てんかんによる引き付けの発作を起こしたときの対処法

発作への対処法
誰かが発作や引き付けを起こしているところを見かけたら、助けてあげるためにできる簡単なことはいくつかあります。この記事を参考にして、どのようなことができるのかを知り、どうなったら救急車を呼ぶべきかについて知っておきましょう。
発作を起こしている人を見ると怖くなってしまうかもしれませんが、パニックに陥ってはいけません。「楽にさせてあげることを試みて、発作を起こしている人が怪我などをしないように気をつけてあげることが大切です」と、ロンドンのKing’s College Hospitalの顧問神経科医(脳専門医)のChris Clough医師は話します。「強直間代発作の場合、何かの後ろに閉じ込められていたり、何かを強く蹴ったりすることがあります。」一緒にいる人が強直間代発作を起こした場合、次の手順に従ってください。
・交通量の激しい通りや、熱いものを扱っているキッチンなど、怪我をする可能性のある場所から遠ざける
・地面や床に寝そべっている場合、頭を打つ衝撃を和らげるような状態にする
・呼吸を助けるために、襟やネクタイなどの首周りをきつくしている服をゆるめる
・けいれんが止まったら、体の側面が下になるように、体の向きを変える
・そばに付き添い、回復するまで落ち着いた口調で話しかける
・発作が始まったときと終わったときの時間を記録しておく
発作を起こしているときは、指を含む、どのようなものも入れてはいけません。発作のときに舌を噛むこともありますが、これはいずれ自然に治癒します。何かを口の中に入れるほうが、もっとダメージを与える可能性があります。意識を回復してくると、混乱している場合がありますので、なだめてあげてください。
救急車を呼ぶ必要はありますか?
必ずしも救急車を呼ぶ必要はありません。てんかんの患者は、発作が起きるたびに病院へ行く必要はないからです。「私の患者の中には、発作を起こすと病院に連れて行かれるので、気付いたら町のあらゆるところにいた、ということを話す人がたくさんいます。」とClough医師は話します。
てんかんの患者の中には、特別なブレスレットやカードを携帯している人もおり、医療専門家や、発作を目撃した人が、てんかん持ちだということを知ることができます。
しかし、以下のような場合は、119番通報をしてください。
・その人が発作を起こすのが初めての場合
・発作が5分以上続く場合
・意識が完全に回復しない場合、または意識が回復することなく発作が連続する場合
何が起こるのか知っておきましょう
発作の間に何が起きたかをメモするようにしましょう。これは、発作を起こした本人や、その医師にとって役に立つことがあります。
発作の間にその人が何をするのかに注意してください。発作のあとにどのような状態になるかメモをしておき(例えば、眠くなる、混乱する、攻撃的になる、など)、発作がどれくらい続いたか時間を記録しておきましょう。以下の情報が役に立つかもしれません。
・その人はどこにいましたか?
・何をしていましたか?
・おかしな臭いや味など、普通ではない感覚があると言っていましたか?
・興奮、不安、怒りなど、その人に感情の変化はありませんでしたか?
・どうして発作に気付きましたか?例えば、その人が倒れたり、眼球が上転した、頭を回したなどの体の特定の動きがありましたか?
・発作は前触れなく突然起こりましたか?
・意識を失いましたか?または意識に変化はありましたか?
・その人の体の色は変化しましたか?例えば、白くなったり、赤くなったり、青くなったりしましたか?もしそうなったとしたら、体のどの部位ですか?顔、唇、手ですか?
・体のどこかが硬直したり、けいれんしたり、ピクピク動いたりしましたか?もしそうなったとしたら、どの部分にそれが見られましたか?
・その人の呼吸に変化はありましたか?
・ブツブツとつぶやいたり、うろうろしたり、服をいじくり回すなどの行動を起こしましたか?
・発作はどれくらい続きましたか?
・失禁がありましたか?(尿や便をコントロールすることができませんでしたか?)
・舌を噛みましたか?
・発作のあとはどのような状態でしたか?
・発作のあと、寝る必要がありましたか?あった場合、どれくらい眠っていましたか?