落屑(らくせつ)の症状や原因:皮剥けとは違うの?

落屑(らくせつ)とは?
アトピーの方は特に、皮膚が赤くなったり乾燥したり皮が剥けたりと大変です。ただ、皮剥けであれば表皮層、すなわち下の皮膚ができあがった状態で表面の皮膚が剥がれ落ちるので問題ありません。
落屑は、表皮層がまだできあがっていないのに表面の皮膚が剥がれ落ちてしまう状態ため、皮が剥けた後は赤みが残っており、ケアに注意しなければなりません。とはいえ、どちらも皮膚の代謝が起こり、お肌が再生しようとしている状態であり、完治に近づいている良い兆候です。
アトピー患者だけでなく、新生児や老人など年齢によって落屑の症状が出たり、川崎病や乾せんといった病気が原因で落屑が起こることもあります。また、皮膚だけでなく目の水晶体表面に出ることもあります。
落屑になる原因は?
アトピー肌の場合は落屑の症状が頻繁に起こります。それは、お肌のバリア機能が低下し、さまざまな刺激物に反応してお肌が炎症を起こしたり乾燥するからです。そのためターンオーバーがうまくできなくなり代謝に異常が起こります。
新生児の場合は皮膚がはがれるのではなく胎脂が剥がれ落ちているため正確には落屑とはいえないかも知れません。老人の場合は新陳代謝の低下・乾燥が原因となるため刺激の弱い弱酸性の石鹸で洗ったり保湿クリームを使用することで改善することがあります。
その他、薬の副作用や病気そのものが原因となって起こる落屑もあります。この場合は原因となる薬の中止を検討したり、病気を治す必要があります。医師と相談しながら適切な対処をしていきましょう。また、スキンケアを怠ったり間違ったスキンケアをしたりすることも落屑の原因になります。
落屑が長く続くようであれば、病院で診てもらおう!
落屑はアトピーなどの症状が改善に向かううえで大切な通過点となります。ただ、落屑がいつまでも続く場合は、角質層が形成されていない状態で表面の皮が落ちてしまうため、新しい肌への生まれ変わりが上手くいっていない可能性があります。皮膚科などで相談してみましょう。
また、ポロポロと皮が落ちていく症状だけでなく、粉のような細かい皮膚が剥がれ落ちる「粉をふく」と言われる状態も落屑の一つです。健康な肌の方であっても冬など寒い時期になるとどうしても症状は出やすくなります。命に関わるような病気ではないもののコンプレックスを解消するためにも、皮膚の損傷のリスクを下げるためにも、重症化していない段階で適切なケアをするようにしましょう。
おわりに:落屑と皮剥けの違いを理解し、正しいスキンケアを!
落屑と皮剥けには明らかな違いはありますが、どちらも清潔を保ち十分な保湿に努める必要があります。また、落屑自体は新陳代謝に必要な現象ではありますが、長く続くと見た目などの悩みの原因になってしまうこともあるでしょう。なかなか改善しない落屑は、早めに皮膚科に相談するようにしましょう。