慢性的ストレスがあると妊娠しにくくなるという研究について

妊娠とストレスについて
新しい研究結果では、唾液内にストレス酵素が高レベルの女性は妊娠するまでに時間が長くかかることを示しています。しかし、それによってストレスを感じることはありません。妊活をしている間、ストレスを軽減する方法はたくさんあるので、妊娠に影響がないようにすることができます。
2014年3月24日、シャロン・マゼル(Sharon Mazel)による記事
カップルが赤ちゃんを作ろうとしている時、ワクワクする気持ちや希望とともに、おそらく恐れもあることでしょう。しかし、精子と卵子はすぐに出会うわけではないので、妊娠を期待している夫も妻も心配になってきます。そして、妊娠計画に悪い影響を与えるほどではないにせよ、おそらくストレスのレベルも上がります。しかし、妊娠についての心配、仕事上のストレス、家族間の問題のストレス、その他のプレッシャーなどのストレスのレベルが上がり、慢性的になると、妊娠の能力に影響を与える可能性があることが最近の研究でわかりました。
研究者たちはいつもストレスと妊娠の関連性を疑っていましたが、この二つの関連性について今日まで確固とした証拠はありませんでした。ヒトの生殖(Human Reproduction)に関する専門誌に発表された研究によると、オハイオ州立大学の研究者たちは妊活をしている女性400人を対象に調査を行いました。妊活を始めた時に、女性の唾液を採取し、ストレスに関連のある2つの物質(酵素であるα-アミラーゼとホルモンであるコルチゾール)を調べました。そして、その女性が妊娠するまでどれぐらいの期間がかかるのかについて調査しました。90%の女性が通常の避妊をしないセックスで1年内に妊娠をしました。
研究者たちはコルチゾールのレベルと不妊の関連性を見つけることはありませんでした。しかし、α-アミラーゼのレベルが高い女性(ストレスが慢性的もしくは長期的に継続している兆候がある)は、このα-アミラーゼレベルが低い女性と比べて、妊娠をする人が毎月29%程度低く、妊活を始めてから12ヶ月が経っても妊娠していない人はα-アミラーゼレベルが低い人と比べて二倍でした。(これを研究者は不妊リスクが二倍と呼んでいます。)しかし、全てのカップルの90%が1年以内に妊娠していることを考えると、「不妊のリスク」は未だ低いと言えます。
この研究では、なぜストレスのレベルが高いことが妊娠が困難であるかということと関連しているかについては考察していませんでした。ストレスは妊娠能力にいくらか影響を与えているでしょうけれど(排卵が不定期になる、または頸管粘液に影響がある、など)、おそらくストレスがあるために、そのカップルはセックスの頻度が低いからかもしれません。
しかし、ストレスがあることをストレスに思わないでください。研究者たちは慢性的ストレスと不妊には関連性があると言っているものの、妊娠するかどうかについて影響を与える要因は一つだけではないからです。
「重要なことは、そのカップルが妊娠する能力があるかどうか予測をすることにおいてストレスは唯一、または重要な要因ではないことです」と、上記研究の筆頭著者であるコートニー・リンチはいいます。「卵管閉塞や精子の質などの医学的要因はありますし、年齢も大きな役割を果たします。もし、妊娠することが難しい場合に、医学的な治療を求める前に、自分自身を修正するためにやってみることができる方法の一つに過ぎないものが、ストレスです。」
不妊の理由はなんであれ、覚えておきべきことははっきりしています。妊娠しようとしている場合、一般的にストレスを減らすことは良いことです。妊活において、どうやってストレスを減らすことができるのか、学んでみましょう。上記の研究の著者たちは、ヨガや瞑想、毎日の運動をすることがストレスレベルを下げることにつながると言っています。また、1日の中で休憩時間を組み込むこともよいことです。例えば本を読んだり、心地よい音楽を聴いたり、温かいお風呂に入ったり、パートナーとマッサージし合うことです。きちんと睡眠をとることも大事ですし、ストレスを感じた時にパートナーと話したり、不妊に悩む人たちとオンラインで意見交換をしたり、ストレス発散する方法も必要です。それでもストレスがなくならない場合は、専門的なカウンセリングを受けて、リラックスできる方法を学べるようにしましょう。