子どもをつくるのに遅すぎる年齢はどのくらい?

子どもをつくるのに遅すぎる年齢とは
女性は35歳を過ぎると妊娠するのが難しくなる、というのが一般的な認識です。ところが最新の研究によれば、生殖能力が衰える時期はこれよりも後である可能性が示唆されています。
子供を作るのに遅すぎる時期というのはいつ頃なのでしょうか。女性は35歳を過ぎると急激に生殖能力が衰えるというのは本当なのでしょうか。研究者らは、この問いに答えることを主たる目的とした集団関連研究を実施しました。
オランダの研究者らは、生きていた時代の異なる58000人の女性に対し調査を行い、彼女達が何歳の時に最後の子供を生んでいるのかを記録していきました。歴史的に(避妊が自由に選択できるようになるよりも前の時代に)女性がどのくらいの年齢で最後の妊娠を迎えているのかを調べれば、生殖能力が自然に衰える時期が分かるだろう、というのが研究者らの理論でした。
彼らは、20代の人は98%の確率で人生のうちに最低でももう一人の子供を産むことができるだろうということを発見しました(つまりこの年齢の生殖能力は高いということです)。25歳の女性が新たに身籠る可能性は95%以上だといい、したがってこの年齢の生殖能力は依然として高いということがわかります。女性の生殖能力は30歳から38歳にかけて緩やかに衰えていきます。女性が再び妊娠する確率は30歳で93%、35歳では88%、38歳では80%でした。ところがここから生殖能力が急速に減衰します。41歳の女性がもう一度妊娠する可能性はたった50%です。これが45歳で更に10%まで落ちます。そして年齢が50歳に近づくにつれ、女性が身籠る可能性は0%になります。
この結果は、避妊や不妊治療が行われるようになった現代にも当てはまるものです。20代や30代の女性に比べれば、40歳を超える女性が自然に妊娠することはとても困難です。しかしこの結果はまた生殖能力が本当に低下するのは40歳を過ぎてからであるということを示すものでもあり、子供を欲する30代の女性を後押しするものであるはずです。このデータによれば、38歳の女性でさえ不妊治療を用いずに妊娠する可能性が80%もあるのです。これは家族を作ろうと思っている、或いは家族を増やしたいと思っている30代の女性にとってとても良い知らせに違いありません。
もちろん、35歳過ぎの女性が相対的に妊娠しやすいとはいえ、依然として高齢出産とみなされているのは事実です。これは若い年代と比べて、妊娠が母と子の双方にとって多少危険であるからです。35歳過ぎの母親から生まれる子供はダウン症などの染色体異常をもつ可能性が高くなるのです。一方母親は子癇前症、妊娠糖尿病、早産等、妊娠関連の合併症に直面する可能性があります。
幸い、健康な状態で妊娠し、食事と運動に注意しつつ医師の勧める検査を全て受けていれば、若い女性と何ら変わらぬ妊娠生活が送れるはずです。
35歳以上の妊娠について
20代から30代前半の女性は妊娠に絶好の年齢層です。しかし、35歳以上で子供を作ろうと考えている女性も、以上の研究結果をご覧になれば希望があることがお分かりになるでしょう。