代謝の秘密~睡眠、タンパク質、減量~

その他

代謝とは

体重を管理しようとする際には、代謝に気を付ける必要があります。

代謝、特に安静時代謝は、身体のエンジンです。心臓を鼓動させ、肺を呼吸させ、他の臓器を動かすためのエネルギーとなっています。

あなたが一流のアスリートでない限り、毎日燃焼するすべてのカロリーの60%から75%を安静時代謝が占め、燃焼量は人によって大きく異なります。

あなたがカロリーを計算しているなら、自分の安静時代謝を知ることで、体重を増やすことなく、どれくらい食べていいのか、理解することができます。

代謝率が高い人は、カロリーの消費が遅い人に比べて、体重を増やすことなく、より多くの量を食べることができます。

素晴らしくないですか?腹筋運動をしなくても、1日に何百キロカロリーも燃やすことがきる、すばらしい内燃機関が体の中にはあるのです。

ただし、代謝に関していえば、良い面悪い面があります。生まれつき設定されているポイントよりも、代謝を下げるのは可能であっても、設定より遥かに代謝を高めることは難しいのです。

こここでは、科学によって証明されている、体重を減らして、その状態を維持するために、気をつけるべき事柄について紹介します。

睡眠

研究者によると、短い睡眠は体重増加につながることされています。夜間に少なくとも6時間以上眠れない人は過食する傾向があり、通常はデンプン質の、甘い食べ物がとても食べたくなります。

また、睡眠不足による問題は、過食だけではありません。体の代謝が下がることも分かってるのです。

ペンシルバニア大学の研究者は最近、36人の健康な成人を対象に睡眠研究所で研究を行いました。 研究では、5日間にわたって参加者の半分に夜間の睡眠時間に4時間、そして残り半分の人たちに10時間とってもらいました。

ペンシルバニア大学医学部で睡眠を研究する、上級研究者のNamni Goel博士によると、睡眠を制限されていたグループは、起きている時間が長いため活動時間は長くても、1日に約50~60キロカロリーの安静時代謝が低下していたことが明らかになったようです。

これは結果は、膨大な量というわけではありませんが、「睡眠制限の影響だといえるでしょう。」と彼女は話します。

Goel博士によれば、食欲が上がるのと同じように、代謝が乱れているということです。今回の研究に参加したボランティアの中で、睡眠時間が少ないたちは、毎日500キロカロリー以上を摂っていたので、十分な睡眠を取らないだけで、カロリー不均衡は相当なものでした。1日約550キロをカロリーとるだけで、毎週体重が約1ポンド増えることになります。

タンパク質

国立衛生研究所の上級研究員であるKevin Hall博士は、何から摂取されたものであってもすべてのカロリーが等しいという考えをテストするため実験を行っています。博士によると、脂肪や炭水化物においていえば、この事はあてはまるが、タンパク質は別であるとのことです。

「摂取するタンパク質の量を増やすことには、いくつかの利点があるようです」とHall博士は言います。ただ一方で、それが確実だと言い切るには、もっと研究を重ねる必要があるようです。そして、なぜタンパク質が代謝を高める可能性があるのか、Hall博士は確証されていないとしながら、いくつかの理論を持っています。

体は、タンパク質を消化して吸収しようとする際、脂肪や炭水化物よりも、多くエネルギーを消費します。

「タンパク質を増やすことで、代謝率を高めるかもしれませんが、非常にわずかです。ここでは入っているのは、急激に増加するということではありません。」

また、カロリーの主な燃料減を砂糖や炭水化物ではなく、脂肪からとることで、代謝にとっては効果的になる可能性があります。このプロセスを採用したダイエット法は、ケトジェニックダイエットと呼ばれています。ケトジェニックダイエットでは脂肪やタンパク質はたくさんとり、炭水化物を抑える傾向があります。

最近の研究では、Hall博士は17人の過体重または肥満の男性に、2つの異なる低カロリーダイエットを行ってもらいました。最初グループには、炭水化物が高く、脂肪が少ない食事を与え、 2番目グループには炭水化物が少なく、脂肪が多いケトジェニック食をとらせました。2つのダイエットを行うにあたって、同じ分留のタンパク質が与えられました。結果は、両方のダイエット法で体重の減少が見られましたが、ケトジェニックダイエットをしたグループの方が、わずかに代謝が高いことが分かりました。

体重を減らそうとしている人にとって重要なのは、カロリーを減らそうとしている場合、タンパク質摂取量は減らさないということです。

より多くのタンパク質を摂取すると、安静時代謝を高く保つことができます。このことは、体重を減らし、そしてその状態を維持するためには効果的です。

減量

体重を減らすと、私たちの体は、失った体重を取り戻すために激しく戦います。
Pennington Biomedical Research Centerの栄養肥満研究センターのディレクターであるEric Ravussin博士は、体重減少に対するこの抵抗性を、バネを引っ張ることに例えています。

「体重が今設定されているポイントから遠ざれば、遠ざかるほど、体は抵抗します」とEric博士は語ります。体が減量に抵抗するため、行うことことの一つとして、安静時代謝を下げます。体重を落とすスピードが速ければ速いほど、そして落とす体重の量が多ければ多いほど、代謝は下がります。最近の一連の研究では、減量後の代謝の減速がいかに劇的であるかが正確に示されています。

Hall氏は、 “The Biggest Loser”というTVのリアリティー番組のショーに、の第8シーズンから6年間出場しました。このショーでは、肥満の人々を連れて、極度の運動(毎日4時間半まで)を強いるトレーナーと厳しい食事をして、すぐに体重を減らします。7ヶ月間続く大会の終わりには、参加当時の体重の半分近く減らした人もいました。

ただし問題は、体重が落ちたとしても、代謝も下がってしまうということです。体重がもっとも落ちていたとき、安静時代謝は平均して1日600キロカロリー以上減少しました。

研究者たちは毎日のカロリー消費で、多少は代謝が下がるだろうと予想していましたが、急激に低下する結果となりました。そして、専門家の期待とは対照的に、急激に体重を減らした事で下がった代謝は、その後も調整されることはなく、さらに下がることさえありました。

大会を終え、14人の参加者のうち13人は、後に体重をリバウンドさせました。 そのうち4人は、現在ではショーに参加する前よりも、体重を増やしています。ジャンクフードを食べたい気持ちがまだ残っていると言う人もいますが、それを燃やす能力はありません。

「今回のことは、非常に大きなライフスタイルの変化の、極端なケースを調べるために行いました。このような大きな変化を経験したときに、体がどれほど強く反応するかを知りたかったのです。そして、非常に強い反応だということが分かりました」とHall氏は言います。
Hall氏は、体のホルモン、特に飢餓を払いのけるホルモンであるレプチンが、役割を果たすかもしれないと考えています。

別の調査では、「Biggest Loser」参加者は、肥満手術後に体重を減らした同様のグループの人々よりも、体重減少の終わりにレプチンが80%少ない事分かりました。

科学者は現在、体重減少後のレプチン注射が代謝を保存し、体重をリバウンドさせない効果があるかを調べています。。

Ravussin氏によると、ここで覚えておくべきことは、体重が回復するのを防ぐ薬が開発されるまでは、ゆっくり着実に体重を減らすのが、ダイエットには大切だということです。

またHall氏によると、体重減少の考え方を変えようとしているとのことです。特定の体重に達するために、カロリーを劇的に減らし体重を減らすダイエットをとるのはなく、長期的な習慣を習得することに焦点を当てた方が良いと話します。

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