精子提供を受ける上で知っておきたいこと

精子提供について
イギリスでは、毎年およそ1,300人の赤ちゃんが精子提供によって誕生しています。精子提供を受けようか考えている場合に知っておきたいことについてまとめました。
精子提供は、夫婦や独り身の女性に親になるチャンスを与えてくれます。これは、同性愛者、結婚しているかいないかに関係なく言えることです。
しかし、精子提供を受けることを決めることは、難しいことでもあり、考えなければならないことがたくさんあります。
精子提供者を探すには
精子提供者を探す方法は、大きく分けて3つあります。
・不妊治療院へ行き、匿名のドナーの精子を使うことができます。不妊治療院で提供された精子を冷凍して保管している場合と、精子バンクから買っている場合があります。
・すでに知っている人から提供を受けることができます。たとえば、友人や、提供者を紹介するウェブサイトで知り合った人などです。この場合、提供者と一緒に不妊治療院に行くか、個人的に予定を合わせ、直接精子を受け取ることができます。
・海外で精子提供を受けることができます。
精子提供をどのように利用するか
精子提供は、人工授精によって妊娠するのを助けます。提供された精子の入った細い管もしくは注射器を使って、女性の妊娠しやすい時期に、膣、頸部、子宮に精子を注入するという単純な方法によって行われます。このやり方は、必要に応じて体外受精でも行われることがあります。
不妊治療院へ行く
不妊治療院で精子の検査を行う
不妊治療院や精子バンクでは、提供者がクラミジアやHIVなどの感染症、遺伝子の問題を抱えていないか、厳しい基準を元に検査する義務があります。
認可された治療院の場合、精子提供者の身元を知ることはできませんが、民族やその人の性格などを知ることはできます。また、精子提供によって誕生した子ども自身も、16歳以降になるとこのような情報を知ることができます。
不妊治療院、精子提供者とあなたの人権
認可された治療院で提供された精子を使用する場合、精子の提供者に以下のことはできないということが繰り返し確認されます。
・あなたの子どもの法律上の親になること
・子どもに対する法的義務
・出生届に名前が載ること
・出産に関して何かを言う権利
・子どもを金銭的に支えること
あなたには親としての責任が発生します。また、結婚しているか同性婚の場合、配偶者が子どもの法律上の親になります。
不妊治療院を探す
精子提供の順番待ちリストは、クリニックによって異なるため、どこで治療を受けるかを決める前に、どのくらい待たなければいけないのか、確認するようにしましょう。
個人的に精子提供を受ける
知り合いから精子提供を受ける場合、または、紹介エージェントで個人的にアポイントをとって受ける場合は、人によってはメリットが多い(とくに、子どもが成長する上で継続的に誰かとコンタクトを取りたいと思っている場合)ですが、このやり方は規制されておらず、リスクが潜んでいます。
認可された治療院のような法的、医療的保証はありませんし、提供者がきちんと検査を受けたかどうかも確実ではありません。そのため、一緒に治療院へ行き、法律上、医療上の保証を受けることをおすすめします。
そうでなく、不妊治療院を介さずに完全に個人で提供を受けることにした場合、あなたが法律上の子どもの母親になります。しかし、父親に関する法律ははっきりしていません。精子提供者が父親になるかどうかは、以下によって変わってきます。
・あなたが独身か、結婚しているか、同性婚であるか
・受精が人工授精によって行われたか、セックスによって行われたか
・子どもの出生届に誰の名前が書かれているか
・提供者が子どもと関係を築いたかどうか
精子提供を受けるために海外へ行く
精子提供を受けるために海外へ行くことは、国内よりも治療費が安く、順番待ちが少ない場合に魅力を感じるでしょう。
しかし、海外の治療院は安全に関する規則や法律が異なりますので、注意が必要です。海外では、提供者には子どもの親権がないという法律が必ずしも当てはまるとは限りません。
海外で治療を受けるかどうか決める前に、必ずきちんと調査をし、特に以下のことに気をつけてください。
・治療院の安全に関する基準
・精子提供者の親権に関する法律
・海外の治療院が精子の提供を受け、検査をする過程
・精子提供者に関するどのような情報をあなたと子どもが知ることができるか