皮膚がん(非黒色腫皮膚がん)の治療について

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非黒色腫皮膚がんの治療について

非黒色腫皮膚がんの治療は、外科手術が一般的ですが、その時の状態によって異なる場合があります。

その場合、凍結療法、抗癌クリーム、光線力学療法(PDT)、放射線療法、電気化学療法といった、非外科治療が用いられます。

非黒色腫皮膚がんの10人中少なくとも9人は治療可能だとされています。

最適な治療法を決定する際、医師は以下を検討します:

・癌の種類
・癌の段階(大きさとその広がり具合)
・一般的な健康状態

医師によって、最良の治療法が推奨されますが、どの治療法を選ぶかは、最終的には患者の判断となります。治療の選択肢について医師に相談する前に、聞いておきたいことをメモしておくようにしましょう。(各治療法の長所と短所など)

外科的切除

外科的切除は、癌を完全に除去するために、周りにあるの健康な皮膚組織と一緒に、患部を切除する手術です。

取り除いた後は、首、腹部、または大腿部のような、痕の残りにくい身体の部分から、健康な皮膚の一部を切り取き、患部に移植します。

ほとんどのケースにおいて、非黒色腫皮膚がんは外科手術で治療することができます。

モース顕微鏡手術

モース顕微鏡手術(MMS)は、非黒色腫皮膚がんを治療するための、専門的な手術です。特に以下の状況で検討されることが多くあります。

・癌の進行進んでいたり、再発のリスクが高い場合
・鼻や目の近くなど、皮膚を可能な限り少なく切除する場所に癌がある場合

モース顕微鏡手術は、腫瘍や周囲の皮膚の小さな領域を切除する際に適応されます。すべての腫瘍が完全に除去されたことを確実にするために、切り取られた皮膚層を、すぐに顕微鏡で検査します。

癌が完全に除去できていなければ、通常は、同じ日にさらなる手術が行われます。このことで、健康な組織の除去が最小限に抑えられます。より確実に、腫瘍を除去することができますし、瘢痕も少なくてすみます。

掻爬(そうは)と電気焼灼(でんきしょうしゃく)法

掻爬と電気焼灼法は外科的切除と同様の手術ですが、がんが非常に小さい場合に行われます。

手術では、小さなスプーン形または円形の刃を使用して、がんをすくい取り、残りの癌細胞を電気で焼いた後に、傷を密封します。 癌が完全に除去されることを確実にするために、2〜3回この手順を繰り返すことがあります。

凍結療法

凍結療法では、癌を冷却し破壊します。初期段階の非黒色腫皮膚がんの際,時折使用されることがあります。

液体窒素でがんを凍結すると、患部にかさぶたが形成されます。そして約一ヶ月後にがんを含むかさぶたが肌から落ちます。凍結療法は、肌に小さな白い傷を残すことがあります。

抗癌クリーム

抗癌クリームもまた、特定の非黒色腫皮膚がんに使われることがありますが、腫瘍が皮膚の最上層にある場合にのみ推奨されています。(例えば、初期の基底細胞がんやボーエン病など)

抗癌クリームには主に2つのタイプがあります

・化学療法クリーム – 5-フルオロウラシルと呼ばれる薬剤が含まれています
・免疫刺激クリーム – イミキモドと呼ばれる薬剤が含まれています

非黒色腫皮膚がんの場合、5-フルオロウラシルを含む化学療法クリームが使用されます。
クリームは、数週間、患部に塗布されます。

イミキモドクリームは、直径2cm未満の基底細胞癌を治療するために使用されます。光線性角化症やボーエン病の治療にも使用されています。

イミキモドは、免疫系が皮膚の癌を攻撃することを奨励し、数週間にわたって使用されます。

5-フルオロウラシルクリームとイミキモドの一般的な副作用としては、赤み、はがれ、皮膚のかゆみなどがあります。あまり一般的でなく、重篤な副作用として、水疱や皮膚潰瘍形成があります。

光力学療法(PDT)

光力学療法(PDT)は、基底細胞癌、ボーエン病および光線性角化症を治療するために行われます。また皮膚を光に対して非常に敏感にするために、特別なクリームが使用されます。

クリームが塗布された後、強力な光源を皮膚の患部に照射し、ガンを死滅させます。

PDTは灼熱感を引き起こし、瘢痕を残すことがありますが、通常は手術よりも痕を残しません。少なくなります。

放射線療法

放射線療法では、がんを破壊するために低線量の放射線を使用することを含む。浴びる放射線の量は、身体にとっては全くもって安全なレベルです。ただ、治療後数週間は皮膚に痛みを感じることがあります。

放射線療法は、以下の場合において、基底細胞および扁平上皮細胞癌の治療のために使用されることがあります。

・外科手術ができない
・がんが広範囲に及ぶ
・操作が領域難しい

放射線療法はまた、癌の再発を防ぐために外科的切除後に使用されることがあります。これをアジュバント放射線療法といいます。

電気化学療法

電気化学療法は、非黒色腫皮膚がんに有効とされている治療法です。以下の場合、電気化学療法が検討されます。

・外科手術が適切ではない、またはうまく行かなかった
・放射線療法および化学療法で効果がみられなかったなかった

この方法では腫瘍に、時には直接静脈内に、化学療法を与えます。短時間で強力な電気パルスが、電極を用いて腫瘍にたどり着きます。短い電気パルスが、薬剤をより効果的に腫瘍細胞に入るよう促し、腫瘍をより多く損傷させます。

電気化学療法は、通常、全身麻酔によって行われますが、局所麻酔を使用する場合もあります。所要時間は腫瘍の数によって異なりますが、1時間ほどかかることもあります。主な副作用は、電極が使用された箇所の痛みです。数日間続くことがあり、鎮痛剤を必要とすることもあります。

結果が出るまでには約6週間かかり、通常は手順を繰り返す必要があります。

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