分娩後異常出血についての基礎知識

症状

どのようなものか

産後の出血は悪露と呼ばれますが、これは正常なものです。しかし、子宮が産後なるべき大きさまで収縮していないことがあり、これが分娩後異常出血に繋がります。これは、胎盤が付着していた場所から、多量で抑制することのできない出血が起こることを言います。分娩後出血は膣や子宮頸部の裂傷が治療されていないことによっても引き起こされる可能性があります。

どのくらい一般的なものなのか

分娩後異常出血は全出産のうち2~4%の割合で起こります。

リスクが高いのは主にどのような人か

子宮内反症、子宮破裂、羊水過多症、前置胎盤、胎盤早期剥離などの妊娠合併症の中には、分娩後異常出血のリスクを高めるものがあります。血餅を予防する薬やハーブ(アスピリン、イブプロフェン、イチョウ、ビタミンEの大量摂取)を服用している女性も、分娩後出血になる危険性が高くなっています。

どのような症状か

連続して数時間、1時間で1枚以上の生理用ナプキンが完全にぬれる、2~3日以上鮮血が流れ出る、血の固まりが出てくるなどの症状は、正常な分娩後出血に対して分娩後異常出血とみなされます。

心配するべきか

ほとんどの女性は分娩後異常出血からは十分に回復しますが、大量の血液を失うことでふらふらしたり、息切れがしたり、眩暈がしたり、鼓動が速くなる可能性があります。

何ができるのか

胎盤が取り出された後、医者はその胎盤が完全なものであり、子宮内に破片が残っていないかどうか確かめるために検査を行います。医者は子宮をマッサージして収縮を促進したり、母乳育児をできるかぎり早く始めるように提案するかもしれません。このことによっても子宮の収縮を促すことができます。出血が深刻な場合には、静脈内輸液や輸血を必要とする可能性があります。産後最初の1週間で異常なくらい大量の出血があった場合には、直ちに医者に連絡をとりましょう。

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