肌を健康に保つために知っておきたいこと

肌についてよく知られていること
皮膚は、外界と接点のある、臓器の一つです。体が皮膚によって守られているおかげで、脱水を防いだり、有害な細菌が体内に侵入するのを防いでくれます。皮膚がなければ、すぐに感染症にかかってしまいます。また、熱さ、冷たさ、痛みを感じるのに必要な末端神経が皮膚には非常に多く存在しています。こうした感覚がなければ、深い傷ができたとしても痛みを感じたり、できていることすら気付けないことになります。
肌についてあまり知られていないこと
実は、皮膚は、人間の体の中で最も大きな割合を占める臓器です。皮膚は、体温を一定に保つのに役立ちます。熱くなったら、毛細血管と呼ばれる皮膚の表面に近いところにある血管が膨張し、熱くなった血液を冷やそうとします。
また、太陽の光が皮膚に当たると、ビタミンDが作られます。ビタミンDは、骨を始めとする体を健康に維持するために重要な栄養素です。
なぜ皮膚を健康に保つことが重要なの?
皮膚が、体を守るためにいかに重要な働きをしているかどうかがよく理解できたと思います。肌はできる限り健康に保たれていたほうがいいのです。肌が健康だと、具合が悪くなったり、骨や筋肉、体内の内臓が悪くなるのを防いでくれるのです。
皮膚に起こり得るトラブル
・皮膚が傷つく
肌を傷つけてしまうことはよくあることです。怪我をする可能性があることをするときは、とくに気をつけるようにしましょう(刃物を使うとき、庭仕事をするとき、スポーツをするときなど)。とはいえ、切り傷、擦り傷などは日常茶飯事です。これらを完全に防ごうと思ったら、何も楽しめなくなってしまうでしょう。予防のための対策として、軍手、長袖、膝あてや肘あてなどの保護具を正しく使うといいでしょう。
やけどをする恐れのある火や熱湯などには十分注意してください。日焼けも、やけどの一種です。やけどはとても痛いですし、治るのに長い時間がかかります。また、やけどをすると傷口から感染しやすくなってしまいます。ひどいときは、やけどの痕がずっと消えない場合もあります。日常的にできる対策として、キッチンにいるときは、熱いものをつかむときはミトンを使いましょう。
・皮膚が傷ついたらどうするか
切り傷や擦り傷の場合、すぐに石鹸とぬるま湯で洗い、治るまで絆創膏を貼って保護しましょう。こうすることで、砂や細菌が傷口に入り込むのを防ぎ、感染を防ぎます。また、毒を持っている植物に触れてしまったら、直ちに皮膚と服を洗ってください。発疹が出た場合、ドラッグストアで薬剤師に相談し、市販の薬を試してみてください。ひどい場合は、皮膚科を受診してください。
・虫刺され
虫刺されにも注意しましょう。刺されても、なるべく掻かないようにしましょう。感染してしまう恐れがあります。森や背の高い植物が多いところなどの自然の多いところでは、できる限り長袖を着て、肌の露出を控えましょう。明るい色の服を着ると、虫が寄ってきにくい傾向にあります。
・皮膚の病気
皮膚に影響を及ぼす病気はたくさんあります。白斑は、元の肌の色が無くなってしまう病気で、脱毛症は、毛が抜けてしまう皮膚の病気です。また、表皮水疱症などの病気は、痛みを伴う水ぶくれができます。乾癬は、痒みを伴う、うろこ状の赤い斑点ができる病気です。皮膚に異常がでたら、医師に診てもらいましょう。
・ニキビ
10代の若い世代のほとんどが、ニキビという皮膚の病気を経験します。ブラックヘッド(毛穴の黒ずみ)や赤く腫れたブツブツができてしまうと、恥ずかしく、外見を気にしてしまいますが、多くの人がいつかは経験するものだということを覚えておいてください。ニキビは、通常は重症化することはありませんが、ひどい場合は何年も痕が残ってしまうケースもあります。
ニキビは、アクネ菌という細菌によって引き起こされるもので、これは誰の皮膚にもいる菌です。時に、皮脂と死んだ皮膚の細胞が毛穴に入り込み、毛穴が詰まると、アクネ菌が増殖します。皮膚のその場所が痛くなったり、腫れたり、赤くなったり、熱を持ったりします。次第に毛穴の壁が破れ、中の皮脂、皮膚の細胞、菌が近くの皮膚に付着し、ニキビができます。
ニキビができる原因について、間違ったものがたくさんあります。チョコレートや油っぽい食べ物を食べるとできやすいと言われていますが、ほとんどの人にとって、食べ物はさほど影響しません。また、肌が汚れているとニキビができるとも言われますが、ニキビは汚れが直接の原因ではありません。ストレスもニキビの発生の原因とはなりにくいですが、すでにニキビがある人でストレスが溜まってしまった場合、悪化してしまう恐れはあります。
ニキビに非常に悩まされている場合は、保護者の方に医者に行くことを相談してみましょう。そこまでひどくない場合は、かかりつけのお医者さんでニキビを改善するための薬を処方してくれるかもしれません。皮膚科にかかってもいいでしょう。皮膚科医は、ニキビの良い治療法をたくさん知っています。