男性の心不全のリスクと甘味飲料の摂取の関係性

甘味飲料のリスク
メキシコなどの一部の郡では、砂糖税を導入している。
甘味飲料はひどく批判されている。
「1日に2回甘い飲料を飲むだけで、心疾患のリスクが劇的に上昇する可能性がある」とThe Sunは報じている。スウェーデン人の研究によると、1日に2回以上甘味飲料を飲んだ男性は平均で心不全のリスクが23%増加するとのことだ。
調査には、45歳から79歳までの42,000人以上のスウェーデン人男性が協力し、1997年にできた食品頻度アンケートからの甘味飲料の、1日の、または1週間の推定摂取量に関するデータが使われた。
約12年間の研究継続後に、1日に2回以上の甘味飲料を2回以上(1回200ml)摂取すると報告した男性は、甘味飲料を消費しなかった人に比べて心不全を経験する可能性が23%高かったと分かった。
しかし、この研究にはいくつかの欠点がある。例えば、血圧を上げ心不全の発症に関与する塩分摂取量の調整がないことだ。
さらに、調査は中高年男性のみが対象であったため、結果は全人口と女性に対して一般化することはできない。
しかし、ほとんどの栄養士は、甘味飲料は公衆の健康に悪影響を与え、いわゆる「スポーツドリンク」は最悪の飲料になりうることに同意すると述べた。 Lucozadeの標準500mlボトルには、砂糖4.8杯分(17.5g)含まれている。
水分補給に関しては水道水ははるかに健康的で安価な選択肢だ。
過度の砂糖摂取をしているかどうか?
あなたがイギリス人ならば、答えはおそらくイエスだ。
政府の最近の報告によると、砂糖は毎日のエネルギー摂取量の5%以上にならないようにすべきだとのことで、それは11歳以上の人で砂糖約30g分だ。これは、砂糖39gを含むコカコーラの缶1本よりも少ない量だ。私たちのほとんどがそれをはるかに超える量の砂糖を消費していると推定されるため、砂糖税の導入が議論の的となっている。
砂糖があなたの健康にどのように影響するか、そして食事の中でどのように砂糖の摂取を減らすかについてのアドバイスが以下である。
研究は、スウェーデンのストックホルムにある環境医学研究所(the Institute of Environmental Medicineの研究者によって行われた。この研究は、スウェーデンの医学研究委員会(the Swedish Research Council Committee for Medicine )とスウェーデンのインフラストラクチャー研究委員会(the Swedish Research Council Committee for Infrastructure)によって資金提供された。
研究はイギリスの医学ジャーナルハート(the peer-reviewed British medical journal Heart)に掲載された。この調査はオンラインで自由に読むことができる。
この研究は、イギリスのメディアによって、正確かつ責任ある形で報道された。
デイリー・テレグラフ(The Daily Telegraph)は、ストックホルムのカロリンスカ研究所(the Karolinska Institute )の研究者らからの「甘味飲料の消費が心不全発症に関与する可能性がある」という報告書を発表した。この発見は心不全予防策に役に立つかもしれない。
彼らはまたワーウィック大学(the University of Warwick)の心臓血管医学教授であるFrancesco Cappuccioの次の発言を取り上げている。「高糖度飲料は体重増加と糖尿病によって心不全に関与する可能性がある。」さらに「塩分摂取量(塩分摂取量は発展途上国の方が高い)が喉の渇きを増長し、甘味飲料を含む飲料の摂取が増えるという代替的な説明がある。つまり心不全を起こす人の増加は過度の塩分摂取、高血圧の結果なのだ。」
SunとMail Onlineは、英国ソフトドリンク協会(the British Soft Drinks Association)のガビン・パティントン(Gavin Partington)の言葉をとりあげた。つまり、驚くことではないが、彼は、この研究は「限定的」であり、「原因と結果について決定的な結論は得られない」と述べたのだ。
この研究は、甘味飲料の摂取がスウェーデンの男性の心不全のリスクと関連しているかどうかを調べることを目的とした観察研究だった。甘味飲料の摂取と心不全の長期的な関連性を研究するために、この研究はほぼ12年間にわたり行われた。
研究者らは、世界中で2,300万人を超える人々が心臓病の影響を受けており、高齢者と男性の間で罹患率が増加していると述べている。世界保健機関(WHO)は、早期心臓病や脳卒中の80%以上が予防可能であると述べている。彼らの予測研究によると、イギリス国内の心臓病による死亡者は、心臓病に関連するリスク因子(コレステロールなど)のわずかな変化によって半分になる可能性があるという。
このような長期間で多くの人を対象とした観察研究はある物質に対する曝露とその結果との間に関連があるかどうかを示すことができる。しかしながら、その結果に複数の要因が関与している可能性があるため、因果関係を確実に確立することはできない。
この調査は、45歳から79歳までの42,400人のスウェーデン人男性を対象に行われた。対象者はスウェーデンのヴェストマンランド州の郡に住んでいた。
すべての被験者は、1997年にスウェーデンの食生活を評価するために作られた食物頻度アンケート(FFQ)に答えるよう要求された。このアンケートでは、過去1年の、96の食品と飲料の平均消費量が聞かれた。
甘味飲料の消費量に関する情報を収集するために、被験者に、1日または1週間で飲むソフトドリンクまたは甘味飲料の量を質問した。彼らはまた、コーヒー、アルコール、果物、野菜、加工肉、魚をどれだけ消費するかたずねられた。
研究者らは、1998年から2010年のスウェーデン国民患者登録簿と死因の原因の診断と治療の詳細を含めた心不全発病について記録した。
被験者には、研究結果に影響を与えうる以下の要因について質問された。
狭心症または脳卒中の既往歴
高血圧かどうか
糖尿病であるかどうか
喫煙について
運動について
肥満指数(BMI)
学歴について
家族の心臓発作発生者の有無
約12年間にわたって、4,113人が心不全と診断された。これらのうち、3,604人が入院を必要とする心不全の最初の段階であり、心不全による死亡者は509人であった。
すべての調査結果を整理した後、1日あたり2回以上の甘味飲料(1回200ml)を摂取する人は、甘味飲料を消費しなかった人に比べて心不全を経験する可能性が23%高いと分かった。
研究者はまた、低い教育レベルと、より高い甘味飲料の消費量には強い関係性があることを発見した。
この研究結果は、甘味飲料消費がHF [心不全]発症の原因になるということを示唆している。この結果は心不全予防策と関わりがある。 そのため、甘味飲料消費とHF [心不全]発症の関係性についてのさらなる研究が必要である。甘味飲料消費とHF [心不全]発症を結びつける生物的メカニズムについての注意深い研究の必要もある。
この観察研究は、甘味飲料の摂取と心不全のリスクとの間の関連を見出した。
この研究は、対象人口規模が大きく、研究期間が長いなどの長所がある。しかし、それにはいくつかの限界があり、これは研究者も認めている。以下が、その「限界」である。
調査には中高年男性のみが対象ため、結果はすべての年齢層や性別に一般化することができない。
男性はすべてスウェーデン出身で、イギリスなどとは異なる食生活である。
研究者は、1997年に、過去一年の、毎日そして毎週の甘味飲料摂取量のデータを収集した。これは2つの制限をもたらす。第1に、参加者は過去1年間に摂取量を報告するよう求められていたため、摂取量についての思い違いがあるかもしれない。第二に、個人の食事習慣は、12年間の研究継続期間に変化した可能性がある。
甘くした飲み物には低カロリーの発泡飲料など人工的に甘くした飲み物が含まれていたが、果汁は食物アンケートには含まれていなかった。この事実は、飲料の種類が悪影響を及ぼしている可能性があるという結論を制限するものである。
血圧を上げ、心不全の発症と関係があると知られている食塩摂取量の調整がなかった。
研究自体は、心不全と甘味飲料摂取の関係性を確立するのに役立つものの、因果関係を確認することができない。
研究者は、多くの、よく知られている混乱要因を説明している。
しかし、観察された結果に影響を与えたかもしれないにもかかわらず、分析において考慮されない他のいくつかの因子が存在し得る。
多くの野菜やフルーツ、塩分が少ない食べ物をとり、運動を行うというライフスタイルは多くの病気の予防に役立つ。体重を減らしたり(太り過ぎの場合)、喫煙をやめたり、コレステロールを低下させたり、アルコール摂取量を減らしたりすることも、全体的な健康状態に良い影響を与え、心不全のリスクを低下させる。
ほとんどの栄養士は、甘味飲料を、日常的に飲むものではなく、時々飲むものとするように勧めている。