てんかん治療の基礎知識~薬物療法~

治療薬

てんかんの治療法とはどんなものですか?

てんかん発作の大部分は薬、特に抗けいれん薬によってコントロールされます。処方される治療薬のタイプは、発作の頻度や重症度ならびに年齢、全身の健康状態および病歴といったいくつかの要因によって変わります。てんかんのタイプを正確に診断することは、ベストな治療法を選択する上でも重要です。

薬物療法

てんかんの治療のために、さまざまな薬を利用することができます。ジェネリック医薬品がほとんどの治療で安全に使用されていますが、抗けいれん剤は医師が慎重に選ぶもののひとつです。ほとんどの医師は、メーカーの抗けいれん薬を使うことを好みますが、多くの保険会社がその薬にかかる費用をカバーしないことを認識しています。その結果、ジェネリックの抗けいれん薬の服用し始めることは受け入れられていますが、望むような効果がみられない場合、患者はメーカーの薬に切り替えるべきです。

てんかんの治療に使われる治療薬として、以下のようなものがあります。

・カルバマゼピン(テグレトール、カルバトロール)
・ジアゼパムおよび精神安定剤に似ているもの。たとえば、クロナゼパムなど
・エスリカルバゼピン
・エトスクシミド
・ガバペンチン
・ラコサミド
・ラモトリギン
・レベチラセタム
・オキシカルバゼピン
・ペランパネル
・フェノバルビタール
・フェニトイン
・プレガバリン
・プリミドン
・トピラマート
・バルプロ酸塩、バルプロ酸
・ゾニサミド

どの薬を選ぶかは、患者の副作用への耐性、他の疾患、薬の伝達方法などの要因に基づいていることが一番多いです。

タイプが異なるてんかんは大きく変わりますが、一般に、薬を服用すると約70%の患者が発作を抑えることができます。

てんかん薬の副作用

すべての薬に当てはまるように、てんかん治療に使う薬には副作用があります。副作用の発生は、用量、薬の種類、治療期間に左右されます。副作用は、通常、用量が多い場合に一般的に起こりますが、体が薬に慣れてくると、時間とともに副作用が軽くなる傾向があります。抗てんかん薬は、通常、低用量から始まり、薬の適合を簡単にするために少しずつ増やします。医学における最善のルールの1つは、「低用量でゆっくり慣れよう」ということです。

副作用には3つのタイプがあります。

一般的、もしくは予測可能な副作用

これらは、中枢神経系に影響を及ぼすあらゆるてんかん薬で起こる、一般的で、非特異的で、用量依存性の副作用です。これらの副作用には、ぼやけや複視、疲労感、眠気、不安定さ、胃の不調などがあります。

特異な副作用

これらは用量依存性ではない、まれで予想できない反応です。ほとんどの場合、これらの副作用は皮膚の発疹、血球数の低下、肝臓疾患です。

固有の副作用

これらは、同じクラスの他の薬剤に共有されていないものです。たとえば、バルプロ酸(デパケン)は脱毛や体重増加の原因となることがあります。医師は、薬を処方する前に、どんな固有の副作用であっても話してくれるでしょう。

てんかん治療の持続期間

てんかん患者の中には、数年後に治療を終えることができる人もいれば、生涯にわたって転換の治療が必要な人もいます。

わずかな例外を除いて、特定の期間発作がない患者は、その薬物をやめてもよいかどうかを判断するために、再評価されるべきです。

発作のない期間がどのくらいになるかはてんかんのタイプによって異なり、既定のタイプについても議論の余地があります。薬をやめる決定は、発作のない期間の長さにも左右されます。

しかし、明らかなのは、てんかん薬は、10年間発作がない患者には中止を考慮すべきである、ということです。投薬を中止する場合、発作を引き起こさないよう、少しずつ薬の量を減らす必要があります。

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