肺炎球菌ワクチンを受けるべきなのはどのような人か

肺炎球菌感染症の予防接種
肺炎球菌感染症に対する予防接種を受けるべきであると推奨されているのは、以下の4つのグループに該当する人です。
・乳児
・65歳以上の人々
・長期的な病気をかかえている2歳~65歳の人々
・溶接工などの職業的なリスクのある人々
乳児と肺炎球菌ワクチン
乳児は、小児予防接種プログラムの一環として、小児用肺炎球菌ワクチン(PCV)を接種することが規定されています。予防接種は全部で3回(生後8週間、16週間、1歳のとき)受けます。
65歳以上の人々と肺炎球菌ワクチン
65歳以上である場合、肺炎球菌多糖体ワクチン(PPV)が投与されます。この一度だけの注射は非常に効果的で、深刻な肺炎球菌感染症を予防します。
長期的な病気をかかえている人々と肺炎球菌ワクチン
PPVは、一般の人々より肺炎球菌感染症にかかる危険性の高い2歳~65歳の子どもや大人に投与することができます。
たいていの場合、この対象となる人は、毎年のインフルエンザの予防接種を受ける資格のある人と同じです。
5歳までの子どもはPCVも必要とするかもしれません。PPVの注射は常に小さな子どもたちに有効であるとは限らないからです。
以下のような場合、肺炎球菌感染症になるリスクが高いと考えられます。
・脾臓を除去していて正常に機能しない、あるいは将来的に脾臓がうまく機能しなくなる可能性がある(例えば、セリアック病にかかっている)
・慢性閉塞性肺疾患(COPD)などのような長期的な呼吸器疾患である
・先天性心疾患などの心臓病である
・慢性的な腎臓病である
・肝硬変などの肝臓病である
・糖尿病である
・HIVなどの健康状態によって引き起こされる、抑制された免疫システムがある
・化学療法やステロイド錠などの薬物によって引き起こされる、抑制された免疫システムがある
・移植蝸牛刺激装置(耳の内部に取り付ける小さな聴覚器具)をつけている
・脳脊髄液(脳と脊柱を囲んでいる透明な液体)が通常の場所から漏れ出している。これは事故や手術のせいである可能性があります
5歳以上の子どもや成人で、深刻な免疫不全である場合(白血病、多発性骨髄腫、免疫システムに影響する遺伝子疾患、骨髄移植の経験がある人も含む)には、通常PPVの後にPCVを一度投与します。
溶接工や金属工と肺炎球菌ワクチン
溶接工などの金属蒸気の中で働いている人を含む職業的なリスクがある人々は、肺炎球菌ワクチンを接種することが推奨されています。
肺炎球菌ワクチンの投与量を増やす
肺炎球菌感染症になるリスクが高い場合、PPVの予防接種を一度だけ受け、たいていの場合これによって生涯感染症を予防できます。
しかし、脾臓が正常に機能しない、あるいは慢性的な腎臓病である場合は、5年ごとにPPVの投与量を増やす必要があるかもしれません。感染症に対する抗体の量が年々減少していってしまうためです。
肺炎球菌ワクチンの投与を逃してしまったら
規定された肺炎球菌ワクチンの投与を受けられなかった場合、いつ一連の投与過程を終わらせることができるかについて医師に相談しましょう。
子どもが1歳以下で、PCVのワクチン投与を逃してしまった場合、2ヶ月ごとに注射をすることによって、必要な残りの投与を受けることができます。
1歳以上2歳以下の子どもで、PCVのワクチン投与を逃してしまった場合、PCVは一度だけ投与されます。
2歳以上5歳以下の子どもで、PCVのワクチン投与を逃してしまった場合、PCVの投与を一度だけ必要とするかもしれません。しかし、これは肺炎球菌感染症のリスクが高い子どもにのみ推奨されることがあります。