胸やけについての基礎知識~原因、予防法~

症状

胸やけとは?

胸やけは、その名前にもかかわらず心臓には影響しません。胸やのどに、酸味と苦味があわさったような、胸の下の灼熱感です。それは、食べ過ぎた後、または横になっているときに発生し、数分または数時間続くことがあります。

原因

食べ物は食道を通って胃に入ります。そのために食物は、食道と胃の間の開口部を通過しなければなりません。この開口部は、食べ物が胃の中に入るのを許すゲートのように食物が通過するとすぐに閉じますが、完全に閉じることができず、胃酸が開口部を通って食道に逆流してしまいます。胃酸は、食道を刺激して胸やけを引き起こす原因です。
裂孔(れっこう)ヘルニアも、また胸やけを引き起こす可能性があります。裂孔ヘルニアは、胃の一部が横隔膜(おうかくまく)を介して胸に押し上げられる状態で、ときに胸やけを引き起こすことがあります。
胸やけは、過食後、横にかがんだり、寝ているときによくみられます。妊娠やストレス、特定の食品も胸やけを悪化させる可能性があります。
胸やけを悪化させる可能性がある要因を、以下に示します。
タバコ
コーヒー(カフェイン、ノンカフェイン)
カフェインを含むその他の飲み物
アルコール
炭酸飲料
シトラスフルーツ
トマト製品
チョコレート、ミント、またはペパーミント
脂肪の多い食品やスパイシーな食品(ピザ、チリ、カレーなど)
タマネギ
食べ過ぎた後にすぐに寝る
太り過ぎまたは肥満であること
アスピリンまたはイブプロフェン
特定の医薬品(鎮静薬や降圧薬など)

予防法

胸やけを予防するには、以下の方法を試してみてください。
ベッドに横になり、頭側の脚の下に6~11cmのブロックを置いて頭を上げる
寝る前、少なくとも2〜3時間前に食事をし、昼寝をする場合は椅子で寝る
禁煙
体重を減らす
食べ過ぎない
高タンパク・低脂肪食
タイトな服やベルトは避ける
胸やけする食品などを避ける
生活習慣を少し変えることで、胸やけを避けることができるでしょう。

治療方法

生活習慣の変化や薬でも、症状がなくならない場合は、医師に相談してください。処方薬や、X線検査、胃酸のpH検査、内視鏡検査などの検査で胸やけの原因を探ります。内視鏡検査では、潰瘍を引き起こす可能性があるピロリ菌をみつけられます。
治療には、いくつかの種類の薬があります。
制酸薬は、あなたの胃酸を中和し処方箋なしで入手できる市販の制酸薬は、短期間で効果が出ますが、、多用すると、下痢や便秘の原因となります。
水酸化マグネシウムと水酸化アルミニウムの両方を含む制酸薬を探して添付文書の用法・用量に従ってください。
H2ブロッカーは胃酸の量を減らし、いくつかは処方箋なしで利用可能です。オメプラゾールやランソプラゾールなども胃酸の量を減らします。
メトクロプラミドは胃酸の逆流を軽減します。
どの薬を服用すればよいかは、医師に相談してください。
頻繁に胸やけを繰り返すと、食道炎になる可能性があります。食道炎がひどくなると、食道が狭くなって出血や嚥下(えんげ)障害を起こすことがあります。よりひどい胸やけは、胃酸逆流症、胃食道逆流症(GERD)、胃炎、裂孔ヘルニアまたは消化性潰瘍の症状である可能性があります。
心臓病の徴候である胸の痛みが、胸やけと誤解されることがあります。
以下の症状がある場合は、医師に相談してください。
食べ物を飲み込むときに嚥下や痛みを感じることがある
吐血
血性または黒い便
息切れ
めまい、あるいは頭部のふらふら感
首や肩の痛み
胸に痛みがあるときに汗が出る
2週間以上頻繁に(週3回以上)胸やけする

医師に質問すべき事項

胸やけを治療する市販薬はありますか?
胸やけの原因は何ですか?
胸やけを防ぐには生活習慣の改善が必要ですか?
胸やけは別の病気の徴候ですか?
好きな食べ物で胸やけが起こります。これらの食品を食べないこと以外に、何ができますか?

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