シーバー病の基礎知識~治療、予防~

シーバー病とは何ですか?
足は、人体のなかで最も成長のスピードが速く、その大きさが定まるのも早い部位ですが、シーバー病は、子供の足の成長板(かかとの成長部分)が損傷することで発生します。通常、筋肉や腱よりも骨の成長が速い思春期前半に起こります。立った状態のときに自分の体重が足にかかることで、成長途中のかかとの腱を傷つけてシーバー病を引き起こします。
シーバー病の危険があるのは、何歳頃ですか?
思春期前半の成長が早まる時期に発症リスクが高くなります。 シーバー病は、8歳から10歳のよく運動する女児、10歳から12歳のよく運動する男児によく起こります。サッカーや体操、陸上や跳躍運動をしている子どもにリスクが高くなるようです。 かかとの後部は、15歳までに成長を完了するので、年長のティーンエイジャーの発症は、ほぼありません。
かかとの痛みがシーバー病かどうかわかりますか?
シーバー病は、かかとの痛みが片方もしくは両方に出ます。 通常、子どもがスポーツを始めた後に発症します。 急に足を引きずったり、つま先で歩くかもしれません。 痛みは、走ったりジャンプしたりすると高まり、 かかとの両側を押すと痛がります。これは、スクイーズテストと呼ばれ、医師は、テストでかかとの腱の緊張状態を確認します。
シーバー病はどのように治療されますか?
まず、かかとの痛みを引き起こす動きを減らすか、止めさせます。1日3回、20分くらい氷を当てて冷やし、裸足で歩かないようにします。 足の甲が高かったり、平べったかったり、また屈曲している場合、医師は矯正具を勧めます。 重度の痛みがある場合は、アセトアミノフェンやイブプロフェンなどの薬が役に立ちます。
ストレッチ運動は役に立ちますか?
ストレッチ運動がとても役に立ちます。 ハムストリング(下肢後面を作る筋肉)とふくらはぎの筋肉、そして、脚の後ろにある腱を伸ばすことが重要です。 ストレッチは1日2〜3回行うと効果的で、それぞれの部位で約20秒間続けさせてください。 痛みが片方のかかとだけでも、ストレッチは両方の脚で行ってください。
また、すね前部の筋肉を強化するためのエクササイズも行ってください。 座った状態で脚を水平にまっすぐに伸ばさせ、ゴムチューブの一端をつま先周りにかけ、 もう片方の端をテーブルの脚などにかけます。チューブが十分に張って伸びるところまで下がります。伸ばした脚をゆっくりと自分の体に向かって曲げさせます。それ以上曲げることができなくなったところで、ゆっくりともどし伸ばします。 このエクササイズ(15回の足曲げ運動)は、日に3セット程度行うのが効果的です。(要追加説明:片脚づつ行うのか)
いつからまたスポーツができますか?
適切なケアで、2週間から2カ月以内に症状は緩和します。 かかとの痛みが完全になくなったときに運動は再開できます。 再開のタイミングは医師のアドバイスを受けてください。
シーバー病に関連する問題はありますか?
シーバー病に関連する長期的な問題はありません。 しかし、かかとの痛みがなくならない、痛みが悪化した場合、または、色の変化や腫れに気づいたら、医師に直ちに相談してください。
シーバー病は予防できますか?
脚の柔軟性を維持させることで、シーバー病は予防できるため、 ストレッチは子どもが急成長する時期、けがのリスクを軽減することができます。 また、衝撃吸収ソールの靴も役立ちますが、 硬い地面を長距離走らせるのはよくありません。また、シーバー病から回復した後も、運動後のストレッチとかかとに氷を当てることが再発防止につながります。
医師に相談するための質問
子どもの症状を引き起こした原因は何ですか?
子どものための最善の治療法は何ですか?
症状を緩和するまでにどれくらいの時間が必要ですか?
回復後にスポーツをすることはできますか?
症状が回復する可能性はありますか?
子どもを運動させるのは危険ですか?どんな運動をさせるべきですか?