ロタウイルス・ワクチンについての基礎知識

治療方法

ロタウイルスワクチンとは

下痢や嘔吐の一般的な原因であるロタウイルス感染に対する経口ワクチンは、他の定期の小児予防接種と共に、生後8週間から12週間の乳児に2回投与されます。
液状のワクチンをスポイトで直接乳児の口に滴下し、飲み込ませます。
ロタウイルスは強力な感染力を持ち腹部に害をもたらす病原菌で、一般的にかかりやすいのは乳児や幼児です。下痢が主な症状であり、嘔吐、腹痛、発熱を伴う場合もあります。ほとんどの子供は数日の後に家で回復しますが、およそ5人に1人が医師の診療を必要とし、このうち10人に1人が極度の脱水症状などの合併症を患って入院することになります。毎年、ロタウイルス感染症で死に至る子供の数はとても少ないです。
予防接種として導入されて以来、ロタウイルスワクチンは症例の70%以上を予防してきました。

ロタウイルスワクチンの仕組み・効果

ワクチンの中にロタウイルスが幾らか含まれており、これをもとに乳児は免疫抗体を形成し、未来にロタウイルスに遭遇しても病気にかからないようになります。ワクチン中のロタウイルスは弱体化されたものなので、予防接種を受けたことが原因で乳児がロタウイルスに感染することはありません。

ロタウイルスワクチンの安全性

ロタウイルスワクチンが安全であることは、数多くの結果が示す通りです。Rotarixは、ベルギー、フィンランド、オーストリア、カナダなど、多くの国で4〜5年間に渡って広く使用されており、安全上の懸念は挙げられていません。

ロタウイルスワクチンの副作用

ほとんどの乳児に関しては、ロタウイルス予防接種を受けた後に問題が起こることはありませんが、ワクチン接種を受けてから落ち着かなくなったり、過敏になったり、軽い下痢を発症したりする乳児もいます。
予防接種を受けた乳児がロタウイルスに感染する可能性はありますが、通常、ワクチン接種を受けなかった場合に出ていたかもしれない症状と比べれば軽いものです。また、ワクチン接種後に乳児にロタウイルス検査を受けさせて、陽性反応が出る可能性もありますが、これは通常長続きするものではありません。主治医は、検査結果が自然な感染によりもたらされたものなのか、或いはワクチンによるものなのか、ということは区別できません。

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