はまた、絶食したり、エフェドラのような減量薬を使うと、ダイエット前よりも悪化するなど、全体的な健康に悪影響を及ぼしねないと指摘しています
「服用するものや、行動の内容によっては、体重を増やした場合よりも、血圧や心血管系の状態が悪化する可能性があります。」とSondike氏は語ります。
University of Utah nutritionの栄養士のShawn Talbott博士(PhD)も同様に、あまりに厳しすぎる減量計画を設定すると、逆効果になり、健康を損なう可能性がある、と警告しています。
Cortisol Connectionの著者Talbott氏は次のように述べています。「体重を落とすために、極端にカロリーを制限し、大きな精神的ストレスを感じると、ストレスホルモンであるコルチゾールレベルが上昇することが分かっています。」
結果的に、食欲を抑えきれなくなり、食べすぎてしまうだけでなく、体重を増やしても腹部脂肪として蓄積される可能性が高くなります。
「このことで、心臓病やその他の重大な健康上の問題のリスクが高まる可能性もあります」とTalbott氏は言います。
体重目標を達成しなくても、最終的な目標は、より健康に暮らすのことで、単純に体重を減らすことではありません。
Anhal氏は、 「健康的な方法で達成されるわずかな体重減少は、健康ではない方法で起こる大きな体重減少よりはるかに大切です。健康な生活を通じて、1ポンドでも失った場合、自分の体と健康に信じられないほど、奉仕していることになります」
「健康で太っている」ほうが良い
単純に体重を減らすという目標のもと、健康によい行動をいくつかした場合、一ポンドたりとも落とさなかったとしても、健康効果を得られる可能性があります。CDCの研究者が2003年3月に the Annals of Internal Medicineに発表された研究では、単純に体重を減らそうとしていた人たちは、実際の所、寿命も長かったことがわかりました。
この発見は、努力が重要と考える栄養士のサマンサ・ヘラー氏を驚かせるものではありません。
「果物や野菜をたくさん食べるようにしたり、お菓子、ジャンクフード、飽和脂肪(肉、チーズ、バターなどの食品に含まれる)の摂取量を減らし、運動を増やせば、健康全体を改善し、心臓病や糖尿病のリスクを減らすことができます」と、ニューヨーク大学メディカルセンターの栄養士、Heller 氏は述べています。
「ですから、実際に体重を減らさなかったと、これらのことを実践するだけで、気分が良くなり、最終的には健康状態が改善します。」
また、多くの医師は今日、まったく体重を落とす事ができなくても、毎年の体重増加を防ぐだけで、健康面で重要な効果があるとしています。
「より健康的なライフスタイルを達成するために努力をし、身体活動のレベルを少し上げ、毎日の食事にいくつかの健康的な変化を組み込むと、体重増加の予防に成功するだけでなく、健康面で何かしらプラスがあるでしょう」と、Sondike氏は言います。
「最終的には、大事なのは体重ではなく、ライフスタイルの変化に関するもので、長期的には、太っていて健康なのは、痩せていて不健康よりもよい理解が必要だ」とAnhalt氏は話します。
専門家達は、より健康的な生活スタイルにつながる変更を行うのであば、あなたが間違いなくより健康になるだろうと言います。そして皮肉なことに、おそらく体重が減るでしょう。