HRT(ホルモン補充療法)と更年期の関係

治療方法

HRT(ホルモン補充療法)とは

HRT(ホルモン補充療法)に関しては間違った情報が多くあります。多くのリスクがあるものの、多くの女性たちはHRTが更年期を劇的に緩和すると思っています。

HRTは、更年期によって引き起こされるホルモンエストロゲンおよびプロゲステロンの低下を補います。これは更年期の症状を緩和するのに役立ちます。エストロゲンは健康な骨の発達にとって重要であるので、HRTは、その治療を受けている間、女性を骨粗鬆症から守ることができます。

HRTの利点は以下のとおりです。:
・ホットフラッシュを緩和する
・膣乾燥、尿漏れ、尿路感染の頻発を軽減する
・性的欲求を改善する
・骨粗鬆症に関連して起こる骨折の危険性を減らす
・腸がんの危険性を減らす

しかしながら、欠点もあります。HRTは以下の病症が起こる確率を少し高くします。:
・乳がん
・卵巣がん
・血栓(塞栓症)
・深部静脈血栓症
・脳卒中

2000年から2004年の間で実施された多数の医学研究では、HRTと閉経後の女性が直面する主要な健康問題が検討されました。これらの研究は多くの批判を受けました。つまり、HRTを利用することを嫌う女性がいたのです。

リスクはありますが、現在、ほとんどの専門家は、HRTを5年以内の短期間で使用した場合、その利益はリスクを上回るということに同意しています。

HRTの始め方

HRTでの治療を始めることに興味があれば、医師と利益とリスクについて話し合ってください。

場合によっては、医師はHRTを処方する前に、更年期の専門家に診てもらうことを勧めるでしょう。乳がんや子宮がんなどのホルモン依存性がん、または狭心症や心臓発作などの血液凝固状態になっている場合は、これが該当します。専門家は、HRTがあなたに適しているかについてアドバイスすることができます。

一般的なHRTに関する迷信

以下にHRTに関するいくつかの一般的な誤解、そしてHRTを利用する決断をするために必要な事実です。

「HRTは体重を増やす」
多くの女性がHRTを受けることで体重が増えると信じていますが、この主張を支持する証拠はどこにもありません。
女性は、HRTを受けているかどうかに関わらず、更年期の周辺で少々体重が増える傾向にあります。
定期的に運動をすることや健康的な食事をすることは無駄な体重を減らすことに役立ちます。

「HRTを試したが、うまくいかなかった」
HRTには50種類以上の異なるタイプがあります。錠剤の形で経口的に、パッチまたはゲルとして皮膚を介して、など、さまざまな方法で治療を受けることができます。さまざまなタイプを試して、自分に適した方法を見つけてください。

「HRTを利用していると、妊娠できない」
HRTを利用していても、妊娠することができます。HRTは避妊薬ではありません。したがって、50歳未満または50歳になってから1年経っていない場合、閉経の後2年間は避妊薬を使い続けなければいけません。

「子宮摘出術を受けていれば、HRTは必要ない」
これは必ずしも事実ではありません。子宮全摘出術を受けている場合、最も適したHRTはエストロゲンのみです。エストロゲンとプロゲストゲンを含むHRTを併用すると、それ以上の利益はなく、乳がんになるリスクを高める可能性があります。

部分的な子宮摘出術を受けている場合、まだ子宮内膜があるかもしれません。このため、HRTを併用するべきです。

「補完的治療はより安全な選択肢である」
大豆やレッドクローバーなどのいくつかの薬草療法には天然のエストロゲンが含まれていますが、HRTも主にこれらの植物エストロゲンに由来します。

更年期に利用できる多くの補完的治療が有効であるという確固たる医学的証拠はありません。それらの治療は不快な副作用を有し、他の薬物療法を妨害し、潜在的に有害である可能性があります。

HRTのために漢方を服用することができるかについての詳細な情報については、医師や専門家に問い合わせてください。もし服用することができる場合は、どんなメリットとリスクがあるかについて尋ねてください。

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