ニキビの跡と皮膚へのダメージの対処法

その他

コーチゾンとフェードクリーム

「ニキビが赤色になっていたり、腫れていたりしたら、コーチゾンクリームを使って鎮めましょう。」と、Georgetown Universityで皮膚病学の教授をしているTina Alster氏(MD)は話します。コーチゾンは皮膚細胞に吸収されて、炎症を軽減してくれます。コーチゾン入りのクリームは処方箋無しで購入することができます。
次に、ニキビの跡から黒っぽい色素を少しでも明るくすることに全力を注ぎたくなるでしょう。
「以前人気だったハイドロキノンという肌の色を明るくする物質が最近人気を落としつつあり、最近では刺激性や発がん性への心配からフェードクリームの成分に入らなくなってきました。」とAlster氏は話します。しかし、他にも肌の色を明るくする働きのある成分が入っていて処方箋無しでも手に入れることのできるクリームはあるので、皮膚の黒ずみを消すことはできます。
コウジ酸(きのこ抽出物由来なので天然由来の肌の色を明るくする物質)、アルブチン(ベアベリーエキスとも呼ばれる)、ビタミンC(アスコルビン酸)は代替となるすばらしい成分です。Alster氏もそのように言っています。

レーザー治療とフィラー治療

もしニキビ、あるいは、ニキビの跡がなかなか無くならないなら、皮膚科を受診することを視野に入れ始めたほうが良いかもしれません。数種類の波長を持ったレーザーを当てる技術を使うことで新しい皮膚を形成することができます。その技術を使えば、皮膚の表面を露出させて、新しくコラーゲンの形成を促すことができるかもしれません。コラーゲンとは、皮膚を作る基本的要素のタンパク質です。新しいコラーゲンがニキビの跡を消すのを助けてくれるかもしれません。
除去レーザーを使えばニキビの跡を気化して完全に無くした上、代わりにより滑らかな肌が手に入れることができるかもしれません。
「フィラー治療は、できてしまった深いニキビの跡を埋めます。」と、American Academy of Dermatologyで学長をしていたRon Moy氏(MD)は言います。しかし、フィラー治療は4ヶ月から6ヶ月ごとに繰り返さなくてはならないという側面もあります。

しんぼう強さ

ニキビの跡を消すのに主となるキーはしんぼう強さです。ニキビにができた後、皮膚に栄養素を運ぶために新たな血管が傷ついた部分に入り込んでいきます。これが多くの初期のニキビがピンク色である理由です。Alster氏もそのように言っています。
Moy氏によると、数ヵ月後、コラーゲンが皮膚の傷ついたところを再形成し始めます。膿疱性ニキビは皮膚と脂肪を破壊するので、ニキビの跡が消えるのには1年くらいかかるそうです。

ニキビを予防する方法と順調にニキビを治癒する方法

太陽光を浴びるときは

Alster氏によれば、ニキビを太陽の光にさらすと、ニキビが黒くなってしまい治癒するスピードが遅くなります。なぜなのでしょうか。太陽光に当たると、紫外線光線がメラニン産生細胞(色素を作る細胞)を刺激してしまい、変色がより進行するからです。
外出する前に、SPF30以上の日焼け止めクリームを塗るようにしましょう。日焼け止めクリームは二種類の紫外線光線、すなわち、紫外線A波(長波長紫外線)と紫外線B波(短波長紫外線)から皮膚を守ってくれます。多面的な効果がある成分には、ベンゾフェノン類(スルフォンベンゾンおよびオキシベンゾン)、シンナメート(シンナメートおよびオクチルメチルシンナメート)、サリチル酸塩、二酸化チタン、酸化亜鉛、アボベンゾン(パルソール1789)、およびエカムスレ(メキソリル・エスエックス)などが挙げられます。泳いだ後、汗をかいた後、2時間以上太陽光を浴びた後は、日焼け止めクリームを塗りなおすことをオススメします。
太陽光を浴びながら外で活動する時間を、特に午前10時から午後2時までは、できるだけ少なくなるように工夫すると良いと思います。長袖のTシャツや、長めのつばがついたハットなど、肌を覆ってくれるような服装を心がけましょう。

ニキビは潰さないようにしましょう

Alster氏はこのように話しました。「主にコラーゲンでできたニキビの跡は、自己修復の証です。よくあることなのですが、ニキビの跡がへこんでいる場合、その原因はニキビという一点に集中した炎症によってコラーゲンが不足していたことにあります。」
ニキビを潰してしまうと、炎症がより進行し、肌を傷つけることにつながります。最悪の場合、その箇所の色が変わり、ニキビの跡がずっと残ることになります。またMoy氏も、「膿や菌がより深いところまで入り込んでしまってコラーゲンにダメージを与えてしまうことになります。」と話しています。

ニキビにはビタミンEを使ってはいけません

ビタミンEをニキビに塗ると治癒が早くなるという話を聞いたことがあるかもしれませんが、University of Miamiの研究によると、ニキビに栄養成分を直接塗ることは、治癒を遅くすることにつながるそうです。その研究では、ビタミンEを塗った被験者に効果は無く、むしろ90パーセントが悪化し、さらに33パーセントの被験者は接触皮膚炎になったそうです。

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