黄熱予防接種の基礎知識~摂取場所、副作用~

その他

黄熱予防接種

黄熱に感染する危険性が高い地域への旅行を計画しているのであれば、旅行へ行く前に必ず予防接種を受けるようにしてください。

黄熱ワクチンについて

黄熱ワクチンは1回の注射で投与されます。

最低でも旅行の10日前には予防接種を受けましょう。身体が黄熱感染に対する免疫を十分につけるためには10日間の時間を要するためです。黄熱予防接種を受けたという証明書は接種を受けた10日後から有効になります。

この予防接種を受ければ、黄熱感染を95~100%予防することができます。この免疫は最低でも10年間続き、生涯続くこともあります。

黄熱ワクチンの追加接種

以前は、黄熱感染が確認されている地域へ再び渡航しようと考えている人全員に、10年ごとの黄熱ワクチンの追加接種が推奨されていました。

しかし最近になって、世界保健機構(WHO)の専門家が追加接種は不要であるかもしれないということを示唆しました。2016年7月より、予防接種証明書は生涯有効のものになっています。(それ以前の有効期限は10年)

差し当たって、追加接種は前回の黄熱予防接種から10年以上経過していて、黄熱感染の危険性が高い地域へ渡航しようとしている場合、あるいは以下に該当する場合にのみ推奨されることになります。
・有効な予防接種証明書を必要としている
・妊娠しているとき、2歳以下であったとき、あるいはHIV感染や骨髄移植の準備のために免疫系が弱かったときに最初の予防接種を受けた

旅行前に追加接種を受ける必要があるか定かでない場合は、お近くの指定された黄熱予防接種を受けられる施設に相談してアドバイスをもらいましょう。

黄熱予防接種を受けられる場所

黄熱予防接種は指定された施設でのみ受けることができます。黄熱予防接種実施可能施設として指定されるためには、適切な公共事業機関に登録しなければなりません。英国では、その公共事業機関とは以下のどちらかになります。
・National Travel Health Network and Centre (NaTHNaC)
・Health Protection Scotland (HPS)

通常、予防接種は英国健康保険サービスによって無料で受けることはできないので、予防接種を受けるにはお金を払う必要があります。平均では、1回の投与でかかる費用は60ユーロほどです。

黄熱予防接種の証明書

黄熱感染の危険性がある国の中には、黄熱に対する予防接種を受けたか確認するために、当局者が入国を許可する前に証明書の提示を求める国もあります。

このような国、あるいは他の国でも、黄熱感染の危険高い国からやってきた場合には、当局者から証明書の作成を要求されます。この証明書は「予防接種又は予防薬の国際証明書(ICVP)」として知られています。

旅行会社は、顧客が休暇旅行や飛行機を予約する際に、この証明書が必要であるかどうか伝えなければなりません。

WHOのサイトには、ICVPを必要とする国の一覧表が載っています。NHSのFit for Travelのサイトにも国の索引が載っており、渡航しようとしている国がICVPの提示を必要としているか調べることができます。ICVPは英国に入国する際には必要ありません。

証明書を失くしてしまった場合、予防接種の際の受診番号の詳細と予防接種を受けた日付を提示することができれば、再発行することが可能です。

黄熱予防接種の免除

潜在的な副作用や合併症を起こす危険性のある人には、黄熱予防接種は推奨されていません。

以下のような人が対象です。
・生後9ヶ月以下の乳児。6~9ヶ月の乳児は予防接種を受けることがありますが、旅行中に黄熱に感染する危険を避けることができないときにのみ実施されます。
・妊娠中、あるいは母乳育児中の女性
・60歳以上の人
・免疫系の弱い人。HIV感染者や放射療法を受けている人など。
・ワクチンに含まれる成分のいずれかに対してアレルギー反応がある人。ワクチンには少量の卵が含まれているため、卵アレルギーの人も対象となります。

黄熱予防接種が推奨されない場合、予防接種免除証明書が発行されますが、これは入国監査官によって受理されることがあります。

予防接種を受けていない場合、旅行中には防虫剤や蚊帳を使うことなどによって、蚊に刺されることを特に用心して予防しなければなりません。

黄熱ワクチンの副作用

黄熱ワクチンを投与された後、3人に1人が以下のような軽度の副作用を生じます。
・頭痛
・筋肉痛
・軽度の発熱
・注射を打った場所の痛み

通常、注射を打った場所への副作用は、予防接種を行ってから1~5日後に現れます。他の副作用は2週間ほど治らないこともあります。

<黄熱ワクチンの稀な副作用>

以下のようなめったに起こらない、しかし深刻なものになる可能性のある副作用が生じることもあります。
・ワクチンに対するアレルギー反応:130,000回のワクチン投与の中でおよそ1度だけという割合で起こります。
・黄熱ワクチン由来の神経向性疾患(YEL-AND):脳や神経系に影響を与え、精神錯乱や動作、筋肉運動の協調がうまくいかなくなるなどの症状を引き起こします。250,000回のワクチン投与の中でおよそ1度だけという割合で起こります。
・黄熱ワクチン由来の内臓向性疾患(YEL-AVD):内臓に影響を与え、臓器機能停止に繋がる場合もあります。330,000回のワクチン投与の中でおよそ1度だけという割合で起こります。

生まれたばかりの乳児や高齢者はYEL-ANDやYEL-AVDになる危険性がより高くなっています。このために、これらの年代の人には常に予防接種が推奨されているわけではないのです。

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