ニキビについての基礎知識~治療~

ニキビの治療法
ニキビの治療法は、ニキビの度合いによって異なります。症状が改善されるまでには、何ヶ月も治療を続けなければならない場合があります。
ニキビのさまざまな治療法について、以下にまとめました。
ブラックヘッド、ホワイトヘッド、小さな斑点が少しある程度の場合は、ニキビ改善に効果のある成分を含む市販の塗り薬を使用することで改善するでしょう。
病院での治療
ニキビが広範囲でできている場合は、病院を受診しましょう。処方薬での治療が必要となる場合があります。例えば、以下のようなケースです。
・丘疹や膿疱がたくさんできている
・市販の薬が効かなかった
ニキビ治療に使われる処方薬には、以下のようなものがあります。
・こう薬レチノイド
・塗る抗生物質
・錠剤の抗生物質
重症の場合、一般医ではなく皮膚科での治療をすすめられる場合があります。例えば、以下のようなケースです。
・丘疹や膿疱が顔のほかに、胸や背中にも広範囲に渡ってたくさんできている
・痛みを伴う
重症な場合は、錠剤の抗生物質と塗り薬を併用することが、最初に行われる一般的な治療法です。
ニキビ治療の多くは、効果が出るまでに2~3ヶ月かかることも珍しくありません。すぐに効果が出なくても、辛抱強く待って、病院で推奨された治療を続けていくことが大切です。
塗り薬
・こう薬レチノイド
こう薬レチノイドは、肌の角質を肌の表面から取り除く働きをするもので、毛包に角質が詰まるのを防ぐ働きがあります。
トレチノインやアダパレンはニキビの治療に使われる塗り薬に含まれる成分です。ジェルタイプとクリームタイプがあり、通常1日に1回、夜寝る前にニキビができている箇所に塗布します。
こう薬レチノイドを塗布するときは一度にたくさん塗らないようにし、太陽の光や紫外線を浴びすぎないようにしましょう。
こう薬レチノイドは、出生異常のリスクがあるため、妊娠中は推奨されていません。
こう薬レチノイドの最も一般的な副作用は、皮膚の軽い刺激とチクチクするような感じになります。
通常は同じ治療を6週間行いますが、薬の使用頻度を減らした治療がそれ以上続く場合もあります。
・塗る抗生物質
塗る抗生物質は、詰まった毛包を感染させる恐れのある細菌を殺す働きをします。ローションやジェルタイプが一般的で、1日に1~2回塗布します。
通常、6~8週間続けることが推奨されます。これを過ぎると、通常治療は終了します。顔についた細菌が抗生物質耐性を持ってしまう恐れがあるからです。こうなると、ニキビが悪化し、ほかの感染症の原因にもなってしまいます。
副作用は通常あまり出ませんが、以下のような副作用がでるケースもあります。
・皮膚が軽い刺激を受ける
・皮膚が赤くなったり、熱を持ったりする
・皮膚が剥ける
錠剤の抗生物質
錠剤の抗生物質(経口の抗生物質)は、通常、重症のニキビの治療の際に、塗り薬と併用で用いられます。
ほとんどの場合、テトラサイクリン系抗生物質と呼ばれる抗生物質が処方されますが、妊娠中または授乳中の場合は服用できません。
妊娠中または授乳中の女性は、エリスロマイシンという、より安全な抗生物質を服用することがすすめられます。
ニキビが改善していることに気付くまでは6週間程度かかります。
治療によってどの程度効果が現れるかによって異なりますが、抗生物質の服用は、4~6ヶ月続くことになるでしょう。
テトラサイクリン系抗生物質は、太陽の光や紫外線に敏感になったり、治療を始めてから数週間は避妊ピルの効き目が弱まる可能性があります。
この期間中は、コンドームなどの他の避妊方法を検討してください。