ウィートグラスは健康を増進させるものなのか

その他

ウィートグラスとは

「ミスター・ウィートグラス(Wheatgrass)」と言われた、アメリカの科学者、チャールズ・シュナベル(Charles Schnabel)による1930年代の発見は、今日まで継続しているウィートグラス(小麦草)についての一連の科学的研究を引き起こしました。

誇大宣伝を信じる場合、ウィートグラスは他の野菜よりも栄養成分が高く、炎症を防ぎ、赤血球を作り、循環を改善する効果がると思うでしょう。
ウィートグラスには、クロロフィル、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンE、鉄、カルシウム、マグネシウムが含まれています。
英国栄養士協会(BDA)と協力して、ウィートグラスに関して言われている健康上の利点について精査してみました。

ウィートグラスの研究結果

ウィートグラスの栄養効果として主張されていることについて
30mlのウィートグラスには、栄養価高い様々な野菜を混合した1kg程度の栄養素が含まれているという主張にもかかわらず、研究では、ウィートグラスが含有する栄養成分は、重量で比較すると、ほうれんそうやブロッコリーなどの一般的な野菜とほぼ同等量でした。

ウィートグラスを飲んで赤血球を増やすことはできますか?

ウィートグラスの愛好家たちは、クロロフィルとヘモグロビン(身体中に酸素を運ぶタンパク質)は構造が似ているので、ウィートグラスジュースを取るとヘモグロビン産生が増強されると信じています。しかし研究を見る限り、この主張をサポートできるような科学的証拠はありません。

ウィートグラスは結腸炎を鎮めますか?

2002年の小規模な研究では、潰瘍性大腸炎(結腸炎)患者が、一ヶ月間、毎日100mlのウィートグラスジュースを与えた後に症状が改善していました。しかし、この研究にはわずか21人しか関与しておらず、結果を裏づける肯定的な結果は単なる偶然であった可能性があります。したがって、証拠は確定的ではありません。

ウィートグラスは血液疾患の人々の助けとなりますか?

サラセミアと呼ばれる血液疾患の患者32人を対象とした、2004年の小規模研究では、ウィートグラスジュースを毎日100ml、3年間毎日服用した場合、患者の半分が輸血回数が減ったことが分かりました。興味深い話ではありますが、研究には多くの弱点があり、これらの知見が適切に確定されるにはさらなる研究が必要でしょう。

ウィートグラスに関する栄養士の判断

英国栄養士協会(BDA)の栄養士・広報担当のアリソン・ホーンスビーは、こう言っています。「ウィートグラスが他の果物や野菜よりも栄養面で優れているという主張を裏付ける証拠はありません。食品群の他のどの選択よりも推奨できないものです。」
「フルーツや野菜の推奨1日摂取量に寄与しますが、一杯のウィートグラスの摂取は、摂取した栄養素には一種類としてカウントされません。しかし、ウィートグラスの愛好家であれば、フルーツや野菜のスムージとウィートグラスを混ぜることができるでしょう。」

関連記事一覧