ビタミンB群と葉酸についての基礎知識

チアミン(ビタミンB1)
チアミンはビタミンB1としても知られています。食事から摂った栄養を分解し、体がエネルギーとして放出することや、神経系を健康に保ちます。
チアミンが多く含まれているもの
チアミンは様々な食品に含まれています。多く含まれているものは次の食べ物です。
・豆類
・生鮮果物とドライフルーツ
・卵
・全粒穀物
・栄養素が強化されている昼食用シリアル
・レバー
どれぐらいの量のチアミンを摂ればよいのでしょうか?
成人(19-64歳)が必要なチアミンの量は、1日あたり、男性は1mg、女性は0.8mgです。
毎日の食事から必要な量のチアミンを摂取することは可能ですので、食事から摂取するようにしましょう。
チアミンは体内に蓄積することができないため、毎日の食事で補う必要があります。
チアミンを摂りすぎるとどうなりますか?
毎日、チアミンのサプリメントを摂りすぎるとどのような影響があるのかということについて、確かな検証はありません。
チアミンについてのアドバイス
必要なチアミンを、バランスの取れた種類の豊富な食事から摂れるようにすべきです。サプリメントで摂ると、チアミンを摂りすぎて健康に有害な可能性があります。
チアミンのサプリメントを1日100mg以下摂取する場合は、健康に影響はないと考えられています。
リボフラビン(ビタミンB2)
リボフラビンはビタミンB2としても知られており、皮膚、目、神経系を健康に保つこと、また、食べ物から摂ったエネルギーを体が放出することに役立ちます。
リボフラビンが多く含まれているもの
リボフラビンが多く含まれている食べ物には次のようなものがあります。
・牛乳
・卵
・栄養強化された朝食用シリアル
・米
紫外線はリボフラビンを破壊するため、直射日光を避けて保存することが望ましいです。
どれぐらいの量のリボフラビンを摂ればよいのでしょうか?
成人(19-64歳)が必要なリボフラビンの量は、1日あたり、男性は1.3mg、女性は1.1mgです。
毎日の食事から必要な量のリボフラビンを摂取することは可能ですので、食事から摂取しましょう。
リボフラビンは体内に蓄積することができないため、毎日の食事で補う必要があります。
リボフラビンを摂りすぎるとどうなりますか?
毎日、リボフラビンのサプリメントを摂りすぎるとどのような影響があるのかということについて、確かな検証はありません。
リボフラビンについてのアドバイス
必要なリボフラビンを、バランスの取れた種類の豊富な食事から摂れるようにすべきです。サプリメントで摂ると、リボフラビンを摂りすぎて健康に有害な可能性があります。
リボフラビンのサプリメントを1日40mg以下摂取する場合は、健康に影響はないと考えられています。
ナイアシン(ビタミンB3)
ナイアシンはビタミンB3としても知られており、皮膚と神経系を健康に保つこと、また、食べ物から摂ったエネルギーを体が放出することに役立ちます。
ナイアシンが多く含まれているもの
ナイアシンには二つの形態があり、それはニコチン酸とニコチンアミドです。両方とも食事で摂ることができます。
ナイアシンが多く含まれている食べ物には以下のものがあります。
・肉
・魚
・小麦粉
・卵
・牛乳
どのぐらいの量のナイアシンを摂ればよいでしょうか?
成人(19-64歳)が必要なナイアシンの量は、1日あたり、男性は16.5mg、女性は13.2mgです。
毎日の食事から必要な量のナイアシンを摂取することは可能なので食事から摂取するのがよいでしょう。
ナイアシンは体内で蓄積することができないため、毎日食事から摂取する必要があります。
ナイアシンを摂りすぎるとどうなりますか?
毎日、ニコチン酸のサプリメントを摂りすぎると、皮膚潮紅を起こすことがあります。長期的に大量に摂取すると、肝臓障害の原因になることがあります。
毎日、ニコチンアミドのサプリメントを摂りすぎるとどのような影響があるのかということについて、確かな検証はありません。
アドバイス
必要なナイアシンを、バランスの取れた種類の豊富な食事から摂れるようにすべきです。ナイアシンサプリメントを摂る場合は、大量に摂取すると摂りすぎて健康に有害な可能性があります。
ニコチン酸のサプリメントを1日17mg以下、またはニコチンアミドサプリメントを1日500mg以下摂取する場合は、健康に影響はないと考えられています。
パントテン酸
パントテン酸には、食べ物から摂ったエネルギーを体が放出するのに役立つなどの、いくつかの作用があります。
パントテン酸が多く含まれているもの
パントテン酸は、次に示すようにほとんどの肉類や野菜に存在します。
・鶏肉
・牛肉
・じゃがいも
・お粥類(米、オートミール、コーンなど)
・トマト
・キドニービーンズ
・卵
・ブロッコリー
・全粒穀物(玄米や全粒パンなど)
パントテン酸を強化している朝食用シリアルがあれば、それもよい供給源となることでしょう。
どのぐらいの量のパントテン酸を摂ればよいでしょうか?
パントテン酸は多くの食材に含まれているので、毎日の食事から必要な量のパントテン酸を摂取することは可能なので、食事から摂取するのがよいでしょう。
パントテン酸は体内で蓄積することができないため、毎日食事から摂取する必要があります。
パントテン酸を摂りすぎるとどうなりますか?
毎日、パントテン酸のサプリメントを摂りすぎるとどのような影響があるのかということについては、確かな検証はありません。
アドバイス
必要なパントテン酸を、バランスの取れた種類の豊富な食事から摂れるようにすべきです。サプリメントを摂る場合は、大量に摂取すると摂りすぎて健康に有害な可能性があります。
パントテン酸サプリメントを1日200mg以下摂取する場合は、健康に影響はないと考えられています。
ビタミンB6
ビタミンB6は、ピリドキシンとしても知られており、体内に酸素を運ぶ役割をする赤血球内の物質であるヘモグロビン(食物形態ヘモグロビン)中にあるたんぱく質と炭水化物から、体がエネルギーを使い、またエネルギーを保存することに役立ちます。
ビタミンB6が多く含まれるもの
ビタミンB6は以下のように多くの食べ物に含まれています。
・豚肉
・鶏肉
・魚
・パン
・全粒穀物(オートミール、小麦胚芽、玄米など)
・卵
・野菜
・大豆
・ピーナッツ
・牛乳
・じゃがいも
・ビタミンB6強化朝食用シリアル
どのぐらいの量のビタミンB6を摂ればよいでしょうか?
成人(19-64歳)が必要なビタミンB6の量は、1日あたり、男性は1.4mg、女性は1.2mgです。
毎日の食事から必要な量のビタミンB6を摂取することは可能なので食事から摂取するのがよいでしょう。
ビタミンB6は体内で蓄積することができないため、毎日食事から摂取する必要があります。
ビタミンB6を摂りすぎるとどうなりますか?
サプリメントを摂取する場合は、摂りすぎないことが重要です。長期的にビタミンB6を1日200mg以上摂り続けると、腕や脚の感覚がなくなる、末梢神経障害の原因になります。サプリメントの摂取をやめると、症状は改善することがほとんどです。しかし、ビタミンB6を2ヶ月以上の間、大量に摂っていたケースの中には、末梢神経障害の影響がずっと出たケースもあります。
短期間の間、1日10-200mgの量を摂取していた場合は、何も害がでないと思われます。しかし、この量をどれぐらいの期間に渡って摂っていたら安全なのか、ということについての十分な検証はありません。
アドバイス
必要なビタミンB6を、バランスの取れた種類の豊富な食事から摂れるようにすべきです。サプリメントを摂る場合は、大量に摂取すると摂りすぎて健康に有害な可能性があります。
医師から処方された場合を除き、ビタミンB6サプリメントは1日10mgより多く摂らないようにしましょう。
ビオチン(ビタミンB7)
ビオチンの必要量は少量で、体が脂肪を分解するのに役立ちます。腸に元から住んでいる菌がビオチンを生成することができるため、食事からさらにビオチンを摂らなければならないかどうかはよくわかっていません。
ビオチンは様々な食べ物の中に含まれていますが、それは少量です。
ビオチンを摂りすぎるとどうなりますか?
毎日、ビオチンサプリメントを摂りすぎるとどのような影響があるのかということについては、確かな検証はありません。
アドバイス
必要なビオチンを、バランスの取れた種類の豊富な食事から摂れるようにすべきです。サプリメントで摂る場合は、大量に摂取すると摂りすぎて健康に有害な可能性があります。
ビオチンサプリメントは1日0.9mgより多く摂らない場合は、体に害はないとされています。
葉酸
葉酸は、天然の形態では葉酸塩として知られています。体が健康な赤血球の生成をすること、胎児の二分脊椎などの中央神経管の異常のリスクを減らすことに役立ちます。葉酸不足は、葉酸欠乏性貧血を起こす原因となる可能性があります。
葉酸が多く含まれるもの
葉酸は以下のように多くの食べ物に少量に含まれています。
・ブロッコリー
・スプラウト
・レバー(妊娠中は避けたほうがよい)
・ほうれん草
・アスパラガス
・豆類
・ひよこ豆
・葉酸強化している朝食用シリアル
どのぐらいの量の葉酸を摂ればよいでしょうか?
成人は毎日200mcgの葉酸が必要です。食事で葉酸を摂る必要があります。
毎日の食事から必要な量を摂取することは可能なので食事から摂取するのがよいでしょう。
しかし、妊婦や妊娠しようとしている女性は、避妊をやめた時から妊娠第12週目まで、葉酸サプリメントを毎日400mcg摂ることが米国では推奨されています。これは、ビタミンB6は体内で蓄積することができないため、毎日食事から摂取する必要があります。これは赤ちゃんに二分脊椎などの出生異常が起きることを予防するためです。
家族歴に二分脊椎などの中央神経管の異常がある場合、妊娠第12週目までさらに多い量である5mgを毎日摂取すべきかどうかは、医師に相談してください。
葉酸を摂りすぎるとどうなりますか?
葉酸を1mg以上摂ると、治療せずにいると神経系に損害を与える可能性がある、ビタミンB12欠乏の症状を改善することができます。
これは特に高齢者にとって問題になるものです。高齢になればなるほど、ビタミンB12を吸収することが難しくなるためです。
アドバイス
米国保険局は妊婦もしくは妊娠を計画している女性は、葉酸サプリメントを摂取するよう推奨しています。
妊娠していない、または妊娠を計画していない女性は、バランスの取れた種類の豊富な食事から摂れるようにすべきです。
葉酸サプリメントを摂取する場合は、大量に摂取しないようにすることが大事です。大量摂取すると体に有害な可能性があります。
1日に摂取する葉酸サプリメントの量が1mg以下であれば、体に害ができないと思われます。
家族歴に二分脊椎などの中央神経管の異常がある場合などは、妊娠第12週目までさらに多い量である5mgを毎日摂取すべきと医師が指示をすることがあります。
この場合、短期的な摂取であること、また胎児には重要なことで、体に害はないと思われることですが、医師に最初に相談してください。
ビタミンB12
ビタミンB12には、葉酸を利用して食べ物から摂ったエネルギーを体が放出すること、また神経系を健康に保つ、赤血球を産生することに役立つなどの、いくつかの作用があります。
ビタミンB12が欠乏すると、ビタミンB12欠乏性貧血の原因となります。
ビタミンB12が多く含まれるもの
ビタミンB12は以下のように多くの食べ物に少量に含まれています。
・肉類
・サーモン
・タラ
・牛乳
・チーズ
・卵
・ビタミンB12強化している朝食シリアル
どのくらいの量のビタミンB12を摂取すればよいでしょうか?
成人(19-64歳)が必要なナイアシンの量は、1日あたり、1.5mcgの摂取が必要です。
肉、魚、乳製品を食べる場合は、食事から十分なビタミンB12を摂取することが可能です。
毎日の食事から必要な量のナイアシンを摂取することは可能なので食事から摂取するのがよいでしょう。
しかし、ビタミンB12は果物、野菜、穀物、豆類などには自然には存在していないため、こうした食べ物を食べても十分な量を得ることができません。
ビタミンB12を摂りすぎるとどうなりますか?
毎日、ビタミンB12サプリメントを摂りすぎるとどのような影響があるのかということについては、確かな検証はありません。
アドバイス
必要なビタミンB12を、バランスの取れた種類の豊富な食事から摂れるようにすべきです。サプリメントを摂る場合は、大量に摂取すると摂りすぎて健康に有害な可能性があります。
ビタミンB12サプリメントを1日2mg以下摂取する場合は、健康に影響はないと考えられています。