一日一時間の運動でオフィスワーク型生活も大丈夫?

オフィスワーカーの1日の運動量の目安とは
「オフィスワーカーは座りがちな生活スタイルによる死亡リスクを軽減するために最低でも1日1時間運動するべき」と言われています。
多くの人を対象にした以前の調査では、良い知らせと悪い知らせがありました。悪い知らせというのは、長時間座っていると早期脂肪のリスクが高まるというものです。良い知らせは、1時間集中した運動(サイクリングや早歩きなど)をすることでそのリスクを軽減できるというものです。
調査では、最もアクティブでなく、日に8時間以上座っている人は、一番アクティブで日に座る時間が4時間以内という人に比べ59%も死亡リスクが高まっているとわかりました。4時間以上座っていると、活動量が多くない人の死亡リスクを高めてしまいます。しかし、最も身体活動量の多い人はどんなに座っていても死亡リスクが高まることはありませんでした。
この種の調査では原因と結果について証明することはできませんが、毎日の身体的アクティビティが長期的な利益をもたらすことが明らかになりました。
日に30分以上の身体的アクティビティをするよう大人には勧められています。もし朝9時から午後5時まで座りっぱなしの生活スタイルなら、30分を1時間にするのも良いアイデアでしょう。
この研究は多くの国の機関の研究者によってなされました。またこの研究は、登録する必要はありますが、無料でオンラインで読むことのできるようピアレビューのできる雑誌TheLancetにオープンアクセスを基準として出版されました。
イギリスのメディアの中には研究を字義的にとるところもありました。The Daily Mailは「8時間以上座っている大人は害をなくすために最低でも1時間の運動をしなくてはならない」と伝えました。研究は運動によって長時間座っていることの害を取り除くとは言っていません。
また適度に日に半時間から1時間ほど運動している人は長時間座っていることによるリスクがあまりあがらなかったという研究も無視しています。もっと運動するようとのアドバイスは説得力がありますが、日に運動を半時間もしない、もしくは全くしないというのは理解しがたいのです。運動に関することならどんなに些細なことでも役に立つというのが定説なのです。
スポーツ専門家やスポーツ医は研究について好意的で、「高品質でとても興味深い」と説明しています。しかしながら、証拠重視の医学専門家は研究の制限や社会的経済状況などの要素を十分に考慮そていないと注意しています。
この研究は見込みのあるコホート研究の組織的評価およびメタ分析です。研究者は研究の著者に、グループ間の直接的比較ができるようデータを標準化されたプロトコールに従ってデータを再分析するよう頼みました。
これは、寿命の長さという観点から座っていることと身体的アクティビティの相関的な関係性について良いアイデアを得る良い方法です。しかしながら、観察的研究では特定の要素(座っている時間や身体的活動)が直接他の死亡原因を生み出すかどうかはわかりません。その要因がたぶん関わっているとわかるだけです。
研究者は座っている時間、運動、致死率についての研究のための文献を調査しました。2つの出版されていない研究が加えられ、1つは最近の研究でした。
オリジナルの研究の著者に人々を身体的活動と座っている時間のカテゴリーにわける標準化されたプロトコールに従ってデータを見直すよういいました。そして2つの要因がどのように寿命に関わるのか見るためにデータを利用しました。またテレビをみている時間、循環器疾患、癌による死を別にわけて見ました。
標準化されたプロトコールを適用することにより、研究者は座っている時間(1日4時間未満、4-6時間、6-8時間、8時間以上)と身体的アクティビティによる特定のカテゴリーによってグループの直接的な比較をすることができました。身体的アクティビティは週に仕事(MET)時間の代謝相当量によって測定されました。METは特定の身体的活動をしている間身体がどのくらいのエネルギーを消費するか測るものです。
MEtレベルは4つのグループにわけられました:
2.5未満(5分間の集中的運動に相当)
16(25-35分間の運動に相当、多くのガイドラインによって推奨されている)
30(50-65分間の運動に相当)
35.5以上(60-75分間の運動に相当)
36.研究者は最も身体的アクティビティをこなし、座っている時間が一番短い人をベースラインとし、より多くの座る時間が他の身体的活動のカテゴリの人にどのように影響するか見ました。
同じ計算が日にどのくらいテレビを見るか、1時間未満から5時間以上までで適用されました。
調査では、最も身体的アクティビティが少なかった人にとって、日に4時間以上座ることで死亡リスクが高まりました。これらの人々を座っている時間が4時間未満の人と比べると、日に8時間以上座っていることは死亡率を27%高めました(ハザード比では1.27、95%、信頼区間では1.22から1.33)。
半時間から1時間ほど身体的活動をしている人でも、8時間以上座っていると、4時間未満の人と比べて10-12%死亡リスクを高める関連性があることがわかりました。しかし一番運動をしている人では、座っている時間は死亡リスクを高めることはありませんでした。
高レベルの身体的アクティビティは明確に死亡リスクを下げています。一番活動的で8時間座っていた人は、最も活動しない座っている時間が4時間未満の人よりも死亡リスクが低かったのです。
テレビ番組を見ている時間も似たような結果を見せましたが、最も活動量が多くても5時間以上テレビを観ることによるリスクの増加は妨げることができませんでした。最もかつ同僚の少ない人が5時間以上テレビを観ると、テレビを観る時間が1時間未満の人に比べて44%リスクが高まりました(ハザード比1.44、95%、信頼区間1.34から1.56)。
循環器疾患や癌による死亡率をみても似たような結果でした。
研究者はこう結論づけました:「これらの結果によって、身体的アクティビティの、特に多くの人が長時間据わらなければならない社会における利益のさらなる証拠を得ることができました」そして公共健康推進がつくられるにあたってこの研究が考慮されるべきだと。
この研究によってすわりがちな生活スタイルや運動などをしてアクティブであることの影響が明らかになりました。以前の研究では長時間座っていることが運動することでなかったことになるという結果に、酸性する人もいれば反対する人もいました。
この研究のアドバンテージは、身体的活動に費やされた時間と同様に座っている時間にも着目し、両者が互いにどのように死亡リスクに関わっているか計算したところです。
この研究は多くの、特にサイズにおいて強みを持っています。データを16の調査で1005791人から集めました。研究者は標準的プロトコールを適用し研究の著者に再分析したデータを提供するよう求めました。これにより情報を利用し、座っている時間と身体的活動の時間によって細分されたグループの直接的比較ができるのです。
しかしながら、制限もあります。著者は英語でかかれたものだけを入れているので、他の言語でなされた研究は除外されているのです。
著者は逆因ーこの場合では身体的にアクティブであることで病気が予防できるということーを、健康的な大人の研究を交えて説明しようとしています。この事実は完全には無視できないと認められています。
さらに、データは調査対象者自身の座っている時間、テレビを観ている時間、身体的活動をしている時間の見積もりからきています。正確で正直な自己評価に依存しているだけでなく、一回だけしか計測されていません、なのでずっと見本であるわけではないのです。
オリジナルの研究は喫煙などまぎらわしい要因をコントロールしていましたが、結果に大きな影響を及ぼす社会的経済データを含んでいませんでした。例えば、テレビを長時間観ることは低収入や失業に関連し、それ自体が不健康に繋がるのです。
反対に、ジムにいくには高いお金がかかるので、身体的活動は育ちの良い人に関連すけられるかもしれません。これではテレビを観ていること自体、運動すること自体が死亡リスクに影響をもたらす要因なのか、単に他の要因の目印なのかわかりません。
座りがちの生活スタイルが不健康に繋がることはよく知られています。多くの人にとって、仕事(もしくは仕事の旅行)は長時間座ってやるものです。これを変えることのできる人もいるかもしれませんが(立ち机に変えたり、仕事に自転車を使うなど)多くの人にとっては簡単ではないでしょう。なので自由時間に運動をして身体的にアクティブでいることが役立つでしょう。
しかしながら、すわり勝ちなライフスタイルのリスクを軽減させるための身体的アクティビティの量が通常推進されているものよりも多いことは興味深いです。最もかつ同僚の多い人は60-75分の中程度の強さの身体的活動をしていますー日に30分という通常すすめられているものよりも多いです。
デスクワークによるリスクを軽減するには普通の人よりも身体的にアクティブにならないといけないということでしょう。