慢性疼痛へのさまざまな対処法について

慢性疼痛に対する治療法
持続的な痛み、つまり慢性疼痛に対する治療法として、痛みが引くまで何週間あるいは何ヶ月間ベッドに横たわり安静にしていることが挙げられますが、これは昔の考え方です。私たちは今や、この方法が最悪なものであるということを理解しています。運動すること、そして仕事を続けることが回復への鍵になります。
背中の痛みのような痛みを伴う症状がある場合は、安静にするという概念は一旦忘れましょう。
長い間ベッドで横になっていることで、実際には痛みがより長く続くことになってしまうかもしれません。運動をしないことで身体が硬くなり、筋肉や骨が弱くなります。これによってよく眠れなくなり、孤独でどんよりとした気持ちになり、痛みが悪化しているように感じてしまうのです。
痛みへのよりよい対処法は、以下に挙げた要素を組み合わせることです。
・運動
・仕事を続けること
・理学療法
・鎮痛剤
運動で痛みを克服する
自分自身に負荷をかけすぎないような運動を選びましょう。良い例としては、以下のようなものがあります。
・ウォーキング
・スイミング
・サイクリング
・ダンス、ヨガ、ピラティス
・日常的な活動や趣味
運動やストレッチを日常生活の一部とすることが必要なので、少しずつ、しかし頻繁に、ルーティーンとして運動をしていきましょう。
痛みをあまり感じることのない調子のいい日だけではなく、毎日活発になるよう心がけましょう。こうすることによって調子の悪い日が少なくなり、痛みのコントロールができるようになるかもしれません。
しかし、調子のいい日に運動しすぎることは避け、調子の悪い日にもさらに運動することでバランスを取るようにしましょう。
痛みがあっても仕事へ行く
痛みを抱えていたとしても、仕事を続けることが大切です。働いていないと、人はより活発でなくなり、気落ちしていまうということが研究によって証明されています。
仕事をすることによって痛みから気をそらすことができますし、これによって痛みがひどくなることはありません。
手をつけることが難しい可能性のある仕事については上司に相談をしておくべきですが、仕事を続けたいという意志は強調するようにしましょう。
少しの間仕事から離れる必要がある場合は、できるだけ早く職場に復帰できるようにしましょう。
4~6ヶ月の間仕事から離れていた場合、医師、セラピスト、あるいは雇用者と、いつそしてどうやって復帰できるのかについて相談しましょう。
徐々に仕事に復帰することも可能です。例えば、週に1度の出勤から初めて、だんだんと勤務時間を増やしていくこともできるかもしれません。
必要であれば、仕事内容や勤務パターンに変化を加えることもできます。
痛みのための理学療法
痛みの専門家は、短期間の理学療法を勧めてくることがあります。
これにより、よりよく動けるようになり、痛みが和らぎ、日常的な運動(歩くこと、階段を上ること、横になるあるいは起き上がることなど)がより楽にできるようになります。
持続する痛みのための理学療法には、触診、ストレッチ体操、痛みを和らげる運動が含まれています。
たいていの場合、理学療法は整骨医、脊柱指圧師、理学療法士によって行われます。
理学療法士など、鍼療法を提供することができる医療提供者もいます。この治療は、特に背中や首の痛みに対して行われます。
作業療法士も、仕事を続けたり家庭での役割をうまく果たせるようになるための環境変化案を提供することによって手助けとなってくれるでしょう。
理学療法を実施した場合、いくつかのセッションを受けた後に、その利益を実感し始めるはずです。
主治医がNHSの理学療法を紹介することもできますが、理学療法が民間の施設でしか受けることのできない地域もあります。
主治医の推薦なしにNHSの理学療法を直接受けることができる地域もあります。
主治医は、運動のための講習を紹介してくれることもあります。腰の痛みに対する特別講習を受けることのできる施設もあります。
長期的な痛みへの鎮痛剤
痛みを減らし、より活発になれるように、市販の鎮痛剤は安全に使用することができます。しかし、副作用があるため、鎮痛剤は注意深く使用することが大切です。
パラセタモールは、もっとも扱いやすく、安全な鎮痛剤です。イブプロフェンなどの抗炎症錠剤も、服用を妨げるような症状(胃潰瘍など)がない限りは、使用することができます。
推奨された量の鎮痛剤を、4~6時間ごとに規則正しく服用することが大切です。
痛みがひどくなる段階まで鎮痛剤の服用開始を待とうとしないでください。痛みが悪化した状態で服用を始めても、あまりうまく機能しません。
2週間市販薬を服用しても効果がなかった場合、主治医や薬剤師に相談してください。
オンラインで得られる痛みへの対処法
インターネット上で、痛みを抱えている人のための情報をたくさん得ることができます。
○一般的な痛みに関するウェブサイト
・Acttion on Pain
・Pain Concern
○セルフヘルプのためのヒント
The Pain Toolkitには、痛みに悩まされている人から投稿された、持続する痛みに対処する方法や役立つヒントが集められています。