出産予定日を過ぎても健康食を続けなければいけない理由とは

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出産予定日後の食事

予定日を過ぎていると、健康的な食事を取る、というのは一番やる気のおきないものかもしれませんが、依然として続ける必要があるのです。
お母さんはもう小さな子を迎える準備は万端なのにも関わらず、問題の当人はちっとも急ぐ様子を見せない。お母さんは食事を取ろうとよろよろとキッチンテーブルの席に着くものの、戸惑う。これから取る食事が赤ちゃんにとっての一体何なのか。そもそもこれ以上赤ちゃんのことを考えて食事を用意しようと奮闘する必要があるのか。だって…もう育ちきってんじゃないの?ねえ?大体、40週間かけて栄養を与え続けてきたんだから、もう十分だろう?350人前のブロッコリー、全粒小麦パン3000枚、ヨーグルト40箱分、というどえらい量の食事…。これ以上取らなくてもいいくらいの十分な蓄えになっているんじゃないか?サケの切り身を炙ったり(今回で275枚目)、レタスをちぎってサラダボウルに入れたり(これで527杯目)する代わりに、ずっと我慢していた甘い菓子や油だらけのポテトチップスを食べてみたところで、何が悪いだろうか。もう十分妊娠食は食べたから、あとは陣痛がくるまで自由な食生活はとったっていいんじゃなくって?

早まってはなりません。予定日は確かに過ぎたかもしれませんが、未だ任務は続行中です。妊娠42週間という時期において、まず第一に覚えておかなくてはならないのは、赤ちゃんは栄養の空っぽな食事では生きていけないということです。(お菓子を棚に戻しましたね?では冷蔵庫からサラダを取り出しなさい。)赤ちゃんは猛スピードで成長を続けており、ビタミンやミネラルを必要としているのです。(たとえばビタミンCやDは体内に貯蔵されないので、日々の補充が不可欠なのです。)次に覚えておかなくてはならないことは、赤ちゃんの小さな脳は依然として発達途上だということ、そしてその発達速度は非常に速いということです。赤ちゃんの知力を強化するには、出来る限り多くのタンパク質とオメガ三系脂肪酸が必要なのです。最後に、妊婦自身の栄養の問題です。肉体的に大変過酷なクライマックス(出産)を迎えようとしている妊婦は、エネルギーをかき集めなければならないのです。これは、健康的な食生活を続けることでしか得ることは出来ません。ましてや授乳を考えているのならば、体内に蓄えられている栄養をけずっている場合ではありません。乳の生産にはそれらが必要なのですから。

トンネルの先に小さな光が見えて、もうこの道のりも終わりが近いのだと感じるのは無理もありません。しかし、だからといって、赤ちゃんに主眼を置いた食生活を投げ出して言いわけではないのです。
最後まで「2人分」の食事を取り、またこれから紹介する必需栄養素を集中的に取っていきましょう。

タンパク質

タンパク質は、妊婦にエネルギーを与え赤ちゃんには脳を開発するための材料を供給する大切な栄養素ですから、常に身近においておきましょう。肉類や魚を食べる気分ではない、というのであれば、もっと軽い食事(朝食にヨーグルトやコッテージ・チーズ等、オヤツにチーズ等)を一日かけて少しずつ食べるとよいでしょう。(スクランブル・エッグ、豆腐の炒め物、味噌汁、野菜バーガーなどはいかがでしょうか。或いは、オートミール、キノア、ナッツ風味のタンパク質豊富な穀物等も選択肢としてあります。)

鉄分

出産は、忍耐・辛抱、といったことが必要になります。原動力を保つためにも、十分な鉄分を接取し続けることが不可欠です。(鉄分欠乏症は疲労を悪化させます。この状態で分娩室に向かうのだけは避けねばなりません。)赤肉、豆類、緑色葉菜、鉄強化シリアル、ドライ・フルーツ、ナッツ、全粒小麦パン等から積極的に鉄分を接取していきましょう。また、このような鉄分食(鉄分サプリメントも忘れてはなりません)は、ビタミンCやカルシウムの供給源と一緒に接取すると、吸収効率が上がるのだということを覚えておきましょう。

DHA

研究者の間でドコサヘキサエン酸と呼ばれるこのオメガ三系脂肪酸は、赤ちゃんの脳を増強します。(この遅すぎる段階においても、です。)また、DHA供給源でも栄養豊富なものを摂取していると、出産後鬱病をを防ぐことが出来ます。DHAは、脂っこい魚(野生のサケ、イワシ)、DHA強化卵等から得ることが出来ます。DHA接取の習慣は、赤ちゃんが産まれても中断してはなりません。とりわけ授乳中ともなれば尚更です。(赤ちゃんの脳のDHA容量は生後三ヶ月の内に三倍になるのです。)

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