妊娠中の片頭痛についての基礎知識

妊娠中の片頭痛

慢性的にズキズキする妊娠中の片頭痛は、深刻になることがあります。しかし、最も激しい妊娠中の片頭痛さえ緩和する方法があります。

片頭痛は、妊娠中の典型的な頭痛とは違います。ひどくズキズキする頭痛が、頭の片側または両側を襲い、数時間または数日間続くことがあります。ときどき片頭痛の前に、かすみ目を含む神経症状、閃輝暗点、腕や脚のしびれや刺すような痛みといった、医者が前兆と呼ぶ現象が起こることがあります。その上、片頭痛は、典型的なつわり以上に吐き気を感じさせ、疲れやめまいを引き起こし、光と音に敏感にさせます。ここでは片頭痛の原因と、妊娠しているときに片頭痛にどのように対処できるかを説明します。

妊娠中の片頭痛の頻度

片頭痛の病歴を持つ女性もいますが、多くの女性は、妊娠して初めて片頭痛を経験します。ほかの妊娠中の頭痛と同様に、妊娠中はホルモンのバランスが崩れるので、片頭痛が起こる確率が上がります。その他の妊娠に関連する要因には、疲労、緊張、血糖値の低下、精神的なストレス、身体的なストレス、鼻詰まり、身体のほてり、またはこれらのすべての組み合わせが含まれます。

つまり、月経周期に関連した片頭痛の病歴を持つ女性の中には、妊娠してから、特に妊娠中期と妊娠後期の間、あまり頭痛が起こらなくなる人もいます。これは、これらの女性の片頭痛が月経直前に「エストロゲン離脱」によって引き起こされているためだと考えられていますが、妊娠中のエストロゲンレベルは常に高いです。

片頭痛のジンクス:男の子?それとも女の子?

胎児が産出するホルモンのレベルが異なるために、よく片頭痛が起こるときは男の子を妊娠している可能性が高い、または女の子を妊娠している可能性が高いというジンクスがあります。残念ながら、その神話を裏付けする信頼できる研究はありません。だから、赤ちゃんの性別を判断するシグナルのリストに加えて楽しむのはいいですが、母体血胎児染色体検査や妊娠20週目頃に行う超音波検査の結果が出るまでは、それを当てにしないでください。

医者に行った方がいいとき

初めて片頭痛ではないかと思われる症状が見られたときは、医者に連絡してください。原因不明の頭痛が数時間以上続く場合、頻繁に起こる場合、発熱を伴う場合も医者に連絡してください。
いくつかの研究では、妊娠中の片頭痛に悩む女性は、高血圧、子癇前症およびほかの血管障害のリスクが高くなる可能性があることが示されています。突然の急激な体重増加や顔や手のむくみなどの症状がある場合は、すぐに医者に相談してください。

片頭痛の予防

片頭痛を治療する最善の方法は、まず起こらないようにすることです。必ずしも予防できるわけではありませんが、起こる確率と頻度を減らすためにいくつかできることがあります。

・片頭痛の記録をつける
食べた物、どこにいたのか、片頭痛が起こる前にしていたことをメモしてください。まぶしい光や騒音、過度の暑さや寒さ、たばこの煙、特定の食品(チョコレート、チーズ、人工甘味料、加工肉に含まれる硝酸塩など)は、一般的な要因です。片頭痛に共通する物のパターンに気付いたら、潜在的な要因を避けるようにしてください。

・ストレスを取り除く
研究では、鍼灸、バイオフィードバック、マッサージ、瞑想、ヨガなどのホリスティック医学は、一般的な片頭痛の原因となるストレスを軽減し、片頭痛を緩和するのに役立つことが示されています。

・十分な睡眠をとる
妊娠中に十分な睡眠をとるのは難しいです。しかし、睡眠障害や疲労が片頭痛を引き起こす可能性があるので、睡眠を最優先させたいと思うはずです。

・運動する
ウォーキング、水泳、自転車に乗って出かけるなど、妊娠中でも安全な有酸素運動を定期的に行うと、妊娠中の片頭痛の頻度や重症度を軽減してくれます。それは身体のほかの部分や赤ちゃんにとっても良いことです。ただし、片頭痛が発症したら、運動してはいけません。運動は症状を悪化させます。

妊娠中の片頭痛の緩和と治療薬

片頭痛に悩まされていますか。イブプロフェンは避け、アスピリンは服用する前に医者に相談してください。代わりに次のことを試してみてください。

・リラックスする
片頭痛が起こっていると思われる場合は、2〜3時間、首や額に冷湿布を当てて静かな暗い部屋で横になってください。運が良ければ、眠りにつくことができ、起きたときには片頭痛がなくなっているでしょう。

・アセトアミノフェンを飲む
医者の許可なしで、市販薬、処方薬、植物薬などの鎮痛剤を服用しないでください。たまにタイレノールを使う分には、妊娠中でも安全です。1回の服用量を医者に確認してください。

・医者に相談する
定期的に片頭痛に悩まされ、妊娠前は強い鎮痛剤に頼っていた場合、赤ちゃんが生まれるまでは服用をやめなければならないかもしれません。鎮痛剤の中には先天性欠損症に関連している物もあるからです。しかし、安全に服用できる物もあるので、医者に相談してください。

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