ビタミンDについての基礎知識~必要摂取量~

ビタミンDの働き
ビタミンDは、体内のカルシウムの量の調節と、体内でリン酸で処理をするのを助けます。
ビタミンDは、骨、歯、筋肉を健康に保つために必要な栄養素です。
ビタミンDが不足すると、骨のさまざまな異常を引き起こす可能性があります。子どもは、くる病、大人は骨軟化症が原因で骨が痛くなり脆くなる危険性があります。
ビタミンDの良い供給源
4月上旬から9月下旬にかけて、ほとんどの人は太陽の光からビタミンDを得ることができます。ビタミンDは、皮膚に太陽の光が当たることで、皮膚の下で生成されます。
外出の機会が多い場合、日焼けを防ぐために日焼け止めを塗るなど、皮膚を守りましょう。10月から3月は太陽光からビタミンDを得ることが難しくなります。
ビタミンDは、種類は少ないですが、食べ物からも摂ることができます。
・油分の多い魚(鮭、イワシ、ニシン、サバなど)
・赤身の肉
・レバー
・卵の黄身
また、ビタミンDは栄養補助食品(サプリメント)からも摂取できます。
ビタミンDはどれくらい必要ですか?
1歳未満の赤ちゃんは、一日に8.5~10ミクログラム(mcg)のビタミンDが必要です。
1歳以上の子どもと大人は、一日に10mcgのビタミンDが必要です。妊娠中、授乳中の女性、ビタミンD不足の恐れのある人(太陽の光を浴びる機会が少ない人)も同じです。
4月の上旬から9月の下旬にかけては、ほとんどの人が太陽の光から必要なビタミンDを得る必要があります。
ビタミンDのサプリメントは飲んだほうがよいですか?
赤ちゃんと小さい子どもへのアドバイス
・母乳を飲んで育っている1歳未満の赤ちゃん
確実にビタミンDが摂取できるよう、8.5~10mcgを含むサプリメントを毎日飲ませてください。
・哺乳瓶で育っている赤ちゃん
乳児用調製粉乳にはビタミンDが含まれていることが多いため、一日あたりのビタミンD摂取量が推奨量に達していないと思われる場合を除き、サプリメントは飲ませないようにしてください。
・1歳~4歳の子ども
10mcgのビタミンDを含むサプリメントを毎日飲ませるようにしてください。
ビタミンDのみを含むサプリメントや、ビタミンDを含む飴(子供用)は薬局などで買うことができます。
5歳以上の子どもと大人へのアドバイス
ビタミンDを含む食材は少ないため、食べ物だけから必要なビタミンDを摂取するのは難しいでしょう。そのため、妊娠中、授乳中の女性を含む全ての人が、一日に10mcgのビタミンDを摂取できるようなサプリメントを飲むことを検討することをおすすめします。
4月上旬から9月下旬にかけて、5歳以上の子どもと大人の大半は、外出して太陽の光を浴びることで、十分なビタミンDを摂取することができます。この期間は、必ずしもサプリメントを飲まなくてもよいでしょう。
しかし、ほとんどもしくはまったく太陽の光を浴びない人は、太陽光から十分なビタミンDを得ることができません。以下の場合、10mcgを含むサプリメントを通年飲むことをおすすめします。
・虚弱体質や病気などが原因で家に引きこもっており、ほとんど外出する機会のない人
・老人ホームなどの施設に住む人
・外出するときに皮膚がほとんど覆われるような格好をする人
ビタミンDは摂りすぎるとどうなりますか?
長いこと必要以上にビタミンDのサプリメントを飲み続けると、体が排出できるカルシウムの量よりも多くの量を体内で吸収してしまいます。これは、血液中のカルシウム量を増やしてしまいます(カルシウム血症)。
血液中のカルシウム量が増えすぎてしまうと、骨が弱くなり、腎臓や心臓をいためてしまいます。
ビタミンDのサプリメントを飲む場合、ほとんどの人は一日に10mcg摂取すれば十分です。
一日に100mcg以上摂取すると、体に害を及ぼす可能性があります。妊娠中、授乳中の女性とお年寄りを含む成人と、11歳~17歳の子どもはこの数値を守ってください。
1歳~10歳までの子どもは、一日に50mcg以上摂取しないでください。
1歳未満の赤ちゃんは、一日に25mcg以上摂取しないでください。
現在の健康状態によっては、摂取量を抑えなくてはならない場合があります。心配な場合は、医師に相談してください。もしも医師にビタミンDの摂取に関して指導を受けた場合、それに従うようにしてください。
太陽の光に当たることで体がビタミンDを作りすぎるということはありませんが、日焼けや皮膚ガンを予防するために、長時間日光に当たる場合は皮膚を守るように気をつけてください。