子どもに見られる脱水症とその他の熱中症についてのガイドライン

症状

熱中症を予防するガイドライン

これらのガイドラインは保護者とコーチの、暑い天候の中でスポーツをする子供の安全とパフォーマンスを向上させる手助けをするために作り出されたものです。スポーツをしたり暑い天候の中で体を動かす子どもは熱中症にかかるリスクが高いです。嬉しいことに、熱中症は未然に防ぐことや、正しく手当てをすることができます。
子どもの発汗量は大人よりも少ないです。このことにより、子どものほうが体温を下げるのが困難になります。保護者やコーチは、子どもが徐々に熱気と湿度に慣れていくことができるように慎重にやらせなければなりません。
子どもが熱中症にかかる理由は他にもあります。健康状態があまり良くない人や病気の人、または過去に脱水症や熱中症にかかったことがある人はしっかりと見ておかなければなりません。とても暑く、湿度の高い日には特に、試合や練習中の全参加者の健康と安全を監視するために資格を持っているアスレチック・トレーナーなどの医療専門家がその場にいるのが好ましいでしょう。

脱水症

子どもは汗で失われた水分を補充しなければ脱水症を起こします。少し脱水状態にあるだけで子どもは気分が悪くなり、プレーの調子も悪くなります。脱水症は子どもが他のさらに危険な熱中症になるリスクも高めます。

サインや症状
・口の乾燥
・喉の渇き
・おこりっぽかったりいらいらしている
・頭痛
・つまらなさそうだったり無関心な様子
・めまい
・痙攣
・過度な疲労
・普段ほど速く走れなかったりうまくプレーすることができない

処置
・日陰もしくはエアコンの利いている場所に子どもを移す
・彼または彼女に飲み物を与える

「いつになったらプレーを再開できるの?」
症状が見受けられなくなったら子どもは再び活動することができます。しかし、子どもを監視し続けることが大事です。

熱痙攣症

熱痙攣症は簡単に処置できる軽い熱中症です。これらの激しい筋肉の痙攣は通常、子どもが長時間運動をしていて、汗により大量の汗と塩分を失ったときに起こります。熱痙攣症は一般的に暑いところで活動する子どもに見受けられるが、暑くないとき(たとえば、アイスホッケーや水泳をしているとき)にも発症することがあります。
よく汗をかく子どもや汗の塩分濃度が高い子どものほうが熱痙攣症にかかる危険性が高いです。熱痙攣症の大半は良い健康状態、ゆっくりと熱と湿気になれること、そして子どもがしっかりと食事と水分を摂ることによって防ぐことができます。

サインや症状
・激しい痛み(肉離れや筋を違えることとは関係のないもの)
・運動中と運動後に続くしつこい筋収縮

処置
・水分とナトリウム不足を補うためにスポーツドリンクをその子どもには与えるべきです。
・痙攣している筋肉を軽く伸ばし、リラックスさせ、マッサージすることで改善するかもしれません。

「いつになったらプレーを再開できるの?」
痙攣が治まり、彼または彼女が参加できると感じ、そのような様子だったら子どもは再び活動することができます。子どもが食べるものや飲むものを変える、もっと健康的になる、もしくはもっと熱に慣れる必要があるかどうかを確認することによって熱痙攣症が長引くリスクを低くすることができます。

熱性疲労

熱性疲労は、子どもが脱水症などの熱の悪影響を受けた後も活発に動き続けたときに起こる軽い熱中症です。子どもの身体は要求に応えることに苦戦し、熱性疲労へとつながります。

サインや症状
・子どもがプレーし続けることを困難もしくは不可能と感じたとき
・体を思うように動かせない、めまいまたは失神
・脱水症
・過剰な発汗または血色の悪い肌
・頭痛、吐き気、嘔吐または下痢
・胃/腸痙攣またはしつこい筋痙攣

処置
・日陰もしくはエアコンの利いている場所に子どもを移す。
・余計な衣服や道具を外す。
・子どもを冷水やうちわ、冷たいタオルで冷やす(タオルは頻繁に取り替える)。
・心臓より上の位置に脚を上げ、楽な体勢で子ども寝かせる。
・もし子どもに吐き気がなく,嘔吐もしていなかったら、彼または彼女に冷えた水またはスポーツドリンクを飲ませる。
・子どもはすばやく回復するでしょうが、改善がほとんどもしくは全く見受けられなかった場合には子どもを救急医療へ連れて行ってください。

「いつになったらプレーを再開できるの?」
子どもは熱性疲労と脱水症の症状がすべてなくなるまで活動を再開してはいけません。少なくとも次の日くらいまでは激しい運動は避け、もし重度の熱性疲労だったなら、それより長く待ってください。もし子どもが救急医療を受けたなら、彼または彼女は医師の同意が得られ、具体的な復帰指示を与えられるまで復活してはいけません。
保護者やコーチは熱性疲労の後に続く問題を引き起こしやすくするような健康状態や病気を防がなければなりません。道具を使うスポーツに関しては特に、子どもが熱の下で完全に復活する前にこれらの問題を解決しましょう。

運動性熱射病

熱射病は、熱気の中での運動の負担により、子どもの体が発散できる量よりも多い熱を生成してしまったときに起こる重い熱中症です。これは中核体温の急激な上昇につながり、不可逆的な障害や、処置されないままだと死にまで至ることがあります。

サインや症状
・子どもが病気になったときの、だいたい104°F/40°C(直腸温)までの中核体温の上昇
・意識変容、発作、精神錯乱、情緒不安定、非理性的な行動や知的鋭敏さの低下などの中枢神経系の異常

その他のサインは次のようなものも含む:
・吐き気、嘔吐または下痢
・頭痛、めまいまたは脆弱性
・熱くて濡れた、または乾燥した肌
・心拍数の増加、血圧の低下または速い呼吸
・脱水症
・喧嘩っぱやい

処置
その場に医療関係者がいない場合:
・救急医療を呼び、ただちに最も近い救急医療施設への搬送を依頼する。救急施設に搬送されるまでの時間と搬送中に子どもを冷やし始める。

その場に医療関係者がいる場合:
・医療関係者を早急に呼ぶ。余計な衣類や道具を外す。子どもを水風呂に入れ、激しい全身冷却を始める。風呂が準備できなければ、冷水、うちわ、氷や冷たいタオル(頻繁に替える)をできる限り体の上に置く。
・救急医療を呼び、最も近い救急医療施設への搬送を依頼する。

「いつになったらプレーを再開できるの?」
熱射病にかかった子どもは、彼もしくは彼女の医師の許可が下り、具体的な復帰指示を与えられるまではか活動を再開してはいけません。保護者は子どもの医師と協力し、しつこく熱射病の問題を引き起こす可能性のある健康状態や病気を防ぎましょう。子どもは、特に道具を使った競技の場合には、アスレチック・トレーナーや他の資格を持った医療関係者の指示のもとゆっくりと運動を再開しましょう。

保護者:子どもは運動しているときにどのくらい水分を摂るべき?

・暑い中で運動をする前にお子さんの体重を測りましょう。(すでに暑い中で運動をしていたら、彼または彼女はもう脱水症を起こしているかもしれません。)
・運動後にもう一度お子さんの体重を測りましょう。
・お子さんの運動前の体重と運動後の体重を比較しましょう。

もし運動後の体重が運動前の体重よりも軽かったら、お子さんは運動中の水分補給が足りていません。わずか1%の体重の減量でもパフォーマンスの低下につながります。子どもは水だと失った水分を十分に補給しないということが科学者によって証明されているため、お子さんの水分の摂取を促すために味のついたスポーツドリンクを与えるのが良いかもしれません。

関連記事一覧