ダウン症マーカーの基礎知識~軽度マーカー、重度マーカー~

ダウン症マーカーとは
Q:「私は18週の妊婦できょう2級の超音波検査を受けました。全体的に、うまくいっているようですが、ダウン症のマーカー2つに軽い反応がありました。心配したほうがいいでしょうか?さらなるテストは受けないことを考えているのですが、それって正しいことでしょうか?」
特に第一期のテスト(胎児頚部浮腫透過に妊娠関連血漿タンパク質や妊娠タンパク質向けの血液検査)の結果が普通であればまだ気にすることはないですよ。軽度のマーカーは「軽度」であり、なぜなら単純にとても信頼のできるダウン症の指標ではないからなのです。「重度」のマーカーは、反対に、いまだに100%信頼がおけるとは言い切れませんが染色体の障害と強い関係があります。
問題は、どのダウン症マーカーが軽度でどちらが重度か医学コミュニティの間でも混乱や議論があるということです。ですから産婦人科の先生にお母さんの超音波検査で拾われた特定のマーカーについてお話をなさってください。しかし概して、軽度のマーカーは以下のようなものを含みます。
脈絡叢嚢胞(CPC)
液体が満たしている脳内のまったく無害な空間
サンダルギャップ
第一趾と第二趾の間が通常より離れている
腎盂拡張症
腎臓の領域の一部が拡大される状態
彎指趾症
小指が薬指のほうに軽く彎曲する症状
重度のマーカーには以下のものが含まれます。
項部浮腫肥厚
赤ちゃんの首の後ろの部位は項部浮腫と呼ばれます。液体が多く体積してくると、超音波で分厚く見えるのです。
十二指腸閉鎖症
胃袋から小腸への通り道が開いていない状態
心奇形
心臓やその周囲の血管の発達が異常であること
エコー源性腸管
骨盤の周りの領域がおそらくは密集や感染によって超音波で普通より明るく見える状態です。
また「中度」とされる第三のダウン症マーカーもあります。
エコー源性心室病巣
カルシウムの沈積によって起きる赤ちゃんの心臓の明るい斑点
大腿骨か上腕骨が0.05を下回る
ふつうの大腿骨や腕の骨よりも骨が短い
胸水
胸の空洞に過度に液体がたまるもので、心臓と肺の発達に影響を及ぼす可能性があります。
これらの指標はそれ自体が問題ではありません。これらはダウン症の胎児により多く見られるということが分かっているだけなのです。しかし間違った陽性の結果も非常によく見られますし、ダウン症ではない赤ちゃんの11%にはマーカーが見られるのです。
お医者さんはつぎの2週間に必要になるかもしれない羊水穿刺(手術はしばしば14から20週のあいだに行われます)をお勧めになるでしょう。検査はお子さんがダウン症かそれとも他の染色体異常か99%の正確さでお伝えできるでしょう。
結果を知ろうとなさるか知らずにおくかはお母さん次第です。しかしお腹の赤ちゃんの成長記録をつけるのは良いことでしょうし、知識は力になります。技術の欠点は過度な心配を招くことですし、何がつぎに起きるかを知ることは妊娠期のストレスを軽減することになるかもしれません。
その合間に、このつらい時期を乗り越える方法をいくつかお伝えします。
遺伝学者の方とお話をしてみましょう。もし産婦人科の病院に遺伝学カウンセラーがいたら会う約束をしましょう(もしいなければ、お医者さんに長くお話していただくようお願いしましょう)。遺伝学カウンセラーは羊水検査の小さなリスクについてのアドバイスと同様、すべての出生前検査の結果、お母さんの年齢、過去の出産経験などを考慮してより正確にダウン症の子供が生まれる可能性を測ることができます。
思うままに行動しましょう。お医者さんと、(もしそうしたければ)家族と友人に絶対に
この問題についてお話をしていただきたいのですが、結局のところ、お母さんとパートナーにとって最良の判断をしていただきたいのです。出生前検査に関して、正しい返答などないのです。親友の方はもしかしたら「あら、知りたかったわ!」とおっしゃるかもしれませんが、お母さんも同じように思うわけではないでしょう。それでよいのです。加えて、ダウン症の軽度のマーカーが2つつくというのは症状に結びつくわけではありませんし、統計も信じるかどうかはお母さん次第です。
何を決めたとしても、リラックスするように努めてください。出産前ヨガ、ウォーキング、あるいはほかのストレスをとりのぞくのに役立ちそうなリラックスできる習慣を試したことはありますか?心配はお母さんと赤ちゃん両方の健康に影響することがありますから、寝転がってお気に入りの映画を見たりするのを遠慮しなくて大丈夫です。赤ちゃんのためにできること(とくにすべてがお母さんの手に負えないように思えたときは)、たとえば健康的な食事を摂る、妊婦用ビタミン剤の摂取、おなかの赤ちゃんに話しかけるなどのことに集中するよう努めましょう。
健康な妊娠期間を送り、あまり悩まないお母さんになりましょう!