あなたのお子さんを手術にむけて準備させるということ

手術への準備
子どもを手術へ連れて行くのは一筋縄ではいきません。ですが、この手引きがあなたとあなたのお子さんの両方の不安への対処を手助けしてくれるはずです。
まず、あなたのお子さんが一度も手術を経験しなくて良いよう祈りましょう。ですが、もし手術を受けなくてはならなくなった場合、何が待ち受けているのか知っておくことはお子さんの、そしてあなたを落ち着かせるのに大いに役立つはずです。これらのヒントを生かして、幸せで健康的な結果に向けて手術を乗り切りましょう。
赤ちゃんには身体言語が鍵
赤ちゃんはあなたの言うことを理解できません。ですが、新生児でもあなたの身体の緊張を察知することはでき、それによってより不安になってしまうでしょう。なので、小さい子にとってはあなたの言動よりも行動のほうが重要なのです。心配しないのは不可能かもしれません。でも、できるだけあなたのエネルギーを赤ちゃんを安心させることに集中させてみましょう。
あなた自身のストレスを和らげる一つの方法としては、どんなことが待ち受けているのかしっかり知ることです。The American College of Surgeonsは小児外科医(PDF)からのアドバイスを提供しています。記入しなくてはならない書類から、あなたのお子さんが受けるかもしれない検査の種類まで、お子さんの手術日におきることを順を追って説明してくれます。
幼児にはごっこ遊びが効果的
三歳以下の子どももまたあまり手術について理解できません。なので、言葉で説明しようとするのではなく、手術前の週に「病院ごっこ」をしてみましょう。これをすることで、あなたの子どもの未知のものへの恐怖をいくらか薄れさせ、感情を自制できるようにすることができます(もしかしたらより協力的にさえなってくれるかも)。以下がやってみるべきアクティビティです。
手術前のプレイルームを作ってみましょう。病院で小さな患者さんたちが手術の時間をプレイルームで過ごします。お宅でもおもちゃなどを置いて、手術前のプレイルームのような空間を作り、実際の様子についても話してみましょう(「テレビが置いてあって、ゲームができるようになってるよ!」など)。お子さんには、当日は好きなおもちゃを持っていけると伝えましょう。
さあ看護師が来ました。あなたのお子さんの体温、体重、血圧を測るふりをしましょう。これらは全て手術前に看護師がすることです。
医師に会いましょう。ぬいぐるみや人形を医師に見立てて、お子さんに質問を投げかけてみましょう。実際の質問(「お腹は痛いですか?」など)と少しふざけたもの(「笑顔になっちゃう薬が必要かな?」など)を併せてききましょう。手術日には執刀医が来るときにそのぬいぐるみや人形の「お医者さん」を取り出してあげましょう。お子さんが困惑している場合には、見知った存在が落ち着きを取り戻させてくれるかもしれません。
病衣を着てみましょう。お子さんにあなたのシャツを着せてあげることで、当日は特別なパジャマを着ることを理解させましょう(本物はもっとぴったりのサイズだということも伝えてあげましょう)。
明るい部屋へと移動します。懐中電灯や明るい電気スタンドを使って、お子さんに手術室がどれくらい明るいかを体感させてあげましょう。お子さんには眠るまでそばにいることを伝え(目をつむっていびきをかくふりをさせましょう)、起きるころにまた隣にいると説明しましょう(「起きて!」と声をかけ、抱きしめてあげましょう)。もし、手術室の中まで付き添えない場合(病院の方針は小児科に問い合わせることで確認できます)は手術中にずっと隣にいる看護師を演じましょう。
この遊びをするときは必ず、眠りにつくのを助けてくれて後で気分を良くしてくれる「魔法の」薬や、「スーパーヒーローの」お医者さん、というように明るい言葉で説明しましょう。
そして交代して演じることも忘れずに。あなたのお子さんに看護師役や医師役を、そしてあなたが患者役を演じてみましょう。
未就学児には理解できる情報を伝えてあげましょう
未就学児は色々なことに興味津々ですが、手術となると、情報過多はお子さんにとってプラスにはなりません。複雑でない言葉で知らなければならないことだけを伝えることに徹しましょう。覚えておきたいのは、お子さんはあなたと医師の会話を多少は理解できるということです。しかし、間違って解釈してしまうことも多いでしょう。なので、できるだけ目の前で詳細を話し合うことは避け、以下の5つの点を強調しましょう。
・「これはあなたを楽にしてくれるはず。」お子さんには問題を解決するために手術を受けるのだと教えてあげましょう。
・「切り開く」、「取り除く」といった恐怖心を抱かせてしまうような表現は避けましょう。そして、長期にわたる術後の回復や再び手術を受けることも考えられるので、術後には全てが良くなると約束してはいけません。
・「これはあなたのしたことのせいじゃない。」あなたのお子さんが口に出さなかったとしても、多くの子どもは悪いことをしたから罰として病院へ行くのだと思いこみがちです。手術は大人も子どもも経験することで、悪いことをしたからではないと伝えて安心させてあげましょう。
・「お医者さんがお仕事をする間は何も感じない。」あなたのお子さんは手術を受けるために「眠る」ことに動揺するかもしれません(この経験がしばらくの間就寝を難しくすることもあります)。麻酔は医師が執刀する間に楽しい夢を見させてくれる魔法の薬だと説明してあげたほうがよいでしょう。
・「起きるときにはそばにいるから。」約束どおりにそばにいられるよう、手術後はすぐに術後回復室に入れることを確認しておきましょう(これも小児科に確認してみましょう)。そして、お子さんの好きなおもちゃや音楽、映画を持って行き、麻酔が切れたときに落ち着かせてあげられるようにしましょう。
お子さんの年齢に関係なく、術後数日間(場合によっては数週間)はトラウマになりやすくなります。お子さんの依存心が強くなったり、眠れなくなったりすることがあります。お子さんの気持ちを軽く見たり、心配しないよう言うのは避けましょう。代わりに、耳を傾け、安心させ、いつもの生活に戻れるようベストを尽くしましょう。時間とたくさんの優しさと思いやりで手術の記憶も次第に薄れることでしょう。