カゼやインフルエンザの予防についてのうそ?ほんと?

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世の中で言われていることは事実なのか?

多くの人は、ビタミンCがインフルエンザを治し、エキネシアがカゼを予防できると信じています。しかし、これを裏付ける科学的証拠はあるのでしょうか?

ビタミンCはカゼを止めることができる?

「ビタミンCが風邪を予防するという証拠は見つかっていない、との研究があります」とロイヤルカレッジの副学長であるジョッシ博士は言います。

また、2013年には、ビタミンCと一般的なカゼに関する最新の研究結果が発表され、「ビタミンCを通常量接種しても、ごく普通のカゼには何の効果も表さなかった」と結論付けました。

この研究結果は、ビタミンCが、マラソンランナーやスキーヤーといった、短時間で激しい運動をする人がカゼを予防するのに効果がある可能性があると示しているものの、一般人には効果がないとのことでした。

日常的にビタミンCを摂取している人は、ごく普通の人がカゼにかかる期間やその症状をわずかに減少させるだけだったのです。

インフルエンザについて言えば、3人に1人がビタミンCを服用すればインフルエンザウイルスを治すことができると信じていますが、そんなことはありません。

エキネシアはカゼのリスクを軽減する?

エキネシアの根、種子および他の部位は、ハーブ療法で使われています。このハーブ療法では、カゼの予防に効果があると信じられています。エキネシアの効果についていくつかの研究がなされていますが、確固たる結論は出ていません。

エキネシアと一般的なカゼに関する検査結果は2013年に更新されましたが、エキネシア製品全般でカゼの治療に効果があるとは判明しなかったものの、ごく一部のエキナセア製品には、ごくわずかに症状を改善する効果がある可能性があることがわかりました。

この検査結果で、エキネシアがカゼを予防するかどうかを調べる試験では、有意ではないものの肯定的な結果が示されたことがわかりました。

発表された研究は様々な結果を有し、さまざまなエキネシア製品を使いました。これらが店頭で販売しているエキネシアとどのように比較されたのかはわかっていません。

エキネシアが免疫システムを助ける信じられていますが、2005年の研究結果ではそのような効果はみられませんでした。エキネシアは効果ないと思いますが、信じているなら服用してもいいとは思います」とジョシ博士は言っています。

なお、エキネシアは12歳未満の子どもに与えてはいけません。

亜鉛はカゼに効果がある?

亜鉛(錠剤またはシロップ)を摂取すると、どのくらい風邪が長引くのを抑えることができるかを調査したものがいくつかあります。

2013年の調査結果によれば、症状が始まってから24時間以内に亜鉛サプリメントを服用すれば、カゼからの回復が早くなり、健康な人の症状が重症になるのを軽減する効果があることがわかっています。

「吐き気や味覚異常といった副作用を引き起こす可能性があるので、亜鉛を長期間使用することはお勧めしません。推奨された容量がどのくらいかを把握するには、さらなる研究が必要です。

亜鉛含有鼻スプレーも研究されています。「亜鉛は粘膜(鼻の内側)を覆い、粘膜に付着したカゼウイルスを止めると信じている人もいます。でも残念ながら、これは単なるプラセボでしかないことがわかっています」とジョシ博士は言っています。

寒さや濡れたままでいることがカゼの原因になる?

カゼやインフルエンザの原因となるのはウイルスです。寒さや濡れたままでいることだけではカゼを引きません。ただし、すでに鼻の中にウィルスがある場合、症状が出る可能性があります。

カーディフのカゼ研究センターによると、冷たい水に20分間足を冷やした人は、足を冷やしていない人よりも2倍カゼを引きやすくなることがわかりました。著者らは、まだカゼの症状が出ていないウィルス保有者が、寒さを感じると血管が収縮し、体内の防御機能に影響を及ぼしてウィルスが増殖しやすくなるのではないかと考えています。

「寒冷地に出かけたり、髪の毛を洗った後にカゼを引くというのは迷信です。カゼはごく普通の症状です。ウィルスがすでにあって、その後寒い場所に出かけたり、髪の毛が濡れたままになっていたら、寒さや濡れたままの状態でいたことがカゼの原因だと誰だって思うでしょう」とジョシ博士は言っています。

風邪やインフルエンザを防ぐのに効果があるものは?

インフルエンザワクチンは、インフルエンザを予防することができます。それ以外に、風邪やインフルエンザから身を守る最善の方法は、健康的な生活を送ることです。

「健康的な食事と定期的な運動、そして冬は暖かい飲み物をたくさん飲むようにしてください。忘れてはいけないのは、カゼウィルスに対する効果的な治療法はないので、多くの人が冬にカゼを引いてしまう、ということです」とジョシ博士は言います。

手洗いでカゼやインフルエンザの伝染を防ぐ

カゼやインフルエンザウイルスは、すでに感染している人がくしゃみや咳をすることでウィルスを含んだ飛沫が飛び、感染します。

感染した人が自分の手でくしゃみをした後、ドアノブやつり革といった物に触れた場合、ウイルスはその物を伝って触った人に移ります。手を洗えば、付着したウィルスを取り除くことができます。

鼻や目を触らないようにすると、感染を防ぐことができる

カゼやインフルエンザウイルスは、目や鼻から体内に侵入することがあります。手に感染している人の飛沫が付着したあと、その手で目や鼻を触ったら、ウイルスが体内に侵入してしまいます。鼻と目を触らなければ、ウィルスの感染を予防することができるのです。

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