妊娠時のサイトメガロウィルス(CMV)感染

症状

CMVとは?

サイトメガロウィルス(CMV)はヘルペスウィルスの一種で、一般によく見られるものです。CMVは通常、気づかないうちに体内に現れ、そして気づかないうちに体内から出て行きます。子供であれ大人であれ、基本的に健康が阻害されることはありませんが、ごくまれにこのウィルスが胎児の合併症の原因となることがあります。

CMVは珍しいものではないのですか?

幸い、妊娠中の女性の約半数は、過去、多くは子供のときの感染から、ウィルス自体は休止状態にあるものの、実は既にCMVを体内に持っています。その場合、今からウィルスに感染してしまう、ということはありません。過去に感染しそのまま体内に残っているCMVが「再活性化」する可能性もありますが、その場合でも、妊娠中に初めてCMVに感染してしまった時よりは、胎児に影響が及ぶリスクがはるかに低いのです。

総計して、妊娠中の女性の4人に1人が初めてCMVに感染し、3人に1人の割合でそのウィルスは出産前に胎児に感染させられます。その場合でも、赤ちゃんがCMV感染によって出産時に病気になってしまったり、長期的に残る影響を受けてしまうケースは、実際には非常に少ない(750人に1人程度)のです。

CMVはどのようにして感染するのですか?

CMVは、唾液・尿・粘液・血液・排泄物・精液など、感染者の体液に長時間接触することで感染することがあります(例えばCMV感染者との性的接触によって感染したり、手に付着したウィルスがその後経口感染するなど。これもCMVが非常に多く見られる原因の1つであり、感染予防のために手を洗うことがとても重要である理由なのです)。自分の子供がまだ幼かったり、あるいは幼児と直接触れる職についている場合には、CMV感染のリスクは更に高まる可能性があります。CMVが、低年齢(特に1歳から3歳)の子供の唾液や尿の中に頻繁に見られるものであり、また保育園や遊び場において子供の間で拡散することもあるからです。

CMVが胎盤を通じて母親の血液から胎児に感染する可能性が、妊娠中、常に存在します。これは妊娠中に初めてCMVに感染したり、以前とは別の系統のCMVに感染したり、あるいはは(HIVのような、稀であるが極めて重い病気などによって)免疫系の効力が弱まったことによって過去に感染したCMVが「再活性化」した場合に起こることがあります。

CMVによる健康リスクが非常に高くなるのはどのような場合ですか?

妊娠前に一度もCMVに感染したことがない女性の場合が、感染時の健康上のリスクが最も高くなります(と言っても、CMVによって引き起こされる症状は、CMV以外のウィルスに感染した場合と酷似しているため、自分がCMVに感染したかどうかを特定するのは困難と言えます)。CMV感染による健康被害は、妊娠の前半期、特に妊娠初期において最も大きくなる傾向があります。したがって、妊娠中は特に注意を払って周囲の衛生状態を清潔に保つようにすることが、感染予防に大いに有効な手段といえるでしょう。

妊娠中のCMV感染で生じ得るリスクは何ですか?

妊娠中にCMVに感染した赤ちゃんの大多数(全体のおよそ90%、あるいはそれ以上)については、出生時に感染による症状が現れることはありません。しかしながら、可能性は低いながらも実際に影響が現れる場合には、以下のような症状が見られます。

・早産
・発作
・頭が小さい(小頭症)
・出生時の低体重
・肝臓、脾臓、肺への影響
・神経障害

出生時は何の症状が見られなかったが、その後成長していく中で新たにCMVによる重大な影響が現れるケースも、少ないながら存在します。その場合、以下のような症状が見られます。

・学習障害、および運動機能障害
・視覚または聴覚の喪失(出産前のCMV感染は、子供の聴覚喪失の主な原因の1つ)

CMVへの感染を防ぐには

CMV感染によって出生時の子供に重大な影響が及ぶ可能性があるため、そのリスクを出来る限り抑えられる行動をとるのが得策です。どんな種類のウィルスであれ、感染を予防するためには、「自ら積極的に行動を起こす」ことが最も良い方法なのです。もし幼いお子さんがいたり、あるいは今までに小さい子供が周囲にいたことがある場合には、細心の注意を払って以下の行動をとるようにしましょう。

・こまめに手を洗う。きちんと石鹸と水を使って徹底的に細菌を落とす。
特に、子供のおむつを変えてあげたり、鼻を拭ってあげた後などは、必ず手を洗うこと。
・使用済みのおむつやティッシュペーパーは全て、適切な方法で処分する
・子供の食べ残しは食べない
・グラスや家庭用品を他の人と共用しない。特に小さな子供とは絶対にしないこと
・子供がまだ幼い場合、口に直接触れるのは避ける

CMV感染による症状(母親の場合)

CMVは体内に取り込まれても、何の症状を引き起こすこともなく消滅していく場合が多いですが、時に以下のような明確な症状を伴うことがあります。

・発熱
・絶え間ない疲労感
・腺の腫れ
・喉の痛み

自分がCMVに感染していると思った場合には

CMV感染による症状は、連鎖球菌性咽頭炎やインフルエンザ等を含むその他の様々な病気による症状と非常に似ています。したがって、原因が何であれ、治療が必要だと感じた場合には医者による検査を受けることが大切です。

医者にCMV感染の疑いがあると診断された場合には、あなたの体がCMV抗体、即ちCMVに感染しているという「サイン」を有しているのかどうかを確認するため、血液検査を受けることがあります。感染が判明した場合には、羊水穿刺(せんし)診断や超音波によって、胎児の検査を行います(これによって胎児が感染状態を確認することが可能ですが、その感染によって将来引き起こされる結果を予測することまではできません)。

お子さんがCMVに感染した状態で生まれた場合には

妊娠中に受けたCMV感染についての検査で陽性反応が出ていた場合、あるいはお子さんが先天的にCMVを体内に有していると疑われる場合には、出産後2週間から3週間以内に、医療機関にて、CMV抗体を有しているかどうかの血液検査・尿検査または唾液検査を、お子さん自身が受けることになります。検査でお子さんに陽性反応が見られた際には、感染による潜在的影響を最小限に抑えるための抗ウィルス剤を処方される場合もあります。またお子さんについて、定期的に聴力検査を受けることが望ましいでしょう。必ず医者と常に連絡を取り合い、検査後も続けてフォローアップを受けられるようにしておきましょう。

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