認知行動療法(CBT)の基礎知識

認知行動療法とは
認知行動療法(CBT)は、思考や行動の仕方を変えることによって、問題を管理するのに役立つ会話療法です。
この療法は、不安とうつ病の治療に最も一般的に使用されますが、他の精神的、肉体的健康問題にも役立つものです。
認知行動療法とはどのようなものか
認知行動療法(CBT)は、思考、感情、身体感覚および行動が相互に関連しているという概念に基づいており、否定的な思考および感情が、患者を悪循環に巻き込む可能性があると考えるものです。
CBTは、圧倒的に思える問題をより小さな部分に分解することにより、積極的な方法で対処するのを手助けすることを目指しています。これらのネガティブなパターンをどのように変更して、気分を良くするかを示しています。
他の対話療法とは異なり、CBTは過去の問題に焦点を当てるのではなく、現在の問題を扱うものです。心の状態を毎日改善するための実用的な方法を模索するものです。
CBTの用途
CBTは、多数の異なる精神的健康状態を治療する有効な方法であることが証明されています。
うつ病や不安障害に加えて、CBTは以下病気を持つ人々にも役立ちます。
強迫性障害(OCD)
パニック障害
心的外傷後ストレス障害(PTSD)
恐怖症
拒食症や過食症などの摂食障害
不眠症などの睡眠の問題
アルコール乱用に関連する問題
CBTは、次のような長期的な病気の人々を治療するために使用されることもあります。
過敏性腸症候群(IBS)
慢性疲労症候群(CFS)
CBTはこれらの病気の身体的症状を治癒することはできませんが、患者が症状にうまく対処するのに役立ちます。
CBTの治療セッション中に何が起こるか
CBTが勧められる場合は、通常、週に1回または2週間に1回、セラピストとの治療セッションがあります。治療の経過は通常5〜20回続き、各セッションの時間は30〜60分間です。
セッション中は、患者はセラピストと協力して問題を、自分の考え、気持ち、行動などの別々の部分に分解します。
患者とセラピストは、もし非現実的であったり、役に立たないものであるものを分析し、それらが相互に及ぼす影響と患者に与える影響を決定します。セラピストは、無益な考えや行動を変える方法をどうすればよいのかについて、手助けをしてくれます。
患者が変えられることを選別した後、セラピストは日々の生活の中でそれを変えられるように練習することを患者に伝え、次のセッションでどのようにしたかについて話し合います。
これは患者が問題をうまく対処し、治療セッションコースが終わった後も、その問題が人生にネガティブな影響を与えることをストップするように手助けするものです。
CBTの長所と短所
認知行動療法(CBT)は、精神病の治療においては投薬と同じくらい効果的であるかもしれませんが、すべての人にとって効果的または適切ではないかもしれません。
CBTの長所は以下の通りです。
投薬だけでは効果がない場合に役立つ
他の会話療法と比較して比較的短い期間で完了することができる
CBTの高度に内容が構造化されている本質から、グループ療法、セルフヘルプブック等の書籍、コンピュータプログラムなど、さまざまな形で治療を提供できる
治療後であっても、日常生活で使用できる有用で実用的な戦略を教えてくれる
CBTの短所は次のとおりです。
CBTを最大限に活用するプロセスに自分自身をコミットする必要がある。セラピストは助言、支援はできるが、患者の協力が必要であること
定期的なCBTセッションに参加し、セッションとセッションの間に色々な作業を行わなければいけないため、患者は時間を多くとらなければならないこと
構造化されたセッションが必要なため、複雑なメンタルヘルスニーズや学習困難な人には適していない可能性がある
CBTは自分の感情や不安に直面させるため、治療初期に不安感を感じたり、感情的に不安定な時期を経験するかもしれない
CBTは個人が自分を変える(思考、感情、行動)ための個人の能力に焦点を当てるものなので、個人の健康やウェルビーイングに重大な影響を与えることがある社会システムや家族関係などのもっと大きな問題には触れないこと。
一部の批評家は、CBTは現在の問題のみを扱い、特定の問題に焦点を絞っているだけなので、不幸な子供時代の経験ような、精神病の潜在的な原因については言及していないと主張しています。
CBTセラピストを探すには
CBT治療の恩恵を受ける可能性のある問題があると思われる場合は、まずかかりつけ医に相談してください。